都会にお住まいのガチなオペラ愛好家の方々と比べると、本当に数少ない貧弱なコンサート鑑賞経験しかない私ですが、それでも地方在住のクラヲタとしては、まあまあな数の生の舞台を見させていただいていると思います。
そんな中で思う事は「昨今の日本のオペラ歌手は、声も歌も良くなってきたなあ…。もう、日本人歌手だからと言って、外国人歌手と較べて貶める事はできないぞ。少なくとも、あちらの劇場付きの歌手さん(つまり、あちらの標準的な歌手さん)と比べても、声も歌も、決して引けを取らないレベルになってきたなあ。ほんと、隔世の感がありんすよ」ってね。
いや実際、時代を経て、世代を重ねるごとに、日本のオペラ歌手の水準も向上してきたと思いますよ。ほんと、昭和も遠くになりにけり…です。
声とか歌唱テクニックとかの音楽的な部分は、本当に素晴らしく高い水準になってきた…と思います。
でも結局、それだけの話であって、全てがあちらの歌手と同レベルになったとは、残念ながら言えません。未だに大きく劣っている部分が、日本人歌手にはあるからです。
それは、私が思うに、演技と容姿です。ここが決定的に日本人歌手の劣っている部分だと思います。
演技力は…ほんと、日本の歌手の皆さんに不足していると思います。日本のオペラ歌手の皆さんは、歌手としては素晴らしいのだけれど、俳優としては、まだまだな人ばかりです。ですから、目を閉じて舞台を聞けば、かなり素晴らしいのですが、目を開いてしまうと、舞台装置の貧弱さとの相乗効果も相まって、相当残念な印象になってしまうのです。
日本人が演技がダメ…って事は無いと思うのですよ。と言うのも、ミュージカルの人たちは、割りときちんと舞台用の演技ができてますからね…。なのに、オペラ歌手の演技が残念なのは、オペラ歌手の養成方法になんらかの欠けがあるからだ…としか思えないのですが…それはともかく、現状、演技力がかなり不足していると思います。
容姿は…背格好とか美醜の問題ですが、持って生まれたモノが大きい部分はあると言えども、これって実はメイクとか衣装とか、もちろん演技力とかで、どうにでもなる部分でもあるんですよ。なのに、そこが気になるというのは、歌手の演技力不足や個人的な脂質不足が無いわけではないのだけれど、それだけでなく、メイクや衣装にも問題があると思われます。
つまり、舞台で活躍している日本のオペラ歌手の皆さんは、歌は良いのだけれど、総合的にはまだまだ不足があって、それは歌手個人の力不足も否めないけれど、オペラ界全体で考えていかないとダメな、業界全体としての総合力的な部分の不足もあるのかなあって、素人考えだけれど、そう思うんですよ。
でも、ほんと、歌は良くなったと思いますし、美声の歌手も増えてきました。それだからこそ、その他の不足が目につくようになったのかもしれません。
がんばれ、日本。
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