スポンサーリンク

歌う時の口の開け方

 「一体、歌う時に、どんなふうにクチを開いたら良いのだろうか?」と悩んだ事はありませんか? 私は歌を始めたばかりの頃、大いに悩みました。

 バカですねえ~。でも、これは子どもの頃の音楽教育の呪縛のせいではないかと思ってます。何しろ、私が子どもの頃は「歌う時は、大きくクチを開けて、大きな声で歌いましょう」って指導を受けていたからです。

 だから「大きくクチを開く」?って、どうやって開くんだい?…と素直に悩んでいたわけです。皆さんはいかがですか?

 結論を書くと、クチを大きく開く必要はありません。そんな事をすれば、不自然だからです。クチは自然に、必要にして十分なだけ開ければいいのです。もっと具体的に書けば、無表情の状態から、重力にまかせて下アゴを脱力して、自然と開くだけで十分なのです。それ以上は、必要なら開けばいいし、必要ないなら、それ以上開く必要はありません。

 私が子どもの頃に学校で習った、上下にも左右にも大きく開く、まるでラッパのような形にする作為的なクチの開き方は、不自然でしかないのです。そんなラッパグチでしゃべる人なんていないでしょ? ならば、ラッパグチで歌うのも変だと思わないのはダメなのです。

 クチの開口部を大きく開く必要はありませんが、クチの内部、つまり口腔の容量は大きくしないといけません。しっかり舌根をさげて、口蓋垂を持ち上げる…等の“縦に開く”感覚は大切にした方が良いです。口腔内を縦に広く…は不自然に感じるかもしれませんし、実際、作為的で不自然な行為だと思いますが、これを行うことで、声は美しくなり、声量が増すのですから、そこは納得しましょう(笑)。

 …ってか、これは西欧人の骨格に近づけるための涙ぐましい努力なのでしょう。クラシック声楽は、西欧人の民族音楽です。彼らにとって自然な状態であっても、骨格の違う我々日本人なら、自然なままではダメなのです。彼らに近づかなきゃダメ…なところもあるわけで、口腔内を大きく広げるは…少しでも彼らの骨格に近づけるために必要な動作…なんだと思ってます。だから、口腔内の容量は大きくしないといけません。

 逆に絶対に行ってはいけないのが、口角を横に引っ張る、クチの横開きです。ポピュラー歌手は、ソフトな声で歌う時に、口角を横に引っ張って歌いますが、クラシック系声楽では禁忌なので、気をつけましょう。口角を横に引っ張って歌うのは、マイクを使用した時に用いる発声法です。

 口角に関して言えば、横ではなく、上に引っ張るのなら良いみたいです。私も最近、Y先生に表情筋を使って歌えと言われていますが、これは頬肉を上に引っ張るのですから、自然と口角も上に引っ張られてるわけです。でも…なぜ良いのかは…まだ私は、その理由を知りません(ごめん)。

 「笑顔で歌うのが良い」という言い方をする人がいますが、それはおそらく、この“口角を上に引っ張る”のを良しとしているのだと思います。

 まあ、仏頂面で歌われるよりも、笑顔で歌ってもらった方が、聞いているお客さんは不快にならずに済みます。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村 クラシックブログ 声楽へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました