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アドリブをかましてみました

 フルートのレッスンに行って参りました。はい、セッションレッスンって奴です。いやー、楽しかったです。なんか「フルートのレッスン」というよりも「フルートで遊んできた」って感じです。

 とにかく、たっぷり30分「G線上のアリア」だけを吹いてきました。いやあ、これ一曲だけで、こんなに遊べるとは…。

 最初はいつものように、先生のピアノに合わせて、フルートを吹きました。私的には、録音時よりも、もうちょっとだけ上手に吹けたような気がしました。先生にも「ポピュラーソング的には問題ないです」と言われました。ははは、たぶん、誉められているんだよね。

 で、ピアノで確認をしたら、今度は先生もフルートを持って、デュエットをします。これもいつもどおり、私がメロディで、先生が伴奏です。いい感じでした。

 いつもなら、これでこの曲はお終い。で、次の曲に入るのですが、今日は、ここから楽しくなりました。

 その前に、若干の補足説明をします。

 まず、「G線上のアリア」って曲は、その構造が「A-a-B-b」ってな感じになってます。そして、Aとaは同じ旋律、Bとbも同じ旋律。いわば単なる繰り返しなので、全く同じ事を二回やると考えてもOKです。つまり、Aパートを2回演奏してから、Bパートを2回演奏して終わりって構造になっています。

 それと、私が使っている譜面の説明をします。今回、私が使った譜面は…たぶん、これです。ドレミ楽譜出版の「クラシック名旋律集」。あれ、私の譜面と表紙と値段が違うよ、出版社と書名は一緒だけど(笑)。

 この譜面は、なかなかのもので、有名なクラシック曲(それもだいたいオリジナルのキーです)約500曲のメロディーにコードネームがふられてます。だから、コードでクラシック曲が演奏できるってわけです。ね、スグレモノでしょ。このコード付きの譜面で私は「G線上のアリア」を吹いているのです。

 ここまでが説明です。さて、話を戻しますと…。

 楽しい楽しい、セッションをして「さあ、次の曲…」と思っていたら、先生が「それじゃあ、今度は交代でメロディを吹きましょう」と言いました。交代で…というのは、AaBaという構造の曲なので、Aでは私がメロディを吹き、aで先生がメロディ、Bでは私がメロディで、bは先生がメロディ、と言うわけです。つまり、最初の大文字のパートは私がメロディを吹いて、小文字のパートは先生がメロディを吹くことになりました。

 「…?…、先生がメロディを吹いている時は、私は何をすれば?」
 「コードを吹いていてください」と言われました。……え? コード??

 「え、コードを吹く?」
 「そう、コード、分かるでしょ」
 「そりゃあ、ギター弾きますから、分かりますけど…」
 「ベース音だけでもいいから、とにかくやってみましょ」

 こんなやりとりで、やってみました。最初は私がメロディ。この部分は、つまりいつもの練習と一緒。くり返しから先生がメロディで私がコード。ひとまずは、ベースラインを基本に、時々、3度や5度の音も吹いてみました…なんて書くと、かっこいいけれど、実際は、二分音符と全音符のユルユルなリズムでベース音をブォーって感じで(なぜか中音域で)吹く程度の、しょーもない演奏です。でもね、しょうもないけれど、これって“アドリブ”だよね。

 つまり、私、生まれて始めて、アドリブというもの、かましてみました! おおぉ、アドリブ記念日じゃん。

 生まれて始めてのアドリブは、ほぼベースラインを吹いただけという、しょーもないもの(そういう意味では、アドリブとは言い難い?)でしたが、それでも始めてにしちゃあ、よくやったと自画自賛しておきます。

 始めてのアドリブ演奏の後、先生が「では、次は、ベースだけじゃなくて、コードから多少音がはみ出てもいいから、スケールもたまに入れて、やってみましょう」とおっしゃいました。そこでもう一回、今度は時々、スケールみたいなものも入れて吹いてみました。たぶん、ベースラインだけの演奏よりは、多少、形になったと思います。おおぉ、もっとかっこ良くなったぞ。

 スケールもどきが入った演奏が終わると、今度は「最初はメロディを吹いてください。二度目の時は、メロディは頭の中で鳴らすだけにして、二人ともアドリブをしましょう。そして最後はまたテーマに戻りましょう」ってなりました。ええ、メロディ無しなの?

 ともかくやってみました。メロディなしって事は、しっかりカウントをしながら、なおかつ和音の流れを感じながら演奏しないと、あっという間に迷子になっちゃいますが…、メロディ -> アドリブ -> メロディ って、立派にジャズセッションの形じゃん。ひえー、できるかーーーっ!

 やってみたら、かっこ悪いものの、何とか迷子にならずに、きちんと帳尻合わせて演奏できました。やればできるじゃん。

 すげー、すげー、すげー、G線上のアリアで、形式的には、ジャズっちゃったよ、私。うううむ、感動。

 とにかく、はじめてのアドリブ。楽しかったです。下手くそだったし、まだまだ勉強も必要だし、何と言っても経験が足らなすぎる。勉強はしていけばいいし、経験は積んでいけばいい。それに、アドリブをかますためには、フルート演奏の基礎力がもっともっとないと、思った通りに吹けないし…。色々と楽しい課題も見つかりました。

 だから、レッスンの最後に思わず「こっちの方向を極めたいと思います」って、勢いで(笑)言っちゃったよ。だって、それくらいおもしろいんだもん。ま、だからと言って、すぐにジャズに行けるわけではなく、まだ数年はアルテと戦わないといけないだろうし、基礎としてのクラシック曲はやっつけておかないとダメだしね。でも、ジャズっぽいものも、おもしろいと思ったよ。

 ウチに帰って、この話を妻にしたら「で、録音したの?」って聞かれちゃいました。もちろん、してません。「もったいないねえ、生まれて始めてのアドリブ演奏なんて、記録に残しておくと、記念とか記録とかになったのにね…」って言われました。でもサ、フルートのレッスンって、録音してないんだよ。だって、アルテを録音してもつまらないじゃん。今までのセッションレッスンだって、先生の伴奏でフルート吹くだけだし…さ。

 でも、今回は、録音していなかったことが、本当に悔やまれます。

 次のセッションレッスンの時から、先生に録音の許可をいただいて録音してみようかな?

 それにしても、ほんと、楽しかったよ。

コメント

  1. ムラマツEXⅢ より:

     G線上のアリア、レッスンで2曲目の自由曲でした。もっと上達したら再チャレンジしてみたい曲です。アドリブの演奏、是非聞いてみたいです。私の先生はクラシック専門ですのでそんな経験ができる機会はありませんでした。

    >「こっちの方向を極めたいと思います」って、勢いで(笑)言っちゃったよ。

     勢い大事です!(笑)これにグッドなタイミングがセットになれば恐いものなしですね。

     録音と言えば、先日自分の初発表会を撮るために奮発してハイビジョンハードディスクビデオカメラを買ってみました。許可をもらって講師演奏も撮らせて頂き、あとからアンブシュア、アパチュアのアップを見てみました。本当に人それぞれの形ですが、先生のアパチュアはとても綺麗に『穴』ができていました。あんなに綺麗な丸い穴になるんですね。すとんさんも是非ご自分を録画されてみてはいかがでしょう。・・・自分の出番を自分で見るとすっごく照れますね。。。

     そうそう、やっとアルテス1巻制覇しました!毎回恒例で、制覇した教本にレッスン期間を最後のページに先生に入れて頂くのですが、昨年7月がアルテス初日でした。私の先生は上のパートも下のパートも両方レッスンして下さいましたので、ペースはとても早かったと思います。

     ただ、以前からもっとハードなレッスンを希望していましたのでその旨を先生にお伝えしたところ、先生の先生をご紹介下さることになり、来月から新しい環境でレッスンを受けることができそうです。
     

  2. すとん より:

    >ムラマツEXⅢさん

     アルテ第一巻制覇、おめでとうございます。これでムラマツEXⅢさんも、初心者を卒業して、いよいよ中級者の仲間入りですね。胸を張って「フルートを吹いてます」って言える身分になったわけで、うらやましいなあ…。私も早く「フルーティストでございます」って胸を張って言えるように上達したいと思ってます。

     しかし、アルテ第一巻に1年かかっていないのですね。すごいなあ…。私はようやく1/3を終えるところで、ムラマツEXⅢさんの1/3のペースでトロトロやっている事になるのかな? いや、デュエットのところは、私は下のパートなんか見てもいませんから、実際のスピード的には、もっと遅いことになるかな? ま、大人の趣味なので、他人と比べても仕方ないので比べませんが(笑)。

     そうそう、先生を変えることができて、よかったですね。今度の先生は、今の先生の先生ですか。順当な話だと思います。新しい環境で、新しい先生と、新しいスタートを切り、さらに充実した音楽生活、フルート生活を目指してください。

  3. 夜希 より:

    いいですね〜。教育テレビのジャズピアノのレッスンもそんな感じでやってたような気がします。(ちらっとしか見てません)
    Fのブルースだったかな。

    コードがわかるってすごい武器になってますよね。
    基本はベース、アルペジョ、スケールですね。
    フルートしかしてないとそういうのがなかなか見えてこないです。

    近くにジャズの教室があればな〜。
    ジャズをしている人はまわりにいるけど、みんな夫経由なので「初心者は、しっしっ」って感じです。
    夫も相手にしてくれないし、サークルみたいなのはビッグバンドしかなくて、フルート専用の人はやっぱり、しっしっです。
    数年前に、地元で、故高橋達也さんプロデュースのビッグバンドの募集があったのですが(楽器ができればジャズ初心者OK)フルートの募集はありませんでした。すっごくくやしかった!

    で、結局、独学です。足踏み中ですが。

  4. すとん より:

    >夜希さん

     これは、これは、大歓迎です。なかなか、フルートでジャズやっている人って、少ないですね。私もまだまだやっているうちには入りませんので、夜希さんが時折アップされる音源を聞いて「すげーなー」といつも思ってます。

     確かに、ポピュラーをやる上で、コードが分かるというのは、りっぱな武器ですね。もっとも、私の場合、入門の時にコードが分かるかと確認されてます(笑)。もし分からないと答えたら、入門が許されていなかったかもしれません。

     アドリブも、ギターでやっている事をフルートでやれば、たぶんOKなんだとは思ってますが、楽器が違うとなかなか、どーして、うまくはいきません。なにしろ、ギターにはコードフォームというのがありますが、フルートにはコードフォームがありませんからね。そこを補うための勉強と訓練がフルートには必要なんだと思います。

     ただ、あせっても仕方ないと思ってます。今はジャズうんぬんよりも、まだまだフルートそのものの訓練が必要な私です。ジャズは、フルートが一通り吹けるようになってからの、次の段階の勉強だと思ってます…が、そこらへんは、先生に任せています。

     たぶん、笛先生との出会いは、神様のお引き合わせなんだろうと思ってます。恵まれているんだろうなあ…、私。

  5. inti-sol より:

    アドリブでコード吹きって、私にはできないかも・・・・・・。

    私も録音よく取りますけど、難しいです。人前で演奏するとき録音取るときの方が緊張します。というか、人前での演奏は、適度の緊張がよりよい演奏につながることが多いけど、録音は緊張が失敗に結びつくことが多い。
    お客さんの前で演奏するときだって、録音はとっているんですけれど、録音のための録音とは何かが違うんです。

  6. すとん より:

    >inti-solさん

     アドリブって、難しいのですが、できるようになると、とても楽で楽しい(あ、漢字は被りますね)のではないかと、笛先生の演奏を見聞きしていると、そう思います。

     特にきちんとアレンジされ、フルートパートが作曲されているクラシック曲や吹奏楽系の曲、楽器店でフルートコーナーにおかれているフルート用の楽譜はともかく、普通のポピュラーソングやバンドとの共演などの、フルートパートなんて一切譜面化されていないような楽譜を使って演奏するときは、アドリブができないと、何もできないような気がします。

     もっとも、私にしたって、アドリブをきちんと習うには、まだまだ時間が必要だろうし、マスターできると限ったものでもないので、あまりエラそうな事は言えませんが…自由にアドリブができたら、楽しいだろうなあとは思います。

     人前での演奏と録音…、私はその比較検討の前に、人前で演奏しないから(笑)。そこが問題です。もっとも、人前で演奏できるようになったら、それはもう初心者卒業段階ではないかと思ってますので、人前で演奏できなくても、まだいいやと思ってます。

     気分は、万年、初心者なんです(実態は、リアルな初心者ですけれど)。

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