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オペラアリアと歌曲

 私たちクラシック声楽を学ぶ人間は、主にオペラアリア(以下、アリアと略)、または歌曲を歌って、歌を学ぶ事が多いです。まあ、例外的にミュージカルのソングやカンツォーネを歌う事がありますし、私自身も歌いますが、これは例外的な演目で、基本はやはり、アリアか歌曲を歌うことが多いです。

 曲の難易度で言うと、もちろん曲ごとに難易度は異なりますが、一般的にアリアの方が(ムチャクチャ)難しいです。正直に話すと、私の場合、人前で歌うという前提で考えるなら、歌曲なら何曲か歌える曲がありますが、アリアはきちんと歌える曲は皆無です。やっぱりアリアは難しいです。

 アリアが難しい理由は「音域がやたらと広い」「最高音が気絶するほどに高い」「歌唱テクニックがめっちゃ必要」「楽譜が嫌になるほどに黒い(譜割りが細かい)」「歌の最後に見えを切らないといけない」などがあって、難しいわけです。特にテノールのアリアは、たいてい、主人公のアリアだったりするので難曲揃いで、かなりとても本当に難しいのです。

 ですから多くの学習者たちは、まずは歌曲を歌うことを学びます。ある程度、歌曲が歌えるようになってくると、いよいよアリアに挑戦するわけです。でも、中にはアリア歌唱に至る前に歌手修行を諦めざるをえない人もいるんだそうです。それほどに、アリアは難しいのです。

 私のような趣味のアマチュアおじさんは、そんなにガチに学んでいるわけではなく、あくまでも“お客様扱い”だったりするので、そんなにふうでもなく、割と初学の段階からアリアにチャレンジして………撃沈するわけです。

 アリアを歌うだけの歌唱力もないのにアリアに挑戦すれば、そりゃあ無理だよね、撃沈するよね。本人は分からないから仕方ないけれど、そんなんじゃあ、ちっとも学習効果なんて上がらないよね。難しすぎる課題を与えても、失敗経験以外の何も学べないって。

 そんなわけで、かつての私は歌えもしないアリアに挑んでは撃沈し、失敗だけを学んでいたわけです。さすがに今の私はそこまで、バカでもアホウでもないので、なかなかアリアを歌う気にはなれません。だっていくら頑張っても私の実力では歌えないんだもの。それが分かる程度には上達しました。

 失敗とか撃沈とかを織り込んだ上でアリアに挑戦するのって、仕方がないとは言え、なんか気持ちはすっきりしません。だから、アリアをレッスンで歌おうと考えた時は「今は歌えないけれど、あとちょっとで手が届くかもしれない…」という曲を選んで学んでいます…が、結果的には歌えない事がほとんどです。

 でもね、アリアを歌いたいんだよね。歌えないって分かっているんだけれど…。なんとかギリギリな結果であっても、やっぱり歌いたいんだよね。

 でも、なかなか歌って上達しないんだなあ、だからいつまで経っても、アリアは憧れのまま…だったりします。

 だから、アリア込みで3時間以上も舞台で歌ってしまうプロのオペラ歌手って、ほんと、超人だと思うわけなのです。さすがプロ、すごいよ、本当に。

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