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メリスマに挑戦します

 声楽のレッスンです。

 まずは懸案の発表会の曲決めからです。前回、候補にした二重唱を先生に却下されてしまい、新たに曲決めをしないといけない…という事になりましたが、その後、妻の都合で、今回は発表会で二重唱を歌うことを止めました。なので、今回の発表会も、前回同様、私一人で歌うことになったわけです。

 今決まっているのは、グルックの「Che faro senza Euridice/エウリディーチェを失って」を(レッスンではアリアのみ歌いましたが、それを)レチタティーヴォから歌う事です。これは6分程度の曲なので、持ち時間を考えれば、残りは、同様に大きな曲を1曲歌うか、小さな曲を2曲歌うか…くらいの選択肢でしょう。グルックがバロック~古典派の時代の作曲家なので、残りの曲も同じ時代の作曲家の音楽から選んだほうが、ノドの負担は少ないと思われます。

 そこであれこれ考えて選んだのが、ヘンデルの「メサイア」の中のテノールアリアを歌ってみたらどうだろうか? という事です。具体的には、2番の「Comfort ye, comfort ye my people/慰めよ、私の民を慰めよ」と3番の「Ev’ry valley shall be exalted/全ての谷は高く」を続けて歌うという案です。実際、2番はレチタティーヴォだし、3番はアリアなので、続けて歌うのもいいんじゃないかと考えたわけです。

 ただ問題は、3番のアリアにはメリスマが登場する事です。

 実は私、今までメリスマのある曲は避けていました。それは「私の声ではメリスマはうまく歌えない」という単純な理由からです。

 クラシック声楽では、基本的に歌詞の1音に、音符を1つ当てます。原則的に拍子が“四分~”なら基本の音符は四分音符だし、“二分~”なら二分音符が基本音符になります。でも、メリスマは、歌詞の1音にたくさんの細かな音符が当てられます。それこそ、十六分音符で8拍(つまり32個)とか、もっとたくさんとか、とにかくたくさんの細かな音符が付けられ、それらを(歌詞の中の1音なので)母音だけで歌い飛ばしていくわけです。まあ、一種の装飾技法なのですが、これが実に細かくて長いわけです。

 そんなわけで、メリスマは、かなり軽い声でないと歌えません。私の声は、本来は軽いのですが、ついつい重めに発声してしまうので、メリスマ向きの声ではなく、それで避けていたわけなのですが、今回、ついに発声を本当に軽くして、メリスマにチャレンジしよう!と決意し、メサイアのソロアリアにチャレンジしてみようと思ったわけです。

 それに、メリスマが歌えるようになれば、レパートリーも増えるしね。今回、二重唱がないなら「メリスマにチャレンジ!」ぐらいの目標があってもいいしね。

 そんなこんなで、恐る恐る先生の元に、メサイアのアリアを提案してみました。

 今の私では、明らかに無理なので却下されるかと思いきや「覚悟はありますか?」と尋ねられ、決意のほどを申し上げたところ、メサイアアリアを快諾してくれました。

 そんなわけで、今年の私は、発表会で…
  グルックの「Che faro senza Euridice/エウリディーチェを失って」
  ヘンデルの「Comfort ye, comfort ye my people/慰めよ、私の民を慰めよ」
       「Ev’ry valley shall be exalted/全ての谷は高く」
…の3曲(ヘンデルは連続して歌うので、実質的には大曲を2つ)を歌うことにしました。

 さあ、歌う曲も決まったので、あとは努力あるのみだね。

 ちなみにヘンデルの2曲はこんな感じの曲です。

 この画像は、ガーナ・グラモフォンの10周年記念で作られたもので、歌っているのは、エベネゼル・アントウィという、ガーナのテノール歌手さんのようです。正直、あまり上手ではありませんし、プレスも短すぎます。少なくとも、メリスマに関しては、かなりダメダメで、全くお手本にはならないレベルの歌唱です(だいたいヘンデルを歌うには、声が重すぎますね)が、声の美しさと、伴奏がオーケストラではなく複数のエレクトーン(それも結構ヘタッピ)で面白いので、取り上げてみました。そんなに上手ではないけれど、曲の感じは分かるでしょ? それに、あまり上手ではない…と書いちゃいましたが、私自身はこのレベルの歌唱ができるとも思ってません。十分参考になります。だいたい、私って、そこまで図々しくはないんだよね(笑)。

 それにしても、ガーナのクラシック界の(おそらくは)トップレベルって、こんなもんなんだなあ…と思いました。頑張っているよね。

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