フルートのレッスンに行ってきました。
今回のレッスンでは、いつもの姉様は不在でした。私がお教室に入った時は、先生がご自身の練習をしていました。すごく力強い音で吹かれていました。あの音を聞くと、私はまだまだだなって思いました(あ、当たり前か!)。
ロングトーンの練習ですが、最初にチューナーのマイクの付け方を注意されました。私は姉様のやり方を真似して、管体の端穴に差していましたが「それでは、管が長くなったのと同じだから…」と注意されて、管の途中(と言っても、やっぱり管体末だけど)にはさむような形で付けてみました。確かに管が長くなるとダメだね。
今回はチューナーをカバンの上に立てて置いてみました。なるべく視線が下がらないようにしたわけです。しかし、低音は低めに、高音は高めになってしまいます(涙)。息を低音の時はもっとしっかりと、高音の時はもう少しやさしく入れる必要がありそうです。
さて、今回もミニヨン・エチュードの10番でして、結果的には×でした。注意されたのは、タンギング、二拍子、裏拍、アクセントの四つです。
タンギングは…私はタンギングが下手なのですが、今回「強いタンギングはいらないよ。欲しいのは、はっきりしたタンギングだよ」と言われました。私のタンギングは“強い”ばかりだそうです。先生は“強い”と言ってますが、先生が私のタンギングを真似したのを聞くと“強い”と言うよりも“ガサツで乱暴”って感じです(汗)。優しく丁寧にハッキリとしたタンギングをしなきゃダメですね。
たぶん、タンギングに関する根本的な見直しをしないと解決できないだろうなあ…と、うっすらと思いますが…さて、どうしよう?
二拍子と言うのは…この曲は6/8拍子なので、いわゆる二拍子系の曲なんのですが、私が吹いているのを聞くと、これが全然二拍子に聞こえないのだそうです。「まるで、棒のように吹いている。これを棒吹きと言うんです」と言われました…言い訳させてもらうと…だって、メトロノームに合わせる事を主眼にして吹いていると、私程度の実力だと、ついつい棒吹きになってしまうのです(以上、言い訳終了)。
とにかく二拍子を感じさせるようにフルートを吹かないといけません。ちなみに二拍子とは円運動です(分かりづらくてごめん)
裏拍は…前回も注意されましたが、私の演奏が見事にジャパニーズなので、そこをどうにかしなさいと言うことです。特に曲の途中から吹き始める時はたいてい弱起なのですが、出だしの音は弱く、次の音(これがたいてい1拍目ですから)にしっかりアクセント置いて吹きなさいって事なんです。
アクセントと言うのは、最後の十六分音符の箇所です。スラーでつながりながらも、しっかり強拍部分(1拍目と3拍目)にはアクセントをつけて吹きなさいです。
とにかく、これらをしっかりと練習してきて、次で合格できるようにしてきてくださいと言われたので、頑張りますよ。「この曲は、そんなに時間をかけて練習するほどの曲じゃないですよ」なんだそうです。頑張んないとね。
「録音しているでしょ? 家に帰ってたら、よく聞いてご覧。この曲に最初に取り組んだ時よりも、ずっと上達してますよ。でも、まだなんだよ。もう少しなんだよ。そこを分かってくださいね」 はい、私は足踏みは平気ですからね。
今回の雑談はエチュードについて。いつも先生がおっしゃっている事だけれど「エチュードは、簡単には進まないよ。学ぶべきことを学び終えたら、次に進むからね」だそうです。そして、エチュードというのは、技巧を学ぶものだけれど、一つ一つの曲は美しいものだから、それらをきちんと味わう事も大切ですよ、との事です。
ガリボルディは…今はミニヨンをやっているけれど…少しずつ難易度の違うエチュードがたくさんあるんだよと聞きました。「難しいエチュードほど、長くなるんですか?」 どうも、そうではなく、エチュードは難しくなるほど、歌わせられるように、美しい旋律になっていくのだそうです。ほぉ。
フルートの作品は、バロックと近現代の二つの時代に偏っています。「それはなぜ?」と聞いてみたら「いわゆるロマン派の時代は、フルートはまだ未完成だったので、作曲家たちにきちんと取り上げられなかったんだろうね。ベームの改良以降が、フルートの時代になるのだけれど、その頃はすでに音楽は、ヴィルトゥオーゾの時代になってしまったので、フルートの技巧を聴かせるための曲ばかりで、多くのエチュードはその時代に作られたものらしいです。まあ、技巧優先主義の時代だからこそ、その技巧を磨くためのエチュードがたくさん作られた…というわけですね。
エチュードと言っても、ピアノのショパンのエチュードの例もある通り、美しい曲だってたくさんあるので、軽く見るのは禁物ですが…フルートのエチュードは、ピアノのエチュードほどポピュラーなものでは、ないわけです。それはやはり大作曲家たちがフルートのための曲を書いてくれなかったからであって、そこはフルート吹きとしては悲しい事です。
フルート吹きは、大きく、バロックをやる人と、フランスものをやる人に分かれるそうです。で、先生はバロックの人なんだそうですが「それは、フルートを学んだ場所が、ウィーンとミュンヘンだからですか?」「違うよ、私のフルートの音が、しっかりずっしりとしているから、バロックが良いんだよ。フランスものをやるなら、もっと軽くてピーヒャラ言うような音色でないと難しいね」だそうです。
さて、私はどっちだろ? バロック派、それともフランス派? 何となく怖かったので、先生に尋ねられませんでした。私、音楽的にはバロックよりもフレンチの方が好きなので、個人的には、フランス的な音色を持っているとうれしいのだけれど、これは本当にどっちなんでしょうね。
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コメント
すとんさん、はじめまして。
私のブログにコメントありがとうございます。
すとんさんのブログは、フルート始めた頃からずっと読ませていただいてました。
とても参考になる記事が多くて、フルートのお手入れなんかも参考にさせてもらってます。初心者の私にはまだまだ理解できない演奏上の注意点など、細かく書かれてて、勉強にもなります。
強いタンギングとはっきりしたタンギングは違うのですか・・・私もタンギングは苦手です。
バロックとフランスは音が違うのですか。バロックは力強い音でフランスものは軽くてぴーひゃらした音・・・なるほど・・
怖くて聞けなかったのですね。何となくわかります。
私も自分の先生にフルートの音は性格が出ると言われて、じゃあ私はどんな音ですか?どんな性格ですか?とは怖くて聞けませんでした(汗)
白雪さん、いらっしゃいませ。
私も初心者に毛の生えた初級者ですから、似たようなモノですよ。似たようなモノだから、役になっているのかも(笑)。
怖くて聞けない事って、ありますよね。「フルートの音は性格が出る」と言われたら、私も聞けないかも(笑)。自分の音は自分なりには把握しているつもりですが、ここから性格が分かる??? きっと他人が聞くと分かるんでしょうね。ああ、恐ろしい。
チューナーのマイクですが、バスフルートは足部管の端っこに付けていました。なるほど、厳密には管体が長くなったのと同じことになりますね。普通のフルートは、管体の円に沿って(表現が難しい)付けています。
さて、バロック派なのか、フレンチ派なのかは、音質が軽いか重いかによるという話も興味深いですね。さて、自分はどっちなんだろう?って思わず考え込んでしまいました。
バロック音楽というのは、カチッと造形的な感じがしますが、それに合うのはやはりズシンとした重たい音でしょう。ひとつひとつの音が意味を持つような、そんな音が合いますね。
フレンチというのは、天高く飛翔するような、流れるような感じの曲が多いですから、軽やかさが求められますね。
私はどちらも好きなので、気分で吹いていますが。
おざっちさん
あと、フレンチは現代音楽ですから、楽譜に書かれた事をきちっとやる必要がありますが、バロックは通奏低音付きの音楽ですから、楽譜どおりに演奏してはいけないという、根本的な違いがあります。ある意味、バロックにはジャズっぽい側面があって、楽譜に書かれている事はテーマのようなもので、実際の演奏では、自分で装飾音を付加して(ジャズで言うところのバリエーション)演奏するわけだし、カデンツァ(ジャズで言うところのアドリブですね)もやんなきゃいけないし…。だいたい通奏低音って、コード演奏みたいなものだし(笑)。
もちろん、バロックとジャズでは、その手法が全然違うのですが、即興性とかミュージシャンシップとかを発揮しないといけない(だからジャズミュージシャンはバロックを演奏したがるんでしょうね)ので、大変だけれど、楽しそうだなって思います。
音楽としてはフレンチが好きだけれど、演奏するとなると、バロックも捨てがたいです。
タンギング・・・弱すぎて苦手です。^^ゞ
せっかくの綺麗な音色をタンギングで殺してる・・・と言われる事も。(T_T)
んではフランスバロックをどーぞ((*´∀`*))
アマチュアなんですから好きなものを楽しめば良いんですよ。音色感や表情や時代など多種の意識&バックグラウンドを勉強しなきゃならないのはどの時代でも同じですし。。。(^^)v
めいぷるさん
>んではフランスバロックをどーぞ((*´∀`*))
あ、なるほど、その手がありましたか(!)。
おっしゃる通り、アマチュアなんだから、あんまり堅苦しく考えずに、好きな事を楽しめばいいんですよね。難しい事はプロにまかせて(笑)。つい真面目に考えて、プロもどきになろうとする発想が出てしまいますが、アマチュアはアマチュアであって、プロでもなければプロもどきでもないのですから、アマチュアなりのスタンスで行きます!
今、ふと思ったのですが、バロック音楽って、ついついドイツ音楽っぽく考えちゃいますが(たぶん、バッハの影響でしょうね)、バロックって、実はイタリア音楽じゃないかな? イタリア音楽なら、重厚長大なはずないよね(それは彼らにはムリだから:笑)。“軽妙洒脱&いい加減で気分次第”なのがイタリア野郎の神髄だからね。そう考えると、バロックも悪いない。もち、フレンチも大好き。ああ、あたくしって、ラテンな気質なのかしら?
素顔の私は決してラテンな人ではないんだけれど、音楽になると、ラテンになってしまうのかもしれない…。