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歌のヴィブラート、フルートのヴィブラート

 フルートにはヴィブラートというテクニックがあります。もちろん、歌にもあります。

 これらのヴィブラートは、全く同じものでしょうか…と言うと、同じ言葉ですし、その効果もよく似ていますが、また違った部分もあります。

 と言うのも、私がフルートの世界に来て、まず最初に感じたのがこの「ヴィブラート」に関する違和感です。

 多くのフルート初心者の方々が、どうやらヴィブラートに憧れているらしい事。そして、ヴィブラート習得のための練習方法があること。つまり、ヴィブラートって「努力して身につけるべきものであり、熱心に練習しないと身につかないもの」であること。これが実に意外でした。

 不思議に思って、さらに色々と調べてみると、ちょっと前までは、フルートにはヴィブラートという奏法がなく、もしヴィブラートを付けようものなら、周囲から非難ごうごうであったというほど、むしろヴィブラートは忌み嫌われる存在だったこと。そんなヴィブラートを世に認めさせたのはモイーズで、それは20世紀に入ってからの出来事であったこと。もちろん、モイーズも最初はヴィブラートを使うことで、だいぶバッシングを受けたそうですが…。

 で、このモイーズはオペラハウスの仕事が多くて、歌手たちの歌声にあこがれ、彼らの歌声のように笛を吹きたいと思い、歌手のヴィブラートをなんとかフルートで再現しようとして、努力して作り上げたものだそうです。

 一方、歌のヴィブラートって、身につけようと努力するものではなく、正しい発声を身につけると、それに伴って自然と身につくもの。だから、もしも努力するなら、ヴィブラート無しでも、正しい発声で歌えるように頑張るという方向に努力するものです。特に、バロック時代の曲や、宗教曲では、ヴィブラートのない声(または、ヴィブラートの薄い声)は重宝されます。そういう意味では、声楽の世界では、案外ヴィブラートって嫌われ者?かもしれません。

 声楽では、ヴィブラートは自然で正しい発声方法に付随して生じるものであって、それを意識的に身につけようとするのは、ちょっと違うかもしれないし、ある程度上達してくると、ヴィブラートを身につけるでなく、ヴィブラートをコントロールできるように練習すると思います。

 ちなみに、ボーイソプラノが「天使の歌声」と称されて珍重される理由の一つに、ヴィブラートのない声で歌っている事があげられます。少年は体がきちんとできあがっていないので、まだ歌声に自然とヴィブラートが付く事がないので、それゆえ反響の多い教会での歌唱に向いており、そこがもてはやされる理由の一つでしょう。

 とまあ、このように、フルートでは憧れの的であるヴィブラートも、歌ではありふれた技法であり、ジャンルによっては、無い方が望まれるってのがおもしろい。そういうふうに「無い方が望ましい」と思われている歌のヴィブラートへの憧れから、フルートのヴィブラートが始まったというのも、おもしろい。

 さらに言うと、歌のヴィブラートって、横隔膜で付けると言うか、横隔膜の運動で付いちゃうものです。ノドでもそれっぽいヴィブラートをつける事は可能でしょうが、一般的に言って、ノド由来のヴィブラートは禁じ手です。と言うのも、いわゆる“ちりめん”ヴィブラートの正体って、ノドで作ったヴィブラートなんですよね。もちろん、ジャンルによっては、演歌のように、ノド・ヴィブラートを巧みに使う歌唱法がないわけではありませんが、まあ、クラシックの世界では、ノド・ヴィブラートは少数派の話だと思っておいてください。

 そこへ行くと、逆にフルートでのヴィブラートって、ノドで作るんだよね(正しいですか?)。歌に憧れて始めたヴィブラートらしいのに、その習得ではヴィブラートの禁じ手から入ると言うもの「ああ、フルートって違うなあ」と思うところです。

 個人的には、フルートの音にヴィブラートって、必須なテクニックなのかなあ…と思ってます。ヴィブラートをつけるよりも、豊かな響をつけた方が、フルート的には美しいのではないかなあ…と思います。

 が、そういう考えって、通用しないだろうなあ。それにきっと、ヴィブラートに憧れる初心者フルートさんは納得しないだろうし。

 こんな、どうでもいいことを、今日もちょっとだけ、考えてみました。

コメント

  1. inti-sol より:

    フルート吹く前にケーナをずっと吹いていたので、特に何も意識することなくビブラートを付けていました。ケーナのビブラートそのものですけれど。
    じゃあ、ケーナのビブラートはというと、実はそれもいつどうやって修得したのか、記憶がありません。気が付いたらできていました。

    逆に歌のビブラートの方が私には難しいです。自分の歌声を聞くと、確かにビブラートはかかっているんだけど、どうも美しくない。

    で、笛のビブラートは体のどこで付けているのか、自分でもよく分かりません。ケーナを吹きながら体のあちこちに触ってみた限り、お腹、胸、喉、みんな振動していますから、体全体でかけているとしか言いようがありません。
    歌のビブラートは、どうも喉中心にかかっているようです。歌のビブラートも笛と同じにかけられればいいのでしょうが、それがなかなかできないのです。

  2. Cecilia より:

    ヴァイオリンをやっていた時、ヴィブラートは憧れでした。
    私は案外すぐにできるようになったのですが、滅茶苦茶かけまくっていました。
    今思うと非常に下品な付け方だったかもしれません。
    フルートのヴィブラートのついた潤いのある音色、素敵ですよね。

  3. すとん より:

    >inti-solさん

     美しいビブラートは憧れですよね。ただ、何事もそうですが、実際にやってみると、見た目よりも難しいものなんです。inti-solさんの「特に何も意識することなくビブラートを付けていました」と言うのは、多少ケーナっぽくても、それがinti-solさんの自然な美しい音色という奴だと思います。練習して習得するビブラートを否定するつもりは、毛頭ありませんが、自然にできていて、それで足りているなら、それが一番ではないかと思います。

     全身でつけているビブラートって、それは体全体が振動しているわけですから、きっと美しいだろうなあ…。

  4. すとん より:

    >Ceciliaさん

     弦楽器ではビブラートって、比較的簡単にできますよね。簡単にできるけれど、ついついやりすぎて…ネ。私もギターで経験があります(汗)。ビブラートって、かければいいというものでもなく、程良い感じでかけないと、Ceciliaさんのおっしゃるとおり、下品になっちゃうんですよね。

     あと、楽器によって、かける深さの適切な量というのも違うような気がします…。

     時折、プロ奏者(楽器は問いません)でも「ビブラートかけ過ぎ!」って人がいますよね。たまらない人にはたまらないのかもしれませんが、私なんかは、かえって下品と言うか、ダサく感じちゃいます。

     あと、合奏合唱の時は、薄めのビブラートが良いですね。時折、これみよがしにウワンウワンかける人がいますが、あれはいただけない(笑)。

  5. 詩音 より:

    ヴィブラートをフルートの奏法として確立したのはモイーズだというのは知っていましたが、モイーズが歌のヴィブラートに憧れてフルートで再現しようとした、というのは初めて知りました。いつも勉強させていただいております。

    ヴィブラートを『音をある一定の周期、振幅で震わせる事』だけと捕らえると、確かに要らない時もあるでしょうが、それだけではないのではないかと考えています。
    ヴィブラートについて考える時、いつも思い出す言葉があります。トレバー・ワイかゴールウェイどちらかの著書に書いてあった物だと思うのですが、

    『音楽は生きています。だから心臓があります。音楽の心臓はリズムです。
    音も生きています。音の心臓はヴィブラートです。だから音を出す時ヴィブラートは常に意識していないと音が死んでしまう。
    でも、かけすぎはだめ。だって、身体の外から心臓の動きが見える人は正常ではないでしょう?きっと病気です』

    といった内容です。
    音を振るわせるだけではなく、うまく言葉にできないですが、音を響かせたり感情を込めたり躍動感をつけたりするのに、ヴィブラートは必須の技術なのではないかと思うのです。

    ウワンウワンと耳に付くヴィブラートは、きっと身体の外から心臓の動きが見えてしまっている人なのだと思います。
    耳障りではなく、音楽表現の中で自然に使われ、聴いている方も特別意識する事がないヴィブラートが真のヴィブラートなのではないでしょうか?

  6. すとん より:

    >詩音さん

     トレバー・ワイかゴールウェイかどちらかの言葉というのは、すごく納得できる言葉です。そうあるべきだと思います。

     どんなものであれ、上手い人もいれば、下手な人もいるわけで、私の短いフルート生活の中で聞いてきた演奏は、プロ奏者の方々も含め、皆さん、お上手ではなかっただけなのかな…と,ちょっぴり残念な気がします。

     どうも、美しくないビブラートばかり聞いてきたような気がします。なので、ビブラートをつけるよりも、響きをつけた方がいいんじゃないのって、記事の末尾に書いたわけです。

     音のウネりばかりでなく、響きも、ヴィブラートの要素だと考えるべきなんでしょうね。

     私は、音がウネルと不愉快なんですよ。音痴なハーモニーって、音がウネるでしょ。だから、フルートのビブラートで、音痴なハーモニーと同じ印象のウネリ方をする方々が…いまして…それでビブラートはいらないって書いちゃったんですね。

     たぶん、きれいなビブラートは「あ、ビブラートがかかっている」と思わない程度なんでしょうね。だから、印象に残ってません。印象に残っているのは、下手な(?)ビブラートばかりだったんだなって、今は、思います。

  7. 詩音 より:

    >音痴なハーモニーって、音がウネるでしょ。

    音が合っていないハーモニーは確かにウネりますよね。私もそれは気持ちが悪いと感じます。

    >フルートのビブラートで、音痴なハーモニーと同じ印象のウネリ方をする方々が…いまして…

    確かにいらっしゃいます!
    以前地元の吹奏楽部に所属している学生を対象にしたセミナーに指導者として参加(参加した指導者も、私を含めほとんど地元のアマチュアという大変リーズナブルなイベントです(笑))した時、現役音大生のフルートの人がいらっしゃって、上級クラスを担当していただきました。別室で、「上級者クラスとはいえ一斉に音を出すとかなりウネるな…」と思って聴いていたら、実はその音大生の独奏だったということがありまして…。

    音痴なハーモニーのうねりのように聴こえるという事は、音程がうねっているという事だと思うのですが、フルートのヴィブラートってどちらかというと音量にかかるものだと思います。どうやってあんなにウネらせているのか分りませんが、あれは好きになれませんね。

  8. すとん より:

    >詩音さん

     ああ、よかった。いますよね、そういうウネるビブラートをかける人。私だけの錯覚じゃなくて、よかったよかった。で、私は不幸なことなんだろうけれど、その手のビブラートの印象が強くて、フルートのビブラートと言われると、その手のビブラートがすぐに思いつく人です。

     でも、こういう人は(はっきり言っちゃうと)下手…なんですよね(汗)。ビブラートに対する認識を改めないと…ね。

     ビブラートは楽器によって、音程にかけたり、音量にかけたりします。だから、フルートで音程にビブラートをかけてはいけないという規則はないと思いますが、一般的に、弦楽器は音程にかけて、管樂器は音量にかけると思います。

     音程にビブラートをかけるって…管体を前後に揺らしてヴィブラートをかけているのでしょうかね? 息圧の変化でビブラートをかけるよりも、難しそう…。

  9. ムラマツEXⅢ より:

     今まで聞いたビブラートで、一番自然で綺麗だな~と素直に思えた演奏は、中学生の方のものでした。

     テクニックとして身に付けている、というよりも、歌っている、という感じで、曲そのものがゆったりした曲だったこともあるかもしれませんが、本当に耳当たりのよい素適な演奏でした。

     同じ流派の先生でも、アルテス2巻までビブラート禁止の方もいらっしゃれば、フルートをはじめて早々から導入される先生もいらっしゃいますが、どっちがいいのでしょうね。

    どちらにしても、心地よいビブラートに憧れる初心者としては、自然にできちゃった系の方はうらやましいです。

  10. みーむ より:

    ビブラートを効果的に曲に使えるといいですね。私はいいなぁ、と思う演奏を真似します。この、いいなぁ、と思う自分の感覚っていうのが繰り返されるうちにやがては自分のビブラートとして根付いていく気がします。

    確かに、ウネウネする聴き心地のよろしくないビブラートも聴いたことがあります。演歌唱ってる人にも多い気が…。音程のハズレ具合をビブラートでごまかしているような気がしてなりません。楽器でウネっちゃうのはどうしてなんでしょうね。ビブラートかけながらおかしいなぁ、ってたいてい思うはずでしょうけどねぇ。

  11. inti-sol より:

    そうそう、私は弦楽器のビブラートは苦手です。
    バイオリンは、ビブラートがどうというレベルに達していませんが、遊びでビブラートをかけようとしても、できませんでした。というのは、何故か左手を揺らすと、右手もワンセットで揺らしてしまうのです。左手を揺らしながら、それと独立して右手は弓をまっすぐ弾く、ということが、できないのです。ちょっとしたタイミングの問題だとは思いますが、その後全然練習していないので、そのままです。

    ギターのビブラートも出来なくはないですが、あまりうまくはできません。

    ところで、音程にビブラートをかけるのは、尺八だと「首振り」ですね。「首振り3年」とか言われる、あれです。(ということは、尺八のビブラートを修得するには3年かかるってこと??)
    ケーナは音程がかなりアバウトな楽器なので、息が強ければ音程が上がり、弱ければ音程が下がります。だから、音の強弱でビブラートをかければ、必然的に音程のビブラートもかかってしまいます。

    ところで、リコーダーにはビブラートをかけませんね。最近、リコーダーの上手い演奏を聴いて、ビブラートのない音もいいものだなあと思っています。
    私自身は、もう染みついていてダメですね。ビブラートを付けないで吹いたつもりでも、録音を聞いてみると、やっぱり音が揺れています。

  12. すとん より:

    >ムラマツEXⅢさん

     今まで聞いた一番自然でキレイだなあと思ったビブラートが中学生のものだったというのも、何か皮肉な話のような気がしますが、リアルな真実なんでしょうね。

     おそらく、ダメとまでは言い切れないけれど、テクニックとして追求していった先にあるものとしてのビブラートではなく、歌心の発露として現れたビブラートが良いのかなって気もします。でも、歌心の自然の発露として出したいけれど、出せない人が、想いの丈をテクニックとして習得したビブラートで表すというもの、大いにありだと思うと…ううむ、結局、聞いて快であるものを目指すべきかなって思います。

    > 同じ流派の先生でも、アルテス2巻までビブラート禁止の方もいらっしゃれば、フルートをはじめて早々から導入される先生もいらっしゃいますが、どっちがいいのでしょうね

     そう言えば、アルテではビブラートって、どのあたりで習得するんでしょうね…って、調べたら第29課(アルテ2巻のかなり終わりの方)ですね。じゃあ、私は第29課までできなくてもいいや(笑)。

  13. すとん より:

    >みーむさん

    >ビブラートかけながらおかしいなぁ、ってたいてい思うはずでしょうけどねぇ。

     思わないよ、きっと。

     私は音楽好きだけれど、訓練はほとんど受けてこなかったから、一般人の気持ちとか能力って、よく分かるつもり。で、言わせてもらうと、音楽好きな人のみんながみんなが、音感があるわけじゃないよ。

     音感って自然に身に付くものではなく、特に大人になってしまったら、真剣に身に付けようと努力をしないと、全然身に付かないと思う。さらに言っちゃえば、音感って、身に付いていない人は、自分に音感がないという事実にも気がつかないと思う。だから、大人になって、きちんとした指導者に付かずに、独学とか、仲間同士で教えあって音楽を学んでいる人たち(いっぱいいるねえ…)って、驚くほど、色々な能力に欠けている人がたくさんいる訳で(もちろん、すべての人がそうとは言わない。だけど、かなりの数いることは、私の経験から言えます。そして、それらの人は、能力に欠けがあるという自覚がないので、自分たちが欠けていることに気づかないのね)、たぶん、そんな人たちは、音程が揺れようが、ハーモニーが濁ろうが、全然気にしないものなんだ。

  14. すとん より:

    >inti-solさん

     そうそう、リコーダーにはビブラートはつけませんね。だから、素人がリコーダーの独奏をすると、極めて下手くそに聞こえます。元、笛キチ少年としては断言できますね。

     その一方で、リコーダーを極めて上手に吹く人がいるんですよ。当然、ビブラートなんてかけているわけないですし…。あれはなんなのかな?って、当時から思ってました。別に指が回るから上手に聞こえる訳でもないし、音が大きければ良いというわけでもなく、なんか魔法のようなものがそこにあるのかなって思ってました。

     ちなみに、この上手なリコーダーの魔法は、いまだに私には、魔法のままです。あれだけ好きなリコーダーなのに、今吹くと、自殺したくなるくらい下手です(笑)。

     尺八の首振りは…ビブラートの域を越えた、別のテクニックのような気がします。あれは、ビブラートと呼ぶには、原音からハズレすぎじゃないですか? むしろ、トリルとかメリスマとかに近いような効果があるような気がしますが…どうかな? 

  15. みーむ より:

    すとんさん、
    でも、人の演奏を聴くと「ん?なんか変だぞ」と分かるんですよね。ってことは、自分のも含めて聞き分けられるのでは。一般論ですけど。

    私も絶対音感はもってないです。複数音を聞いたときその成分はある程度は聞き分けられますけど、その程度で。442のB♭を中学の時からチューニングでずーっと聴いてきたこともあって、その音だけは分かるかも。

    ある程度の音感(ある基準となる絶対音に対して低いか高いかという程度の)って音楽好きな人ならもってるものとはいえないものなんですね。

  16. ひょっとこ より:

    ビブラートの話はパスしてましたが…

    上手なリコーダーの魔法は、こんなことではないですか?

    小学生の時の笛って、多くの場合、
    パルスのような一本調子の音の出し方、ではなかったですか?
    音楽って、フレーズにまたがって、
    場合によっては一音での強弱の変化が付くでしょ。
    弾く弦楽器が一番分かりやすいかもしれません。
    弦を弾くと音は減衰していきます。
    管楽器は、息のコントロールで一音ごとに、
    またはフレーズ内でクレッションド、
    デクレッションドを超えたところでも強弱をつけられます。
    これは、譜面で書ききれない部分だと思います。

    昔、師事していたジャズのサックスプレーヤーが
    よく言われてました。
    音楽でスピード感を出すのは、何も早く演奏するだけではないと。
    一音やフレーズでの緩急・強弱も使えるテクニックだと。
    まだいろんなこと教えてもらいましたが、このくらいで。

    尺八の話も長くなるので省略します。

    実は、先生がジャズの方ってのも、
    すとんさんに親近感を覚えるところなのかもしれません。

  17. すとん より:

    >みーむさん

     私は昔から音楽が大好きだったけれど、「ある基準となる絶対音に対して低いか高いか」なんていう難問には、今でも正直、自信がないよ。さすがに今では間違えないとは思うけれど…ね。でも、自信はない。だから、私には音感がないって言い切れるんだ。

     二つの音の絶対的な関係も、相対的関係も実はよく分かんないよ。でも、その音や音と音同士の関係ががキレイか汚いかは分かるよ。それも割と訓練に訓練(と言うほどでもないけれど)を重ねてきた結果の話ね。たぶん、子供の頃なんて、音楽を音の固まりとしてしか認知していなかったと思う。でも、好きなものは好きだったよ。

     ロックバンドを始めるまでは、ドラムとギターの音の区別が付かなかったよ。笑い事ではなく…ね。ま、そんな人がオジサンになって音楽やっているんだから、上達しないはずだよ。

     そういう話をすると、ゲーって思うかもしれないけれど、こういう人って、世の中には掃いて捨てるほどいます。音楽系ブログだと、よく絶対音感がどうこうというのが話題にあがるけれど、相対音感だって持っていない人が世の中にはあきれるほどいる(身の回りを見てみそ)し、そういう人でも、音楽を演奏したいと思うし、実際に演奏していたりする(もちろん、趣味レベル)んだよ。

     私の感覚では、一般庶民は音の高低などという感覚は持ち合わせず、相対音感の持ち主は貴族で、絶対音感の持ち主は神様って感じかな。

  18. すとん より:

    >ひょっとこさん

     あ、今、目からウロコが落ちた。

     リコーダーの魔法の件もそうだし、ちょっと前のフルートのレッスンの時の、私と先生の演奏の差も、もしかすると、これ?って、今、ビビっと来ました。もちろん、私と先生の演奏の差には、いくつもの山があるのは承知しているけれど、なんか言葉にできない違いを感じてモンモンとしていたんです、私。

     音のひとつひとつが、同じに吹いているはずなのに、なぜ違うって考えていたのですが、一つの音の中でのクレシェンドやディクレシェンドって言われると、それも一つの原因かもしれないと思いました。音の一つ一つに個性というか、烙印があるんだよなあ、先生の演奏は。そこへ行くと私の音は、大量生産品のような無個性な音がする。そこなんだろうなあ、一番の違いは…

     気づかせていただき、ありがとうございました。

  19. うぉぉん より:

    フルートでビブラートを学び始めたとき
    それまでなんでもないと思ってた歌手やアイドルが
    いともたやすくビブラート付きで歌っていることに気づき
    やっぱプロという物は侮れないなと思いました。
    全盛期の明菜のビブラートはすごかったなあ。

  20. すとん より:

    >うぉぉんさん

    >全盛期の明菜のビブラートはすごかったなあ。

     ああ、私も知ってます。確かにあれはすごかったし、だから「明菜は歌がうまい」って言われていたのだと思います。あの頃、ビブラートとコブシのまわし方で、歌の上手い下手が決められていたようなような気がします。だから、一般的に、ポピュラーの歌手よりも演歌系の歌手の方が評価が高く、明菜は歌謡曲でポップス寄りなのに、あのビブラートとコブシだったので評価が高かったと記憶しています。

     ま、なんだかんだ言っても、やっぱり、ひばりだと思いますが…。

    >いともたやすくビブラート付きで歌っていることに気づき

     たぶん、歌のビブラートの方が、フルートのビブラートよりも簡単だと思いますよ(笑)。特に歌謡曲レベルなら、特に…ね。

  21. うぉぉん より:

    ビブラートと言えば
    シャ乱Qおじさんの歌唱法はどうなってるのでしょう?
    ビブラートのつもりだとは思うのですが
    一回一回切って発声してるのかな?
    http://asiamoth.com/mt/archives/2006-05/06_2238.php#d20060506-221554

  22. すとん より:

    >うぉぉんさん

     いやあ、リンク先、削除されていました。ググっても、どこもかしこも削除されっぱなしで、ようやく見つけました。この人でしょ?

    http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=II-ch2xqFIs

    >シャ乱Qおじさんの歌唱法はどうなってるのでしょう?

     極めて個性的ですねえ…。あの方の色々な歌唱も見れましたが、何を歌っても、ああいう歌い方をする人なんですね…。きっと、ああいう風に聞こえているんでしょうね。

     すごくノドに力が入っていると思います。普通は舌の根本をノドの奥に引っ張る方向に力を入れる人が多いのだけれど、この人は、それだけでなく、ノドを左右からつぶす方向にも力が入っていると思います。で、普通はそんな事をしたら、声が全く出なくなるはずたけれど、それでもこれだけ歌えると言うことは、相当、ノドが強いのだと思います。

     スタッカートに聞こえる部分は、おそらく、本人的にはスタッカートではなく、ただ単に、気合が入って、よりキツメにノドが絞まっただけなんじゃないかなあと思います。もしかすると、演歌的なノドビブラートをかけようとしているかもしれないけれど、…。

     音程とかリズムとは、そんなに激しく狂っていません。むしろ、よく声が出ている部類だと思いますよ。ただ、極めてキツくノドを締め上げながら歌っていると思います。

     4~5曲、聞いただけで、ノドが痛くなりました。全く、罪なものを見せてくれるなあ…。下手って伝染るんだよ、知ってたあ?

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