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楽器を買い換えたような気分です

 キング先生から三週間に渡って『練習禁止令』を発令された私ですが、それをかなり忠実に守っておりました。で、その結果が、生まれて始めての『頭声』につながったわけです。

 あれから『練習禁止令』は解除されたものの、今度は『発声練習禁止令』が出ました。もちろん、きちんと『発声練習禁止令』は守っています。と言うか、怖くて発声練習などできません。

 と言うのも、その後、自宅に戻って、発表会に向けて「ああ、愛する人の」の音取りを始めたのですが、実は音を取っている自分の声に酔っております。いやあ、実に自分でもナルシスだなあ…と半分あきれているのですが、事実、音を取っている自分の声についつい聞き惚れてしまうのです。

 なんて言うのかなあ…、自画自賛モードで申し訳ないのですが、本当に歌声が美しく変わってしまいました。美しすぎて、うっとりしてます。いい年したオッサンが自分の声に聞き惚れているなんて、客観的に見ると、ゲロゲロで気持ち悪いのですが、仕方ありません。だって、美しいんだもの。

 ま、今までがひど過ぎたという事も、なきにしもあらずなのですが…ね。

 では、その声でバンバン歌っているかと言うと、そうではなく、むしろ逆で、あまり歌いたくないのです。と言うのも、この声の出し方に全然自信がないというか、どうやって声を出しているのか、今でも分かりません。自分の体の中で何が行われているかも分かりません。なので、ヘタな事をやって、声を失うのが怖くて、ロクに歌えません。とりあえず、音取りだけはやってますが、それ以外の歌を歌う気にはなれません。発声練習なんて、とんでもない話です。

 早く次のレッスンがやってきて、この声を少しでも自分のものにしたいと願っています。ああ、次の声楽レッスンが本当に待ち遠しいです。

 なんだろう。今までも毎日、歌が上手くなりたくて、努力をしたし、毎日毎日練習もしてきました。しかし、その練習量に比例して上達…するわけもなく、ただやみくもに練習を重ねていくだけで、ちっとも上達していないような気がしていました。それが最近の私の姿でした。

 ま、年をとってから趣味として始めたんだから、なかなか進歩しなくて当然。だいたい、音感もないし、ピアノも弾けないし、才能も素質もないんだから、こんなものと、達観しておりました。

 それが今回、三週間歌わなかったら、これだもん。びっくり。いきなり一つ上の階に上がったような気分です。すごいな。上達するって、こういうことなんだね。何となく、ダラダラと上達するというのもあるのだろうけれど、いきなりパーと目の前が開かれるように変わる上達というのもあるんだね。

 まるで、楽器を買い換えたような気分です。

 歌う事が楽しくて、でも操作が難しくて、こちらの意図通りに演奏できなくて(これは前から一緒か)、楽しいんだけれど、イライラして。なんか不思議な気分。

 変でしょ、そう、変なんです。そんな変な状態の私なんです。

コメント

  1. かなりや♪ より:

    おめでとうございます!!
    その喜び伝わってきます!快感も、・・・とてもいい感じでしょう?!
    そのいい感じを、常に感じながら、確認したいっていう気持ちになりませんか?

    じつは、私が最近レッスンの場を探しているのも、そのためなのです。
    以前に歌っていた時の「これだ!」と思える響きの感じ・・ある意味快感・・貫通しているような感じの響き・・ができない、確認できないのです。
    もしかしたら、指導者によっても、違うかもしれませんし、・・・でも、勘違いして練習して、変な癖がついたら、大変かなあって思うのです。

    すとんさん、良き指導者とすとんさんの努力の賜物ですね。お大事に・・です!!

  2. tico より:

    おめでとうございます!
    先生の適切なアドバイスと忠実に守られたすとんさんの姿勢の賜物ですね。

    ギターレッスンでも自分の好きな曲とかを練習していると、なかなか基礎訓練、土台作りに専念してくれないので、わざと好きな曲の練習をやめることがあります。ほかのことでも、人目につきやすい華美な方面に力が入りやすいので、地味な練習はついつい放っておかれます。

    それをきちんと真剣に受け止められたすとんさんはえらいですね!

    プロの声楽家にとっても発声は一生追求することなんだそうです。(耳ガクモン、風のたより)ですから、第一段階の頭声という息の通り道の感じがわかりかけた大事なところですから、忘れないようにね。まだまだきっと、大事なことを習われるんだろうと思います。私もまだ先のことがわかってないので、人に何か言える立場じゃないですが、お互い同じような勉強具合なので、これからもがんばりましょうね。

  3. すとん より:

    >かなりやさん

    >…でも、勘違いして練習して、変な癖がついたら、大変かなあって思うのです。

     そうそう、それなんですよ。私の心配しているのは。

     練習って、タダすればいいってもんじゃあないんです。もちろん、その人のレベルにもよるのでしょうが、ヘマな練習をすると、かえってダメにしてしまうのです。ヘマな練習をしてしまうくらいなら、いっそ練習しない方がマシと思ってしまうのです。

     でも、人間は忘却の生き物ですから、練習しなければ、悪い癖もつかないでしょうか、良い癖も抜けていきます。良い癖を残して、悪い癖を抜くには…、きちんとした指導者の元で適切な練習を重ねていくしかないでしょう。

     今の私はちょっとした曲がり角にいるのではないかと思ってます。この曲がり角を確実に曲がりたい…。そう思うとちょっと自分の練習方法に自信をなくします。私の声楽のレッスンは月2回なのですが、今はそのレッスン回数の少なさをちょっと恨んでますが…贅沢を言っても仕方がないので、次のレッスンまで辛抱辛抱です。

    >じつは、私が最近レッスンの場を探しているのも、そのためなのです。

     楽器もある程度はそうなのですが、歌の場合は、確実に“先生”という他人の耳が技術の向上に不可欠ですね。他人の耳の居ないところで歌っても、よくて横ばい。下手すりゃそれこそ悪い癖がつく一方。そこが声楽の難しいところです。

     声楽では本当に独学が難しいです。かと言って、自分にぴったりの先生なんて、そうそう簡単に見つかるものではないですし…。

     その点で、私は音楽の神様に感謝してます。声楽であれ、フルートであれ、まさにちょうど良いタイミングで素晴らしい先生に出会わせてくれたし、フルートもベストのタイミングで最善の楽器に巡り合えたし、声楽のレッスンだって、ベストのタイミングで個人に切り換えることができたし…。本当に、音楽の神様に感謝してます。

     神様、ありがと。

  4. すとん より:

    >ticoさん

     頭声…全然自信ないです。先生を信じて付いて行っただけで、自分でエイヤ!と出したわけではありませんからね。ですから、今、自宅で音取り程度に歌っていますが、その声だって、頭声なんだから何なんだか、皆目検討もつきません。

     でもね、確実にいい声になっているんです。明らかに階段を一段登っているんです。それはさすがに私でも分かります。

    >第一段階の頭声という息の通り道の感じがわかりかけた大事なところですから

     本当に「わかりかけた」ところです。いや、“分かり始めたところ”と言うべきかな。今までは、息が頭の中で止まってましたもの。それが、とりあえずどこかに抜けていくのは感じます。それが、どこかでなく、任意の場所に流せるようになると、さらなる進歩なんでしょうが…。

     理屈が分かっても、実践できなければ、意味ありませんから(笑)。

    >お互い同じような勉強具合なので、これからもがんばりましょうね。

     いえいえ、ticoさんは将来の私の姿だと、勝手に信じてます。先輩! しっかり、後を付いていきます! これからもよろしくお願いします。

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