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ゴジラかな?

 声楽のレッスンの続きの続きです。

 さて、響きを高くして、高音を楽に歌うには、どうしたら良いでしょうか? 

 これには何か決まり切ったやり方ってのはなく、歌手それぞれが自分の師匠から一子相伝(笑)で伝えられた方法でやるとか、あるいは修行の末、自分で試行錯誤して新しい方法を見つけるとか、まあそんな感じで、秘伝のようなもの、あるいは悟りを開いて、手に入れるのです。

 そしてその方法は、第三者的に見ると、何とも馬鹿げた方法だったりもするようです。例えば、人によっては、腕を回したり、首を曲げたり、目をひん剥いたりして、それらを実現していくわけです。

 では、私はどうしたらいいのでしょうか?

 ちなみにY先生自身は、この問題に直面した時に、当時の師匠から「私(師匠)の顔を思い浮かべなさい」と言われたそうです。「師匠の顔を思い浮かべながら歌えば失敗しない」と言われたそうだけれど、それではうまく行かなかったそうで、当時の師匠から「君は私の事が好きではないのか!」と叱られたのだそうですが…これについては、Y先生に同情する私です。だって、オッサンの顔を思い浮かべたら、声の響きが高くなるなんて…どう考えても、そんなわけないもの。

 でもこの話の中にもヒントはあるはずなんです。

 響きを高くするとか、高音を出すためには、上アゴを開ける必要はあるし、声帯を上に引っ張る必要はあります。それをY先生は「天井を高くする」という表現をします。歌う時は、必ず天井を高くして歌いなさいと言います。そして、カッコいい声を出したければ、まず天井を高くした上で、声を下に引っ張りなさいと言います。天井を高くしないで、カッコいい声を出そうとすると、声が落ちてしまうから、それはダメだと言います。

 とにかく、天井を高くし、声をその天井を通して出す…と言うのです。でも、それでは、分かったようで分からないままなのです。

 そんな話を聞きながら、私は唐突に思った事は、眼の前にゴジラが現れたらヤバいなあ…という事です。

 ゴジラが目の前に現れたら、びっくりして固まってしまうと思うわけです。固まって、息を飲み込んでしまうのです。逃げなきゃいけないと思っても、逃げられず、ついつい腰を落として、両足で踏ん張って、その場に立ちすくんでしまうと思うわけです。で、思わずゴジラを見上げるだろうし、思わず大声で叫びたくなるだろうし…そして、上を向いて重心が後ろに移動して…腑抜けて、腰を抜かしてしまうだろうと思うわけです。

 最近、ゴジラ映画ばかり見ているから、ついついゴジラの事を考えてしまうわけだし、実際に腰を抜かしてしまってはダメですが、腰を抜かす直前までの身体反応は、響きの高い声を出す身体反応に通じるのではないか…と、なぜか唐突に思ったわけです。

 ま、オカルト的な発想だよね。

 でも、眼の前に身長50mのゴジラが現れたら、思わず甲高い声で悲鳴にもならないような声で叫んでしまう気がするんですよ、その時の声って、だいぶ響きが高いような気がするんですよ、ダメかな? ダメかな?

おまけ 今月はY先生が出演されるオペラがあります。「魔笛」で先生はザラストロを歌われるのですが、妻の調子が悪かったので、パスしていたのですが、最近、少しずつ調子が良くなってきたので、もしかしたらオペラを見に行けるかも…と思ったので、先生に改めて「チケット、ください」とお願いしたところ、すでに完売しているので、チケットはありませんって言われました。オペラのチケットが完売? 驚きました、そんな事って、あるんですね。ビックリです。

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