本番直前の声楽のレッスンに行ってきました。
昨日、発表会も終わり、本来ならば、その事を記事にするべきでしょうが…物事には順序というものがあります。発表会直前のレッスンの事を書いていなかったので、まずはそちらの記事を先にアップしますね。
発表会の事は、もう数日、お待ちください。
さて、時は発表会の2~3日前。本当の本当に“直前”と言える時期に、発表会前の最後のレッスンが入っていました。
ちょっとばかりリキが入っていたと言うのか、単に道路がすいていたからと言うべきか、とにかくレッスンの30分前にお教室入りをした私でした。当然、その時間は、相方のNさんのレッスンでしたが、ちょうど発声練習を終えて、曲のレッスンを始めたばかりのところに到着しました。
Nさんはご自身のソロ曲「Amarilli/アマリッリ」と「Il bacho/くちづけ」のレッスンを受けていたところでした。どちらも、一筋縄ではいかない曲です。彼女の歌をきちんと聞けば、技巧的な穴は無数にあるんだろうけれど、Nさんはいわゆる美声な方なので、声の美しさで七難隠しているので、なんかとってもいい感じに聞こえちゃいます。
声が美しいって、うらやましいね。私は、音量の大きさと勢いで売っている人で、美しさとは無縁なので、なんかほんと、うらやましいですね、妬ましいです(笑)。
彼女のソロ曲のレッスンが終わったところで、二重唱のレッスンです。今回はきちんと発声練習をしていただきました。ああ、よかった。
風邪をグズグズとひいている状態だったので、発声練習を始める前は「今日のノドの調子は…20%ぐらいかな。まあ、無理せず、状態を悪くしないようにしないと…」と思ってましたが、発声練習をしたら、80%ぐらいまで調子を上げました。それでも、まだ無理はできませんが、レッスン室で歌う分には十分なくらいになりました。やはり、先生に発声を見てもらうと、違いますね。
で、肝心のレッスンです。曲は当然、ドニゼッティ作曲「愛の妙薬」の二重唱「Una parola o Adina/そよ風に聞けば」です。
さすがに本番直前ですから、私の方にも容赦なくダメが入ります。もっともダメが入るのは、技巧的にうんぬんな箇所ではなく(そんなところは直前に注意しても治らないからスルーなんでしょうね)、表現的な部分にNGがでます。
例えば、レチタティーヴォです。レチタティーヴォはセリフです。だから、人物の感情の動きをしっかり把握した上で、劇的効果を考えて歌うわけです。音符が楽譜には書かれていますが、あまり楽譜にこだわってはダメです。だからと言って、楽譜を無視してもダメです。楽譜の指示は守りながらも、そこに演劇的効果と自分なりの役柄の解釈を加えて歌わないといけません。当日は動きながら演技を加えて歌うのですが、動く前に、まずは声でも演技ができないといけません。まず“歌ありき”なのがオペラだからです。
例えば、私が歌うネモリーノという役はマジメな青年ですから、その歌い方はマジメで実直でなければいけません。メロディを崩す場合でも、経過音を加えて歌うのは○だけれど、ポルタメント入れたら×なんです。美しく歌う必要はあるけれど、堂々と歌ったら、ネモリーノでは無くなります。だからと言って、オドオドしたら声は前に飛びません。じゃあどうするか? それが声での演技の出発点になるわけです。
二重唱ですから、一人で歌っているわけじゃないんです。だから、自分のペースで歌ってはいけないのです。相方がいてこその二重唱ですから、お互いに相手の息を読みあって、息の流れを意識して歌わないといけません。この曲はハモル箇所は少なく、交互に歌い合う感じの掛け合いの曲なんですが、だからこそ、バトンリレーのように息を合わせて歌う必要があるんです。
そんな感じでレッスンを進めていましたが、調子よく進んだのは最初の30分くらいまでです。そこを越えたあたりで、私、本日の声を使い切ってしまったようです。
調子が悪く、声が無くなった時こそ、基本に立ち返らないといけません。そこで、変な頑張りをしてしまうと、歌えないだけでなく、声を壊してしまう事になります(前の教室で経験済み)。しっかり、カラダで息を支え、ノドをしっかり開けて、声帯とその周辺の負担を極力減らして歌うこと。そうすれば、調子が悪くても、なんとか歌えるのです。
とは言え、それはなかなか簡単な事ではありません。
特に私の場合、体調が良ければ、息の支えもノドの開き具合も、まあまあなんだそうだけれど、疲れたりすると、それらがいきなり全部ダメになるんだそうです。まあ“All or Nothing”ってのは、なかなか勇ましいスタイルだな(笑)。なので、私の目下の課題は「体調が悪くても、テクニックでカバーする事を覚える」って事らしいです。
とにかく、小一時間二重唱を歌って、ひとまず休憩です。Nさんはお帰りになり、残ったのは、私と妻です。そうなんです、妻が今回のレッスンから復帰となりました、おめでとう~! 先生は、このまま続けて私のレッスンを続けたかったようですが、もう、本当に声が無くなったので、ここでひとまず休憩を入れさせてもらって、妻にレッスンを受けてもらうことにしました。
こんな時、二人でカップルレッスンを受けていると、便利なんですね。
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