音楽を聞く時に、音楽に合わせて体が動いてしまう事は良い事だと思います。もちろん、他人の迷惑になるほどの動きはどうかとは思いますが、音楽が心に響いて、ついつい体が動いてしまうのは、良い事だし、幸せな事だと思います。
音楽を聞く時に体が動いてしまう事がOKならば、音楽を演奏する時に、具体的に言えば、フルートを吹く時に、演奏しながら体が動いてしまうのはどうなのか?と聞かれれば、答えはもちろん“OK”です。でも、どんな動きでもOKというわけではありません。注意しなければいけない事が多々あります。だから、そこはチェックです。
以下の話は、私のような初級者レベルの話に、ひとまず限定しておきます。
フルート演奏の際の“体の動き”について注意するべき事。それは…、
もちろん、見苦しい動きや、物音をたててしまう様な動きはNGです。つまり、観客の音楽鑑賞の妨げになるような動きは厳禁です。
観客の妨げにならなければ、どんな動きでもいいのか言うと…そういうわけにはいきません。
まず体の軸は動かさない事。具体的に言えば、頭は動かさない事。手足は自由に動かしてOK。腰は振っても構わないだろうし、踊りながら吹いてもOK。だけど、体の軸は動かさない事。頭を動かさない事。この点はきちんと守らないといけません。
さらに細かく言うと、フルートと頭の位置関係は変えないように注意。フルートは頭から生えた角か牙のように、常に同じ位置に固定しておく事。どんなに激しい指使いをしても、フルートは微動だにしないように固定しておく事。つまり、大切なことは、頭とフルートはピタっとその相対的空間座標を固定したままで演奏すること。そう思います。
と言うのも、大抵の吹き損じは、頭とフルートの関係が崩れて、フルートが動いてしまった時に起こります。フルートが動いてしまうと、息のコントロールがうまくできなくなります。結果として、音がかすれたり、音程がズレてしまったり、タンギングやスラーがうまくできなくなったり、最悪、音が出なくなります。ですから、それらのトラブルを防ぐためにも、いくら体を動かしても、頭とフルートの関係は変えてはいけないと思います。
で、頭とフルートの関係が崩れる原因ですが…やっぱり、フルートの持ち方…三点支持…が上手くいってないからでしょうね。
私が苦手とするのは、中音のドとレが交互に出てくるようなフレーズや、高音の♯ファとラが交互に出てくるフレーズのように、ほぼ『指の総入れ替え』のような運指の時。こういう時は、ついつい、フルートがガクガク動いてしまうものです。あと、早いテンポの曲も、夢中になって演奏しているうちにフルートが動いてしまいます。どんなに激しい曲を演奏していても、フルート自体はびくともしない。これが理想です。
結局、構えが美しい人は、美しい音楽を奏で、構えが汚い人は、汚い音楽しか奏でられない、という、ごくごく当たり前の結論となりました。ごくろうさま。
コメント
すごく分かる気がします!
先日、色々な動画やらを見ていたのですが(主にデニス・ブリアコフさん)やはり本当にうまい人はぐるぐるぐねぐね動いたりはしませんね。でも最近の若い日本人はそれがかっこいいと思っているようで、今日本人で旬の方はかなりフルートをぐるぐる回したりぐねぐね動いたりしていて、結構「え、これって曲に合ってるの?」とか「これって本当に必要な動き?」って思うんですよね…
かなり見苦しいです…
私も高校の吹部に居た時は、とにかく体を動かして体で表現! と言われたんですけど、それがもうのだめ状態だったんですよ(のだめが悪い訳ではないですが)。私は吹けなくなってしまうのでできませんでしたけどね…
すとんさんは初級者だけと書いていましたが、結構上の方の方にも当てはまる気がして長々と書いてしまいました。すみません…
>紫水碧さん
おっしゃる事、よく分かりますし、私も同意します。ただ、その上で言うなら、上級者(プロ奏者が主ですね)の場合は“計算ずく”でパフォーマンスしているという部分があります。つまり“アピール”ですね。彼らプロは、演奏を聞かせるだけでなく、魅せなければ商売になりませんからね。そういう意味で、視覚的サービスって奴です。
それに、いくら激しく動いても、やはり上手い人は、フルートと頭の相対的の位置をほとんど動かしませんよ。私が最近、なんとなく注目している、マグナムトリオさんは、演奏中に、それこそ「どーしたの?」ってくらい動きますが、どんなに激しい動きをしても、体の軸はブレませんし、頭とフルートの相対的位置関係は変わりません(頭そのものは、ぐるぐる動きまくりますが…)。上手な人は、上手に動いていると思いました。
吹奏楽は…動きますね。喜んで動いている人はいいけれど、“動かされ感マックス”でやっている奏者も少なからずいます。ムリムリにやっていたり、イヤイヤにやっていたり、そういう姿を見ると、心がブルーになります。せっかく、音楽自体は楽しいのに“楽しくない感”が観客に伝わるので、残念だなあと思う事も多いです。
この前のロウズの写真の右手親指は、
3点で持つ時の良いヒントですね。
あれだけ弓のように曲がっていることが、
何を意味しているか。
ロウズは斜め45度位下から斜め上前に向かって
押しているでしょうね。
ちなみに、私の場合は前から見ると
親指の先が見えないくらい、
真横から前に押してますけど。
最初は下からの支えがないので楽器が落ちそうですが、
フルート程度の重さは「横から挟み込む力」で
十分に支えられます。
「あごと右手」と「左手」で挟んでいるわけです。
(個人的には、あごがきついですね。)
理系の人なら、ベクトルで考えてみればよいです。
このあたりの位置関係は人それぞれでしょうね。
その人が良いやり方を試行錯誤するしかない。
これで3点だけで楽器が持てるなら、
右手の小指は、全く楽器の支えに使うことはない。
慣習的に右手小指はEbあたりを押さえてますが、
最低音C、低いC#、Eb以外は押さえなくても音出ますからね。
そうすると小指は、動きが軽やかになります。
さて、CとDの動きですが、
上記方法で大体楽器がブレなくなるのでクリアできます。
が、考え方変えると中音のCって、
必ずしも左手人差し指一本で
出さなくてもよいわけで、
指全部で押さえてみる手もあります。
通常の最低音Cのフィンガリングです。
「左手人差し指」と「右手小指」だけ
動かせばよいわけです。
Cが多少こもった感じはありますが、
Dのこもり具合と似ているので、
フレーズで、使い分けると良いと思います。
3オクターブ目のF#、Aは、….、
トレーニングしかないですかね。
それを考えるとギターリストやピアニストはすごい。
>ひょっとこさん
三点支持…フルート開始時から比べれば、それなりに上達していると思うものの、時折、自分のフォームを点検してみると、色々と不十分だなあと思う事があります。特に思うのは、アゴへの圧力の弱さ。もう少し圧をかけて、アゴとフルートの密着度を高め、クチビルをきちんと潰していかないといけないなあと思ってます。
まあ、私自身で気になっているのは、アゴ周辺なんですが、おそらく問題はアゴだけでなく、他の2点への圧力も、おそらくまだ不十分なんだと思います。
ご指摘のあったロウズ氏の写真を改めて見ました。あれだけ親指が反り返るとは、相当な圧力をかけているんでしょうね。あの力はテコの原理で、増幅されてアゴへかかっているわけですから、その圧力あってこその、あのアンブシュアなんでしょうね。
いい気づきができました。ありがとうございます。
ちなみに、私の右手の親指は、斜め15度下くらいから上向きの力で押している感じかな? 理想は“真横”からプレスなんですが、気がつくと、このくらいの角度で落ちついてます。以前は、右手の小指に圧力がかかっていて、だいぶ小指が痛んでいましたが、最近ふと気づくと、小指の痛みがなくなり、だいぶ楽に小指が動かせるようになっていました。少しずつ、合理的で自分にあったフォームになりつつある途中段階なんだろうなあと思います。
そろそろ始めてフルートを始めて2年になろうという私ですが、たかがフルートの構え一つ、まだ完成されていません。スロースターターは進歩もスローなんだなあと、苦笑しながら、頑張ってますよ(笑)。
私も3点支持が出来ていないんでしょう。
指の総入れ替えの運指(面白い表現ですね)のとき、特に3オクターブ目なんて吹いてると必ず先生にフルートが回ってるって言われます。
指がキーから離れすぎてるのも原因だと思うのですけどね。
ところでブログ名変えたことをお伝えしていませんでしたが、ちゃんと変更してくださっていましたね。
ありがとうございました。
>ディアさん
三点支持は…まあ、簡単ではないですね。フルートを構える以外に使わない姿勢ですからね、純粋にフルートを吹き続けて、自分に一番良い持ち方を見つけていくしかないわけですし。
それでも私は上達していると思いますよ。中音のドレドレなんて、去年の今頃は、手の中でフルートが踊っていましたもの。今はさすがにそこまでひどくはない。まあ“微動だにせず”という境地からは、まだまだ遠いですが“踊る”というほどではなくなりました。ディアさんだって、フルートの回り方の程度は段々良くなっているでしょ。小さな進歩かもしれませんが、それを励みに日々頑張ってゆきましょうね。
指がキーから離れすぎているのは…私も一緒です。これは“ダメ”と何度も先生に注意されているのに、なかなか治りません(笑)。
>ところでブログ名変えたことをお伝えしていませんでしたが、ちゃんと変更してくださっていましたね。
なかなかコメントできませんが、一応、ちゃんと読んでますから(笑)。