はい、タイトルの通り、吹奏楽の演奏会に行った…つもりでした。
どこの団体の演奏を聴いてきたのかと言うと「アメリカ第七艦隊音楽隊」の皆さんの演奏です。はい、アメリカ海軍の軍楽隊の皆さんの演奏です。
実はこの方々の演奏は以前聴いたことがあります。宇宙飛行士の野口聡一さんの、前回のフライトでの帰還パレードを見に行った時に、パレードで演奏していたのが、このアメリカ海軍第七艦隊の軍楽隊の皆さんだったんですよ。これがも~~、めっちゃウマなんですよ。さすがに『武器ではなく楽器で戦争する人たち』です。そりゃあ、上手いの上手くないなんて言っちゃあいけないレベルで、とにかく「すげ~」演奏だったわけですよ。
で、縁があって、この人たちがホール演奏をしてくれると言うので、シャリシャリ出かけて行ったわけです。
パレードではなく、ホール演奏ですから、編成が小規模になるのは覚悟していましたが、メンバーを見て、ちょっと違和感。吹奏楽(軍楽)を予想して行ったのですが、ステージにいるのは…、トランペット4、普通のトロンボーン3と長めのトロンボーン1、アルトサックス2、テナーサックス2、バリトンサックス1。ここまでは、OKです。
ドラムス1、エレキベース1…ま、そういう吹奏楽もあるでしょう。
でもね…エレキピアノ1、エレキギター1…は吹奏楽では、さすがにないですよね。さらに言うと、ステージの途中から歌手が参加して歌いだしちゃう(笑)。歌入りの吹奏楽って…たぶんないよね。だから、これ、吹奏楽(軍楽)じゃなくて…ビッグバンド? だよね。
演奏曲目は、インスト系はスィングジャズ中心で、ヴォーカルが入ってからは、ブラスロック(シカゴとかスティーヴィー・ワンダーとかね)をやりました。圧巻は何と言っても、サザンオールスターズの「ホテル・パシフィック」! いやあ、実にかっこ良かったです。
ホール演奏と言うこともあり、リズムセクションは(ドラムス以外は)PAから音を出していましたが、ホーンセクションは生音で勝負です。やっぱり、管楽器は生音がいいね。金管の音がとても柔らかくてやさしかったです。かなりの大音量のはずなのに、ちっともうるさくない。かなりの腕前と見ました。癒し系の金管の音って、いいです。
疲れていた事もあるし、音楽自体が単調な事もあって、ワクワクしながら見ていたにも関わらず、時折、ウツラウツラして聴いていた私(汗)ですが、頭をハンマーで殴られるよう出来事がありました。
それは、会場にやさしい音色のフルートの音が突然響き渡ったからです。
あの、音響地獄のような会場で、フルートの音ですよ。それもやさしくて柔らかいフルートの音です。…ありえないでしょ。あんまり場違いだったので、思わず正気に返り、ステージ上を探しちゃいました。
いたいた、さっきまでバリトンサックスを吹いていた女性士官が、フルートに持ち替えてます。えっ、この大音響の中で、たった一本のフルートですか!と思ったものの、よく見たら、マイクを使ってPA経由でした。ああ、そうだったのか。納得。
PA経由のフルートもなかなかいいですね。無理に大音量を出さないから、低い音域でやさしく吹いても、きちんと会場全体に聞こえるんですよ。やっぱりフルートのキレイな音は低音域じゃないかなって思いました。フルートの低音域はいいですよね。癒しのサウンドだと思いました。私はPAをあまり好まない人ですが、こういうPAの使い方なら、全然OKでした。
このフルート以降は、ウツラウツラも辞め、結構真剣に見ていました。よくよく見ていると、フルートのみならず、トランペットもトロンボーンもソロになると、マイクの前にやってきて吹いてます。PA経由だから、金管楽器と言えども、フルボリュームでソロをとる必要がないので、演奏に余裕が生まれるみたいで…いいですね、PA経由の音楽も。
リズムセクションと金管楽器のメンバーは終始自分たちの楽器を吹いてましたが、サックスの人たちは、ショーの後半は、持ち替えで結構忙しかったです。バリトンサックスはフルートと持ち替えでしたが、アルトサックスの人たちはクラリネットと、テナーサックスの人たちはオーボエと持ち替えていました。フルートと違って、クラリネットとオーボエは、サックス同様、PAによる拡声無しで演奏していました。クラリネットは十分でしたが、オーボエは、ちょっと…と言うか、かなり音量的に厳しかったです。オーボエは、フルートよりも音量はあるのでしょうが、クラリネットほどの音量はないというわけで…今回は無理せずにPAを使った方が良かったかなって思いました。
それにしてもアメリカ人だなあ…と思ったのは「In the Mood」の絶妙なスウィング感。あれは我々ではなかなか無理ですね。あの、フックのかけ具合と言うか、タメと言うか、泥臭さと言うか…ああ、スウィングジャズは彼らの音楽なんだなあと思いました。うまく言葉では言えないけれど、リズムがちょっと違っててかっこ良いのです。
ビッグバンドもいいものですね。
コメント
アメリカ第七艦隊音楽隊の吹奏楽て、マーチが多いんですよ!でもノリは最高でしたでしょう!自分も聞きたかった。(涙)
ビック・バンド形式のバンドは、だいたい持ち替えが多く、スイングジャズにはもってこいです。でも自分は、フルートは出来ますがクラリネットはムリです。(内のバンドにアルト+クラリネットはいます。)で、サックス系はソプラノからバリトンまで運指が一緒なので金銭的に余裕がある人は総て持ってますね。(笑)
吹奏楽団は、クラリネット4、フルート4、ホルン2、ユーホニューム2、チュウーバ2、トランペット3、トロンボーン3、サックス5、パーカッション3くらい有るといい音がでますね~!31日のトラを探せねばと!
私も年に何回かはビックバンドみたいな編成に入ってPAを通してフルートを吹くことがあります。
やってみるまでは「マイクを通すなんて邪道な!」と思っていましたが、実際やってみると意外と気持ちが良いものでした(笑)
普通に吹いてもトランペットやサックスに楽々対抗できるのは快感ですね。最初は「そんな金管とサックスだらけの編成の中に一人フルートで入りたくないよ」と嫌々参加していましたが、今となっては次はいつお誘いがあるかなと内心ちょっと楽しみにしています(笑)
でも、今度はPAスタッフの技量や設備に左右されるという自分の努力ではどうしようもない部分も出てきてしまいますが。まあ、それはそれで演奏後に今日のPAは良かったとか悪かったとか仲間内で話をするのも楽しんでいます。
>はっチャンさん
マーチはパレードの時に聞きました。そりゃあ、すごかったですよ、まさに「天下無敵」なマーチでした。
おっしゃるとおり、ビッグバンド形式だと、スウィングジャズがいいですね。何が良いのか、ちょっと考えてみたのですが、おそらくエレキベースがいいんじゃないかな?って思いました。もちろん、単に低音ということであれば、チューバであれ、ファゴットであれ、バスクラリネットであれ、みんな低音は出るけれど、動きが重いでしょ。少なくとも、エレキベースと比べたら、象と鹿くらい違いがある。コントラバスもいい感じだけれど、身軽さいう点では、エレキベースの勝ちだからねえ。エレキベースの低音は、本当に軽やかだもんね。あの軽やかなベースがスウィングジャズのノリを作るんじゃないかなって思いました。
その軽やかなベースの上に、これまた軽めのカッティングを效かせたエレキギターとかパラパラしたエレキピアノとかのサウンドが載っかって、ノリノリのリズムが作られるわけで、そういうリズムセクションの魅力がビッグバンドの魅力かもしれないって思いました。管楽器だけの編成だと、こうは行かないでしょうね。
>31日のトラを探せねばと!
いい人が見つかりますように。
>詩音さん
PAは、PAの機材とスタッフの技量に大いに左右されますよねえ。でも、ばっちり決まると、やっぱりいいですよ。
私もPA苦手派ですし、笛先生のライブに行っても「PA使わない方がいいのになあ…」と思うこともある私ですが、さすがに広々とした会場で金管たちと混ざって演奏するとなると、話は別ですね。
これだけPAを通すと良いのだから、エレキフルートという楽器ができてもよさそうな気がしますが、ないですね。これはやはり、サイレントフルートがないのと同じ理由なんでしょうね。でもフルートには、フルートに直付けできる小さなフルートマイクってのがあるから、それを使うといいんでしょうね。
持ちかえが効くってすごいです・・・。
私は笛しか吹けません^^;
吹奏楽のバンドの演奏会では、
1部はオリジナル、2部はポップス系、
がほとんどだと思うのですが、
ポップス系では笛はマイクは必須です(笑)
自分の音がずっと遠くから大音量で聞こえるって驚きますけど、面白いです。
無理せず中低音が柔らかく吹けるのはいいですよね^^)
エレキfl. 類似品があるんだなぁ
(使い方はリコーダのように縦笛です
(世の中なんでも有りの気がします ・・;
メーカーの製品ぺーじ
http://www.akai-pro.jp/ewi4ks.php
サンプル音ページは見つけられなかった
ニコニコ動画で EWI の動画見たことあるんですが><
>シラスマさん
そうか…吹奏楽だと、奏者と楽器の関係は一対一だもんね。私は音楽隊のみなさんが持ち替えをしているのを見て、自然に受け止めていたけれど、そうか、吹奏楽(含む、軍楽)では持ち替えないんだよね。やっぱり、そりゃあ、すごいんだな。
ちなみに、ポップス系やジャズ系では、持ち替えは当たり前です。ってか、できないとダメみたいですよ。少なくとも、フルート奏者の最低限のたしなみとして、サックスは吹けないとマズいみたいです。笛先生はテナーサックスをブイブイ吹きますし、サックス奏者としてもお仕事をしています。だから、私もいずれは、サックスの練習を始めようと思ってますが…それはまだまだ先の話です。
…サックスをやるなら、ソプラノサックスがいいなあ…って、オーケストラでもブラスバンドでも使わない楽器をついつい選択する私(笑)。でも、ジャズなんかだと、ソプラノサックスはいい感じなんだよね。
>ポップス系では笛はマイクは必須です(笑)
へえ、それは知りませんでした(教えてくれてありがとう)。ポップス系の演奏では、吹奏楽もビッグバンドのようなノリになるんですね。普段、マイクを使わない人がマイクを使うと、なんか感覚が変になるでしょう。私は歌う時、例えカラオケでもマイクを使わないのですが、会場の都合などでマイクを使わないといけない時は、やっぱり変な感覚になるので、シラスマさんの気持ちも分からないではありません。
>ととさん
これ、知ってる! アカイのウインドシンセだね。実は去年の秋にパシフィコ横浜で行われた「楽器フェア」でチェックしてます。試奏したかったんだけれど、すごい人気で行列がすごくって試奏できなかったんだよ。その代わり、この楽器を使ったライブパフォーマンスをたっぷり見てきました。
感想は…これ、エレキフルートかな? 歌口はどっちかと言うと、シングルリードっぽい感じ、オクターブチェンジはレジスターキーを使うし、フルートと言うよりも、サックスかクラリネットって感じだよ。運指も基本はサックスの運指なので、やっぱりエレキサックスって感じかな? 音は、全然サックスでもなければ、フルートでもなくって、モロにシンセです。シンセサイザーを鍵盤ではなく、サックスで操作するって感じです。
おもしろいとは思うけれど、楽器としては厳しいかなあ…。と言うのも、これ、和音が出ないんだよね(管楽器系なのであたりまえ)。いわゆる普通のシンセ(鍵盤楽器ですね)でも、ギターシンセでも、和音が使えるのはあたりまえだから、和音が使えないのは、どうでしょうね。あと、操作系が管楽器だから、鍵盤楽器や弦楽器と比べて、操作が難しいというものキツい点かなって思います。
ただ、どこかのフュージョンバンドが、これ(またはヤマハの類似製品)を使って、レコード作ってなかったかな? だから、既存の楽器の代用ではなく、ウインドシンセとして考えて演奏すれば、なかなかおもしろいって事なんだと思います。
私的には、こういうミディコントローラーの発想ではなく、ヤマハのサイレントシリーズの発想で、エレキフルートが作られたらおもしろいなあと思うものの、そんなものができるなら、きっとすでにこの世にあるはずだから、色々と無理があるんだろうなあ…とも思います。
そうですね、すとんさん
[E:pout]「鳴らない管は、練習にもならない」ってか・・;
サイレント製品(どらむ・ばいおりん・ぎたー、どれも)共鳴胴をとっぱらっただけで、音そのものは鳴ってますからね・・
「管楽器、音を取ったら、ただの筒」そういえば、「金管楽器マウスピース+ゴムホース」鳴らしてる動画見ました
脱線してすみません m(_ _)m ペコ
>ととさん
>サイレント製品(どらむ・ばいおりん・ぎたー、どれも)共鳴胴をとっぱらっただけで、音そのものは鳴ってますからね・・
そう言われればそうですね(気がつきませんでした:馬鹿者 -> 自分)。管楽器は、菅そのものが共鳴部位だから、共鳴胴をとっぱらったら、姿形がなくなってしまいますね。
でも、サイレントブラスは…って、あれは一カ所しかない音の出口を機材で塞いで消音しているんだよね。消音器のある金管ならでのやり方で、木管楽器には消音器もないからねえ。
ううむ、では、サックス用のe-Sax( http://www.bestbrass.jp/jp/stf/e-sax.html )みたいなものは、フルートでは作れないのか! 腕が疲れて…無理か(涙)。
何かいい方法はないでしょうかね? フルートの消音器と、エレキフルートと、フルートシンセサイザー。ああ、欲張りな私。
おはようございます すとんさn
> 何かいい方法はないでしょうかね? フルートの消音器と、エレキフルートと、フルートシンセサイザー。ああ、欲張りな私。
(声楽・ゴールドフルート込みでw)
この物欲がすとんさんの行動原理なのですね (^^)
「欲しいから、努力する」
そうしてるうちに目標が高度になる
「で、物欲の方向修正が入り、更なる高みを目標に努力する」
『努力するひと、すとんさん』なのですね (^^)
そんな気がします
>ととさん
>『努力するひと、すとんさん』なのですね (^^)
ありがとうございます。確かに私は“努力をする人間”です。ただ“努力”と言うと苦労や苦しみを連想しがちですが、私の“努力”は楽しい努力です。
私は基本的に、学ぶ事、習得する事、修行する事、教授される事が大好きで、その結果、知識が増えたり、技能を得たり、資格が増えたりする事が、貯金通帳の数字が増えるよりもうれしい人です。なんか“自分が拡張していく感じ”がたまらなく好きなんですよ。
なので、もちろん人並みな物欲もありますが“物欲があるから努力をする”と言うよりは“努力を重ねているうちに必要な道具が欲しくなる”というのが正解だろうと思います。
ただし…ゴールドフルートに関しては、単なる物欲です。コレクター欲です。ただ所有してみたいだけなんです(笑)。
昔、S.E.N.Sのコンサートをテレビで見ていて、何かわからないものをつけていました。
あれはなんだったんでしょう?
細い棒のようなものが、フルートのように口元についていて、それを苦しそうな表情で(演出?)吹いているように見えました。
手はキーボードを弾いていました。
あれは、MIDIコントローラーの一種だったんでしょうか。
ただのマイクの一部だったのでしょうか。
以下、妄想です。
あれは「ウィンドシンセ」フルートバージョンである。
微妙な息の変化をとらえる装置である。
実はあの先には、ウインドシンセのようにキーがついたものをとりつけられるのだ。
S.E.N.Sは運指がわからないので、ベロシティなどをコントロールするのに使用していたのだ。
って、そんなわけないですよね。
フルート練習用に、息の方向や強さをチェックするおもちゃのような器具があるのですが、あの原理を応用したら作れないかなあ。
ウィンドシンセフルートバージョン…。
>アリサさん
現物を見ていないので、何とも言えませんが、昔、ミッキー吉野がピアニカの吹き口のようなものをくわえながらシンセを演奏していた事(もちろん手は鍵盤)があり、その説明がやはり、息を使ってシンセをコントロールしているんだと言ってました。それならば息を使ったMIDIコントローラーのようなものかもしれません。
または、ヴォコーダーという可能性もありますね。ヴォコーダーはヘッドセットのマイクから声を入力して、それをヴォコーダーで加工します。もちろんヴォコーダーには鍵盤が付いていて、一人でコーラスなんかもできるようになってます。
でも、世の中には思いもかけないものもあるものですから、案外、アリサさんの妄想が正解だったりして(笑)。
そうそう、ウインドシンセは素晴らしい楽器だと思いますが、エアリードで横笛にしてもらえば、なお良いと思います。
アカイのウインドシンセのくだりを見て思わず
笑いが出ました。
これ、20年くらい前からある立派な完成された楽器なん演奏すよ。(和音も出ます。)PAを、邪道と思っている方には、分からないと思うんですが…物凄い繊細な表現の出来るある意味究極の
管楽器と言えると思います。
マイケルブレッカー、などの演奏を聞かれることをお勧めします。
それにしても、吹奏楽をやられる方は、音楽的に視野の狭い方が多いすね。
シゲさん
笑っていただけましたか! そりゃあ、ブログ書き冥利につきますね。うれしいです。
私はPAを邪道とは思ってませんよ。どっちかと言うと、別物扱いかな? ただ、得意不得意で言うと、PAは苦手だし不得意です。PA越しに聞く音楽にはがっかりさせられる事が多いんです。たぶん、私が聞くようなライブ(それなり有名な方のライブにしか行かないのですが…)では、PAの使い方が下手くそなだけなのかもしれません。
アカイのシンセは和音が出るんですか? そりゃあ、すごい。前回の楽器フェアの会場で「管楽器ですから和音は出ません…」という発言を聞き流した(気に留めなかったけれど、記憶に残っていたんですよ)ので、ああ、和音は出ないんだなあって思ってました。もっとも、前回は人が多くて、ウインドシンセに触る事が出来ず、今回こそと思って意気込んでいましたら、今回はアカイさんが出展してなくて、私は未だにアカイのウインドシンセに触れる事ができませんでした。
>それにしても、吹奏楽をやられる方は、音楽的に視野の狭い方が多いすね。
それは禁句ですよ、その一言で、理性が吹っ飛んじゃう人、たくさんいますから…。
私の知り合いの吹奏楽関係者には、確かに音楽的な視野の狭い人もわずかながらいますが、多くの方は、それなりの音楽的な広さを持っていると思います。少なくとも、私よりも、ずっと音楽のキャパが広い人も吹奏楽関係者には、たくさんいます。