声楽のレッスンに行ってきましたが…今回は何も学んで帰ってきませんでした。と言うのも、今回のレッスンは、いつものY先生(バリトン)ではなくF先生(ソプラノ)のレッスンであり、レッスン時間すべてを使って、妻にレッスンをしたからです。
私は、妻の歌うアリアで合いの手を入れますので、その部分を歌っただけです。なので、ほとんどの時間を妻のレッスンの見学で終わりました。
教える先生が代わると、あれこれアプローチが違ってきますので、同じ癖に対するアドヴァイスも切り口が違って、それはそれで面白いし、今までさんざん指摘されてきた事は、案外スルーされ、今まで指摘のなかったところを集中的に指導されたり…とか、なかなかに興味深いレッスンとなっておりました。
それでも、Y先生とF先生との間には十分のコミュニケーションがあり、連携がありますので、別の先生に習ったからと言って、何かを壊されるとか言うのはありませんでした(無関係な複数の先生に同時に習うと、しばしば逆方向のアドヴァイスをもらって、結局学んでいる人が壊されてしまうという話は時折聞きます)。
私も見学をしていただけですが、あれこれ「へー」と思う事がたくさんありましたが、妻と私では、声種も違えば、現時点での課題点や癖やポテンシャル等、あれこれ違うわけですから、妻に対するアドヴァイスを、いくら感心したからと言って、自分に取り入れる事は慎重にならないといけません…ってか、基本的には真似をしないに越したことはないと思ってます。
そういう意味では、妻をダシにしてマスターレッスンを見学した…ような感じでした。
それにしても、妻が歌う椿姫の第1幕の最後のアリアは、彼女はほぼオペラの舞台と同じように歌うのだけれど、世のアマチュア歌手さんたちは、カット版で歌うのが普通なんですってね。私は知りませんでした。
なぜ多くのアマチュア歌手さんがカット版で歌うのかと言うと、それは一緒に歌ってくれるテノール歌手がいないからです。なので、テノールが歌う箇所は3箇所ありますが、テノールが登場する最初の部分から2回目の部分まで、楽譜にすると約3ページ(小さめのアリア1曲分だよ)ほどカットし、テノールが登場する3回目の部分は、テノールパートをピアノで演奏して、ソプラノだけで歌っちゃうんだそうです。アリア全体がかなり短くなりますので、歌手の負担はうーんと減ります。で、この形態がアマチュア歌手にとっての標準的な形態なんだそうです。
うーん、知らなかったよ。そう言えば、同じ椿姫の有名曲「乾杯の歌(ソプラノとテノールの二重唱です)」もテノールパートをカットしたりソプラノに置き換えたりして作られた、ソプラノソロバージョンがあって、やはりアマチュア歌手にとっては、それが標準的な形態なんだと聞いたことがあります。
まあ、アマチュアオペラ歌手の世界では、歌手の大半は女性(それもソプラノばかり)ですから、有名な曲はソプラノだけで歌えるようなアレンジ(?)が必要なのかもしれません。
ウチの門下の発表会では、ゲスト歌手にプロのテノール歌手をお招きする事か多いし、バリトン歌手が必要ならY先生がいるので、そういう“ソプラノだけ”アレンジ曲は不必要かもしれないけれど、先生もソプラノ、生徒さんもソプラノ、ゲスト無し…なんて声楽教室もたくさんあるでしょうから、そういう教室の生徒さんのためには、是非にも必要なんだろうと思いました。
ちなみに次回のレッスンはピアノ合わせです。ああ、こんなにまだまだ歌えない私なのに、ピアノ合わせなんてしちゃっていいのかしら?
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