寝不足と満腹に苦しめられながら、荷物をまとめてホテルをチェックアウトをしました。ホテルを出て、バス停までのダラダラした坂道がとてもつらく感じました。まだ、呼吸困難が少々残っているようです。
バス停に到着してバスの時刻を見たところ、次のバスまで１時間とちょっとありました。まあ、仕方ないです。急ぐ旅路ではないので、バスを待つことにしました。
バス停はロープウェイの駅の近くにあるので、１時間待つくらいなら、ロープウェイに乗って、山を上り下りしてもいいんじゃないかと思いました。何しろロープウェイは15分置きに出ているのだから、ロープウェイで登って、景色を見て、下ってくれば、だいたい１時間じゃない？ それはいいねと思ったけれど…息苦しくて先立つ体力が無くて、それは見送ることにしました。
いやあ、ほんと、年を取ると、息が苦しいてと、何もやる気がしないもんだね。
ぼんやりとバス停で本を読みながら待っていたら、30分ほどして渋川駅行のバスがやってきました。あれ？ どうやら我々がチェックしていたのとは別のバス会社のバスがやってきたようです。ラッキーというわけで、さっそくそのバスに乗りました。
そのバスは急行バスで、水沢を経由して、渋川駅に行くバスでした。いやあ、本当は二日目に水沢に行って、観音様をお参りしてうどんを食べようとも思っていたのですが、あまりに交通の手段が悪かったので、それをパスして、グリーン牧場に行ったわけなのですが…グリーン牧場に行って正解でした。と言うのも…急行バスで現地を通過して分かりました。水沢、遠いわ。同じ渋川市内で、同じ伊香保という住所であっても、温泉街から遠い遠い。おまけに水沢は広くて、うどん屋もぽつんぽつんと点在しすぎ。これは自家用車で観光する人ならともかく、公共交通機関を利用して観光する我々には、全く向かない観光地だと分かりました。
それにうどんなら、上州物産館で美味しい水沢うどんを食べられたので、うどんを食べに、わざわざ観音様のところまで行かなくても、結果オーライだったしね。
で、渋川駅に到着したので、スーツケースをコインロッカーに預けて、テクテクと日本シャンソン館に向かいました。
日本シャンソン館…これはシャンソン歌手、芦野宏さんの記念館なのでした。
皆さんは芦野宏という歌手をご存知ですか？ 私は知りませんでした（ごめんなさい）。日本で最初にＬＰレコード（つまりアルバムね）を出したポピュラー歌手で、初代コメットさんのお父さん役を演じた人…なんだそうです。どうやら、私の親世代の方のアイドルっぽい存在の歌手さんのようです。その方の記念館が、日本シャンソン館なのでした。
いやあ、勉強になりました。戦後まもなくの日本のポピュラー音楽界の話とか、当時の洋楽（この方の場合はシャンソンですが）の輸入や普及の様子とか、日本とフランスの文化交流とか…。なにより芦野宏という歌手について知ることができました。
音源を張っておきます。
いいですよね。私は好きになってしまったので、ミュージアム・ショップで、芦野宏のDVDを購入してしまいました。「歌い続けて５０年 / 芦野宏・シャンソンと共に歩む」ですが、こちらにリンクを貼ろうと思ったら、そのDVDは日本シャンソン館の著作販売のモノなので、アマゾンでは買えません。残念。ただし、日本シャンソン館のHPからは買えるようなので、ご希望の方はそちらからどうぞ。
シャンソン館を見学したら、渋川駅に戻りました。コンビニで昼食の駅弁を購入しました。「牛すきと牛焼肉弁当」です。朝食を食べすぎたので、いつもならお弁当を２個買う私も、今回は一つだけにしました。その代わり「伊香保温泉名物 湯の花まんじゅう」をスイーツ代わりに購入しました（えへへ）。
行きと同じ“特急草津・四万号”に乗って上野まで行きました。上野からは上野東京ラインに乗りました。まだ３時過ぎで、通勤の時間では無かったはずですが、電車が混んでいて、ちょっと大変でした。
地元の駅まで帰り着いて、バスに乗って自宅にたどり着いたら、もうクタクタです。でも、辛かったのは、帰り着いた日ではなく、その翌日でした。いやあ、疲れって遅れて出てくるんですよね。妻なんて、疲れすぎて頭痛がすると言って、一日中寝てました。
年を取るのも、辛いもんだね。でも、旅行は楽しかったんだよ。これで夏の旅行は終わりです。次は…秋は忙しいから、冬にどこかに行きたいです。
それにしても伊香保は、坂と階段の街でした。あれは元気で若い人向けの温泉地であって、老人が行くような温泉地ではない…と思いました。そういう意味では、若者を引きつけるような観光資源の開発がより強く望まれているのだろうと思いました。さもなければ、中国人たちに街が乗っ取られちゃうよ。
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