私はあと何年生きられるのだろうか? おそらくこれは、誰もが一度や二度は考える問題でしょう。確実な事は誰にも分かりませんから、それは統計を以て予想するしかありません。
そこで多くの人が指標とするのが、平均寿命と自分の年齢であって、現在の平均寿命が、男性は81.1歳、女性が87.1歳ですから、この数字と自分の年齢を足し引きして、あと何年生きられるんじゃないかと予想するわけです。
でも、それは大きく間違っています。そもそも平均寿命というのは「今年生まれた赤ん坊の寿命の平均」が平均寿命であって、昔生まれた赤ん坊で今は育ってしまったオジサンオバサンの寿命の話ではないのです。
ではすでに育ってしまったオジサンオバサンの残された寿命は、どうやって知ることができるのでしょうか? それは平均余命という統計があります。それによると、65歳現在の男性が19.5年で、女性が24.4年となります。これらの数字に65を足すことで、終わりが推定できますので、男性なら84.5歳が、女性が89.4歳が、平均的にこの世とおさらばする年齢となります。
平均寿命よりも大きな数値になったのは、65歳よりも前に死んでしまった人たちが統計から外れているからです。つまり「65歳まで生き残った人なら、これくらいまでは生きているんじゃないの?」というのが、平均余命の考え方だからです。
ですから、65歳の男性なら「あと20年程度は元気でいられるんだなあ…」と思ってしまうのかもしれませんが、実はこれもまた大きな間違いなんです。
実は健康寿命というものがあります。これは介護などでわずられされることなく、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間をいいます。健康寿命に関しては、地域差が大きいのですが、神奈川県の場合で考えるなら、男性が73.3歳、女性が74.7歳となっています。
つまり、65歳男性で考えるなら、73.3歳までの約8年間は健康で生活でき、その後の84.5歳までの11年間は介護されながら生きていけるってわけです。
この推測は、年金受給年齢の開始時期と合わせて考えないといけないのかもしれません。つまり、人間はいつまでも生きられるわけではないし、いつまでも健康でいられるわけでもないからです。
人が元気でアクティブに活動できるのは、男性の場合なら、せいぜい73歳までだし、その後は介護されながらでも、84歳くらいで、この世をおさらばせざるをえない…のが統計的な普通の人々の人生だからなのです。
まあ、あくまでもこれは統計的に普通な人々の話ですから、それよりも短い人生もあれば長い人生もあるでしょうが、それでもそんなに極端変わるわけではありませんから、それを考えたうえでの人生設計が必要なわけです。
あと何年、頑張って働いてくべきか?
そうやってからもらえる年金の金額はいくらなのか?
退職金などをうまく活用しながら、残りの余生をどう楽しんでいくべきか?
旅行に行くにも限界があるから、どこをどういう順番で行くべきか?
自分だけでなく、配偶者の体力や健康も考えなければいけません。
そう考えると、老後って忙しいよね、時間がないよね。ほんと、計画的にあれこれ考えていかないとダメだよね。
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