話は、5月5日の昼食後から始まります。
【マスタークラス フィリップ・ピエルロ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)】
食後は、のこのこ東京国際フォーラムに戻ってきて、マスタークラスのために、一時間ほど列に並びました。去年は開始時間ぎりぎりに行っても入場できたのに、今年は一時間前に会場にやって来て、並ばないとダメになっちゃいました。残念です。でもね、一昨日の反省から、その分、準備をしてきたので、しっかり読書ができて良かったです。読書と言っても、マンガですけれど(笑)。おもしろかったですよ、お薦めです。
さて、マスタークラス。生徒さんは、小学生の女の子…に見えましたが、たぶん音高の生徒さんじゃないかな? スッピンだったので、大学生ではないと思います。なかなかの凄腕でしたよ。ただし、弓に松脂を塗るのは苦手そうでしたが…。
演奏曲目は、バッハ作曲の「ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第1番」だそうです。そんな曲があるんだねえ…。
ヴィオラ・ダ・ガンバと言う楽器を、きちんと聞くのは始めてです。ま、チェロのご先祖様みたいな楽器ですが、音色は深いね。チェロよりもだいぶ深いです。例によって、音量はありませんが、音色は味わい深いです。今回のラ・フォル・ジュルネのおかげで、古楽器の良さがちょっとだけ分かるようになった私です。
例によって、先生の言葉の中から、私の心に残ったセリフを書き留めておきます。
・弓はきちんと端から端まで長く使うこと。
・腕力で押しつけるのではなく、弓の重さを利用して弾くこと。
・スラーでつながれたところは、一弓で弾く。
(弦楽器の弓は、声楽や管楽器のブレスと同じだと、私は思ってます)
・曲の一番最初の音を大切にして、しっかり出せば、あとは自然と曲になる。
・演奏はおおげさなくらいが、ちょうど良い。
・歌手が歌うように弾いてみる。
・クラブサン(チェンバロのこと)との会話を強調して演奏してみよう。
いやあ、それにしても、ヴィオラ・ダ・ガンバの音色は深くて優しいよ。
【公演365 工藤重典のフルート】
会場は先日の有田正広さんのコンサートと同じ、ヴァイマールことG402号室。会議室をサロンにしましたって会場です。私の席は中央正面、前から2番目。奏者である工藤さんとは、ほんの3mほどの距離。もう、彼の息づかいまで、手にとるように分かる、かぶりつきと言うべきか、砂かぶり席と言うべきか、とにかく、すごくいい席をゲットしました。たぶん、これからの人生で、これよりも良い席は確保できないでしょう。
演奏者は、フルートが工藤重典氏。チェンバロが、先日、高木綾子姫と共演した、中野振一郎氏。綾子姫との共演時には、ほとんど聞こえなかったチェンバロも、ここでは細かなニュアンスまでも、よく聞こえました。やはり、古楽は、こういう小さい部屋で演奏しないとダメですね。
曲目は「フルートとオブリガード・チェンバロのためのソナタ第2番」「フルートと通奏低音のためのソナタ第2番」「フルートとオブリガード・チェンバロのためのソナタ第1番」、アンコールは「シチリアーノ」をもう一回やってくれました。
工藤さんの使用フルートは、ビジューだかメルヴェイユだかの区別はつきませんが、C管のゴールド・フルートでした。なのになのに、音はふくよかで木管フルートのような音が出てました。いわゆる“ゴールド・フルート”の音ではありませんでした。太くて柔らかくて、それでいて一つ一つの音がきちんと粒立っていて、リッチで美しい音なんです。録音で聞ける音とはだいぶ違いました。録音よりも実物の方が、数倍、美しい音なんですよ。あの音が、普段からの工藤さんの、本来の音色? それともバッハだから、あのような音色で演奏したのでしょうか? ううむ、どちらにせよ、やはり録音は生演奏には敵わないようです。
ソナタ第1番とシチリアーノは、奇しくも先日の有田さんと同じ曲でしたが、使用楽器(と演奏者)が違うと、同じ曲でも、こんなに表情を変えるものなのかと、驚きでした。どっちがいいかは、もはや好みの問題でしょうね。私は現代フルートでの演奏を好みますが、バッハはトラヴェルソの音を念頭において作曲したという事実を踏まえると、色々と悩んでしまいます。
工藤さんは口の左側半分だけでアンブシュアを作っていました。ブレスはとにかく素早いです。あっと言う間にブレスを完了してしまうので、とにかくフレーズが途切れません。
伴奏者とはあまりアイコンタクトを取っていませんでしたが、それでも伴奏者との息はぴったりでした。なぜだろうと疑問に思って見ていましたら、どうやら秘密は、工藤さんの動きにあるようでした。
工藤さんは、とにかく動きます。フルート演奏中は片時も休まずに、オーバーアクションではないかと思われるくらい、体を動かします。私らアマチュアがやったら、絶対に音が乱れてしまうというくらい、激しく体を動かしていますが、あの動きで伴奏者に色々と伝えているようです。伴奏者は工藤さんの体の動きを見ながら、それに合わせて伴奏していることに気づくと、まるで工藤さんのゴールド・フルートが、金の指揮棒のように見えてくるから不思議です。
工藤さんのフルートの組み立て方は、ほぼ標準のようです。口は、ちょっと見では、インコの口ではありませんが、よく見ると、息そのものはフルートの真上から下に向けて吹き込まれています。つまり、そうは見えないけれど、実はかなりインコの口のようです。それよりも驚きなのは、かなり音が激しく動く曲でも、指はあまり動かないことです。本当にちょっとしか動かないのです。ううむ、ううむ。
私のアゲハはC管で、でも、演奏会で見るプロの方々のフルートって、たいていH管じゃないですか。だから私も、いずれそのうち、H管のフルートが欲しいなあと思うのですが、工藤さんはC管のフルートを使用しているのです。
何となく「プロや上級者はH管のフルートを使い、初心者はC管のフルートを使う」という思い込みに捕らわれていた私にとっては、なんか新鮮でした。理性で考えると、奏者の腕前と楽器の最低音は関係ないはずなんですが、何となく、そんな思い込みに捕らわれていましたので、工藤さんがC管のフルートを使用されているのを見て、C管ユーザーとしては励まされているような気がしました。
そうなってくると、具体的にC管とH管とで、最低音Hの使用の有無以外に、どれだけの違いがあるのか知りたくなりました。おそらく、工藤さんは、今回のコンサートでは、わざわざC管をチョイスして演奏に臨んだのでしょう。そうならば、その理由も知りたいものです。
それにしても、本当に至福の45分でした。あんなに、美しいフルートの音を、たっぷり聞けるとは、思ってもいませんでした。とろけるように美しい音色でした。音楽の神様、ありがとう。
【リューベック広場コンサート 尾原記念オーケストラ】
工藤さんのコンサートがあまりに素晴らしかったので、もうこれ以上の音楽は聞きたくないと思いました。もう、何も要らない、すぐに帰りたい! これが本音。
でも、そうもいかないので、次の予定を確認したら、次は尾原記念オーケストラでした。昨年も聞いた、あの素晴らしい団体の演奏なので、気を取り直して、リューベック広場に向かいました。
演奏曲目は「G線上のアリア」と「トッカータとフーガ(オーケストラ版)」に、アンコールとして「主よ、人の望みの喜びを」をやってくれました。こういう選曲をしてくれるところが、この団体の良いところです。
アマチュアっていいな。演奏そのものは完璧ではないけれど、演奏する喜びに満ち満ちているのがよく伝わってきました。昨年のシューベルトも良かったけれど、今年のバッハも気に入りました。私はここのオーケストラが好きかもしれない。それにしても、オーケストラ版の「トッカータとフーガ」って、ムッチャおもしろい!
さて、明日は金魚の話を日曜日に延期して、ラ・フォル・ジュルネの最後の晩の話をします。あ、ダイエットの話は、今週お休みしま~す
コメント
>工藤さんの使用フルートは、ビジューだかメルヴェイユだかの区別はつきませんが、C管のゴールド・フルートでした。なのになのに、音はふくよかで木管フルートのような音が出てました。
最近私も今まで持っていたゴールドフルートの音色の印象がまったく変わってしまう生演奏を聞きました。音色の好みも私の経済的にも銀、と決め込んでいましたが、無理をしてでも金かも・・と、その演奏以来一変しました。
高木綾子さんもC管を使われて演奏されてたことがあったと思います。
>工藤さんは口の左側半分だけでアンブシュアを作っていました。
このアンブシュアってアルテス(シンフォニア版)に載っている写真のような感じでしょうか?ある先生の門下生の方々も、左半分か左よりで作られてるのを多く見ます。唇の個性で左半分を使われているのか、誰でも左半分を使った方がメリットがあったりするのか最近とても興味を持っています。
>ムラマツEXⅢさん
ゴールドフルートは、おそらく吹きこなすのに、奏者側に才能と努力と実力を要求するのだと思います。そういうモノが備わっている人には良い楽器なのでしょうが、そうでない奏者だと、楽器に吹かされてしまうのだと思います。これは別にアマチュア奏者の話ではなく、プロ奏者の話のつもりです。もしかすると私たちが耳にする“ゴールドフルートの音”って、楽器に吹かされてしまった奏者の音なのではないかと、生意気にも、そんな事を考えるようになった私です。
だから私自身はやはり“ゴールドフルート”には手を出すつもりは、今のところありません。買えないという事実を横においても、やっぱり笛に吹かされてしまいそうだからです。
もっとも、10K前後のゴールドフルートだと、また話は別で、これらは総銀よりも吹きやすいし、アマチュア向けのフルートだと思ってますので、もしも将来的にゴールドフルートを購入するとしたら、10K前後のゴールドフルートを買うと思います。
>このアンブシュアってアルテス(シンフォニア版)に載っている写真のような感じでしょうか?
その写真は見たことないし、おそらく見るチャンスもない(笑)ので、どうこうは言えないのですが、工藤さんは、本当にクチビルの左側半分だけを使ってアンブシュアを作っていました。フルートが吹ければ、別にアンブシュアを、口のどの辺で作っても問題ないでしょうから、そこは好き好きじゃないでしょうか? たしか、工藤さんの師匠のランパルさんも、口の左側でアンブシュアを作っていたと書いてあったブログを見たことがあるよ(どこだか忘れたけれど:笑)。
だから、クチビルの片側だけを使用してアンブシュアを作っている門下があるかもしれない。もちろん、持って生まれたクチビルの形の都合で、クチビルの片側でアンブシュアを作った方が良い人もいるでしょう。
私は、真ん中にアンブシュアを作っても困ることはないですし、笛先生もクチビルの真ん中でアンブシュアを作っているので、たぶんずっとアンブシュアはクチビルの真ん中で行くつもりです。
C管とH管の違いですが…、最近は楽器の出来が良いので音色上や音程上の違いは、なくなっていると思います。
最低音のHが出せるという以外のメリットと言えば、Hのキーを単独で操作するギズモキーを使って高音域のピッチの修正ができることくらいですか。
これは、微妙な音あわせを要求されるプロオーケストラの奏者以外使わないでしょう。吹奏楽だと、他の管楽器もピッチがどんどん高くなるので、全然要りません。 私は今の楽器を吹き続けるつもりでいますが、次の楽器を買うとしたら、C管を買います。
それから、唇の左半分を使うアンブシュアのことですが、実は私もそういうアンブシュアです。私個人の理由は、唇の真ん中が少し出っ張って膨らんでいるところで息の流れが変わってしまうのを嫌ったためです。ただ、アパチュアがすごく不自然になってしまいます。どっちもどっちだと思います。
ただ、私は病気をした後、上唇の右側に軽いマヒがありましたので、このアンブシュアでないと吹けませんでした。
>たかさん
ギズモキーは、笛先生も使わないとおっしゃってましたから、本当に限られた用途でしか使われないキーなんでしょうね。しかしH管のメリットが最低音Hが出せるか出せないかだけだとしても、この半音の差は結構大きいですね。ううむ、悩みどころです(って、何を悩む?)。
アンブシュアは、たかさんもランパル&工藤派ですか。さもありなんです。ご病気の前から、そのようなアンブシュアだったのでしょうから、病気は御災難でしたが、フルート演奏には支障がないのは、何よりだと思います。
それにしても、素人考えだと、フルートは呼吸器系と手指の運動のリハビリとしては、なかなか良い方法だと思いますが、当たってますか?
再びお邪魔します。そうなんですよ。最低音Hが出てくる曲がごく少数ですが存在します。たとえばタイスの瞑想曲は最低音がHです。C管だとその部分はオクターブ上げざるを得ません。でも、ただそれだけぇ~なんですけどね。
さらに右手小指の操作が難しくなります。特にE♭からD♭に下がる(あるいは逆)D♭からCもHキーがあるために、正確に小指を動かさないといけません。ちょっとでも多く動かすとCじゃなくてHになっちゃいます。Hを出そうと思ってもCキーをちゃんと押さえていな鳴らないし。
この辺りはC管の方が全然楽です。例えばドビュッシーのシランクスの低音域なんかは、C管の方が運指は楽だし音も良いと思います。タイスも結局最低音Hは使わないでオクターブ上げてしまったりして…。こりゃ恥ずかしい。
それから、フルートは言語療法士の先生に「いいリハビリになるからやりなさい」と勧められて、やり始めました。確かにいいリハビリになっています。病院でのリハビリはつらかったんですが、フルートは楽しいですね。
実は、先日アルタス・フルートを試奏したときもH管を吹いてみたし、半年前にムラマツの試奏をしたときもH管試奏したのですが、「私には無理」というのが結論です。半年前は、とうとう最低音のシを出すことが出来ませんでした。今回アルタスでは、いろいろ試しているうちに、何回か、かろうじて音が出ましたけど、思い通りには吹けません。
問題は、そのことよりも、シと道連れにドまで出しにくくなってしまうことです。シのキーは押さえず、ドのキーだけ押さえるのが、私には難しいからです。
というわけで、私は今後もC足にしておこう、と決めたのでした。
ムラマツを試奏したとき、14Kと24Kも吹いたけど、14Kは確かに吹きやすかったです。24Kはちょっと吹きにくかったかな。
しかしですね、先日我が相棒に「あと5年くらいしたら、ひょっとしたら50万のフルート買うかもしれないよ」と言ったら、「えーーーーー!!」と言われてしまいました。「今じゃないから、5年後5年後」と言ってOKもらったけど、100万とか200万なんて数字はとても口に出来ません。
もっとも、その相棒は、結婚する前に30万のギターを買っているのですが。
>たかさん
最低音がどこまであれば十分かという話には限りがなく、やはりどこかで決着を付けなければいけないわけで、フルートの場合は、最低音が違う二種類の楽器があるというのが、悩ましい話なわけです。
タイスの瞑想曲は、低いHが本来は必要なんですね。たしか、ドップラーのハンガリー田園幻想曲もそうじゃなかったでしょうか?
私が個人的に感じているのは、ジャズのスタンダード曲である、フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーンです。この曲も最低音がHなので、H管なら、あのメロディーをアンニュイなまま低音域で吹けるのに、C管だとメロディーすべてを一オクターブ上に上げて演奏せざるをえないので、アンニュイさが出ないので、ヤダなあってところでしょうか? これはかなり大きな問題です。
そんなわけで、たとえ半音でも音域は広いに越したことはないと思ってましたが…そうですか、H管にすると、操作性が難しくなるんですね。それはたしかに大問題かもしれません。あちらを立てれば、こちらが立たずで、H管にすれば良いこと尽くしというわけではないのですね。
ありがとうございました。
>inti-solさん
やはりH管は難しいですか。そうでしょうね、そうでしょうね。今度、試奏に行ったら、ちょっとじっくりH管の難しさを味わってこようと思います。
>先日我が相棒に「あと5年くらいしたら、ひょっとしたら50万のフルート買うかもしれないよ」と言ったら
え? 50万円でいいんですか? そこはババンと100万円で行っちゃってください。100円まで出せば、かなり良い、フラッグシップ級の総銀フルートが行けますよ。50万円だと、いわゆる“ハンドメイド”フルートにはわずかに及ばないですよ。それなら、今のEXとそんなにはっきりと違わないので、なんかもったいないですよ。
100万出せば、明らかに違う世界に行けますって。経済的には厳しいけれど、そこは時間をかけてやりくりすれば…ね、楽器は一生ものですから、同じ買うなら、100万クラスで!
> え? 50万円でいいんですか? そこはババンと100万円で行っちゃってください。
いやいや、私の腕前で100万はちょっと・・・・・・・。
正直言うと、今のEXにも、充分満足しているので、50万とは言ってはみたものの実際買うとなったら、やっぱりまた頭部管銀クラスかもしれません。
それに、わが家の大蔵大臣は私なんですが、総理大臣は相棒なんです。もし相棒に無断で100万の買い物をしたら、大蔵大臣罷免は避けられないか、と。
私も今はC管ですが、やっぱりH管にしたいんです。
最低音が半音一個分下まで出せる、っていう理由もわかるんですけど、私の場合欲しい理由は、Cのピッチと響きが安定的に鳴らせそうだから・・・・。
C管って、全部塞いでCで、右一個開いてC♯ですよね、今、C♯はバチッと鳴るのに、全部塞いだ瞬間、音はくぐもる、ピッチは下がる、アルタスの弱点の低音の弱さ丸出しで・・。
でもH管になるとその関係が右側へ半音下がるわけで、Cのときにもう一つ右側のキーは開いててC♯と同じ状態、ということになりますよね。としたら今鳴らしてるC管のCより、H管のCはよく鳴るんじゃないかなあ・・なーんて淡い期待なんかしてます。だって最低音のCってしょっちゅう出てくるんですもん。そのたびにストレス満載・・。
なので、今度機会があったらH管を吹かせてもらってちょっと確かめてみよっかな、と思ってます。でどっちも自分じゃ変わんないCじゃん、自分の修行が足りないだけだわ、と思ったら、今のままでいいかなあ、と思ってます。
横レスですみません。
>ダリアさん
H管にするとCが出やすくなるなんてありませんよ。
むしろ、inti-solさんも言っているようにキーの操作が難しくなって、Cを出すのもより難しくなると思います。
なにはともあれ、「百聞は一見に如かず」ですからH管のフルートがあったら、試奏してみてください。
私の経験からするとH管に慣れるのに結構時間がかかります。試奏の時間くらいだと、自分にH管が合うのかも、わからないかも知れません。
>inti-solさん
フルートは、少なくとも国内メーカーに限って言えば、値段で楽器の善し悪しはあんまり言えないと思ってます。お値段的に手頃でも、造りはきちんとしているし、音色も良いのが、メイド・イン・ジャパンですからね。
ただ、現在お使いのものが頭部管銀なんですから、次は管体銀なんて、小さめに刻まないで、ババンと総銀とかゴールドに行っちゃうのが、お・と・な・が・い、ってものでしょうって話です。そんだけです。
でも、ムラマツEXを使っていると、なかなかフルートを買い換えようって気にならないでしょう。グレードアップしたいという気持ちと、でもこれも悪くないよねという気持ちの、二つの気持ちが常に葛藤しちゃうでしょうね。EXって良いフルートだもん。私には合わないけれど(爆)。
>ダリアさん
>アルタスの弱点の低音の弱さ丸出しで・・。
そうなのかな? 少なくともアゲハは低音得意ですよ。野太い音でブォーーって低音Cは割と簡単に鳴ります。ってか、アゲハはどの音も高らかに鳴ります。
ただ、アゲハは、マメに調整に出してます。購入してやっと9カ月だと言うのに、すでに三回も調整してますし、来月も調整に出そうかどうか悩んでいる最中です。というのも、調整せずに三カ月ほど放置した時に、音が出なくなっちゃたので、機会さえあればすぐに調整に出してます(笑)。
だから、私の感覚では「低音の弱いアルタス」ではなく「マメに調整が必要な、繊細なアルタス」ってイメージです。なので、ダリアさんのフルートも調整に出されると、低音がバッチリ鳴る様になると思いますよ。
>たかさん
横レス感謝です。私自身はH管をじっくり吹いたことがないので、たかさんのコメントを読みながら「そーなんだー」と思いました。
実は私も一時期、ダリアさんと同じ事を考えていた事があります。でも、調整に出したら、すぐに解決したので、ちょっぴりガッカリした事があります(なぜ?)。
隣の芝生は青い…んですよ。C管ユーザーがH管に憧れるのは、隣の芝生が青いからなんだと思います。でも、音域が半音下に広がるのって、魅力です。
昨日、試しに「100万のフルート」と言ってみました。
不許可です。あえなく沈没しました(T_T)
でも、50万でもアルタスで言えばA1207までは買えますね。
いずれにしても、次に買い換えるのは、今のEXをオーバーホールに出す頃だろうと思うので、早くても5年後、あるいはもっと先かも知れません。そのときのわが家の経済状態次第ですね。
ところで、フルートフェアで試奏すると、周囲に無茶苦茶上手い人がいます。ピロピロピロピロ~~~って、音階を滑るように吹いている。あれ、私にはできません。
音色とビブラートだけは、そんなに下手ではないと自負しているのですが、指が全然回らないので、ちょっと早いフレーズを吹くと、すぐに馬脚が現れてしまうのです。
ここで試奏するの勇気がいるな、っていつも思うのですが、でも結局は全然遠慮せずに吹いています。
>inti-solさん
>昨日、試しに「100万のフルート」と言ってみました。不許可です。あえなく沈没しました(T_T)
それは御愁傷様です(涙)。でも、ご自身もおっしゃっている通り、購入時の経済状態次第だと思いますので、まだまだ諦めてはいけませんぞ。それに100万でなくても、50万が60万、70万と、少しでも予算に余裕があれば、それだけ選択の幅が広がります。50~100万円に総銀フルートのボリュームゾーンがありますからね。
ちなみに、アゲハは50万円では買えませんが、60万あれば買えます(笑)。
>ところで、フルートフェアで試奏すると、周囲に無茶苦茶上手い人がいます。ピロピロピロピロ~~~って、音階を滑るように吹いている。
いるいる。ま、実際に上手い人なんだと思うけれど、たぶんあれは定番のクロマチック・スケールの練習曲なんだと思う。だから、毎日アレを吹いているんだと思うよ。私もアレには憧れていますが、あの曲は何ていう曲なんざんしょ。おそらくクラシック系の中級者向けの練習曲の中の一曲なんだと思いますが、曲名が分かれば、あの曲を練習してマスターしたい私でした。だってあれ、かっこいいもんね。
たかさん、ありがとうございます。経験者の方のご意見はほんとうに参考になりますね。H管、一度は手にしてみたいものですが、やはりもうちょっと修行しつつ、試奏のチャンスがあったらせっせとチャレンジしてためしてがってんしてみます。
すとんさん、そうですか、アルタスは豆に調整が必要な繊細な笛、言えてますね。ここのところサボっています。一度楽器屋さんに持っていってこようかな。そのとき、H管を吹かせてもらったら、一粒で二度おいしい、とか一石二鳥、ていうことですよね。
またまた、横レスでごめんなさい。
ダリアさん、私は試奏もしないでH管を買って撃沈したクチなんです。その後、潜水艦状態です。(笑)
手の小さい方だと物理的にHのキーまで指が届かないかもしれません。多少は足部管の角度を調整することで対応できますが、やり過ぎるとド♯のキーの操作までやりずらくなります。インラインリングキーもそうですが、鳴らせなくても、指が届くかは、試奏して確認した方がいいですよね。
すとんさんが、よくやっているように楽器の調整に行って、新しいフルートを試奏させてもらうのは、いい手です。
inti-solさん、100万円のフルートはあえなく沈没ですか。私、14Kの総金製フルートが欲しくなりました。最初から沈没してます(爆)。ムラマツのEXは、すとんさんもおっしゃっていますが、すごくいい楽器だと思います。ムラマツはそのままで、気にいったフルートがあったら、ぱっと買っちゃいましょう。時々、50万円位の総銀製で、ものすごく出来のいい楽器が出ることがあります。その時、すかさず買っちゃいましょう。って、自分でも思っています。そうするとH管はなかなか出会えないですよね。H管を持っているから、そう思えるんでしょうが、C管でも十分ですね。
>ダリアさん
そうそう、アルタスのフルートはマメな調整が必要だと私は思います。ま、そういう意味では“金食い虫”なんだと思います。ですから、無料の調整会などをうまく利用した方が良いと思います。
ダリアさんがどちらにお住まいかは知らないので、意味のない情報かもしれませんが、こちら(http://yamaha-yokohama.co.jp/event/fair/y090606-0628flute_fair/y090606-0628flute_fair.htm)はいかがですか? 予約が必要ですが、アルタスの技術者の方に無料でフルートの調整をしていただけますよ。
>たかさん
ここは、横レスは全然OKですので、気にしないでください。もっとも、全然関係のない話を延々と続けられると困りますが(笑)。ま、常識の範囲内でということです。
>私、14Kの総金製フルートが欲しくなりました。最初から沈没してます(爆)。
14Kですか、もっともゴールドっぽいところですね。確かに、このクラスだと、宝くじにでも当たらない限り、なかなか手が出ませんね。いやあ、きびしい。
>気にいったフルートがあったら、ぱっと買っちゃいましょう。
そうそう、そう思います。フルートとの出会いも一期一会です。
私は幸い、パウエルのメカ金の木管以外で、アゲハを越えるフルートにはまだ出会ってませんので、新しいフルートを買おうという気にはなりません。パウエルのメカ金の木管は…それこそ14K並のお値段しますので、買えるはずもありません(大笑)。
でも…パウエルのメカ金の木管フルート、マジ、欲しい。
木管!
実は、一番心が動くのは木管フルートなんです。金のフルートより遙かに心が動きます。一度も吹いたことがないので100%見た目のあこがれですけれど。
ただ、国産でも木管は100万くらいするから、これも購入不可能です。試奏くらいはしてみたいですけれど。
アルタスでは木管は作っていませんね。国産ではヤマハとサンキョウでしたか。
私も、自分で吹いていてEXはとてもいい楽器だと思います。しかも、オフセットリングキーというまれな楽器が、たまたま私が試奏したときに1本だけ在庫があったのです。注文していたわけでもなんでもないのに。(たまにしか入荷しないようなことを言っていました)まさに、運命の出会いです。
ただ、ケーナでは、試奏したときに「運命の出会いだ!」と思って買って帰って、家で吹いてみたら「あれーーー?」ってことが何回かありました。(こちらは1本5000円から8000円の世界ですけれど)
そのことがあるので、試奏の時に「運命の出会い」と感じても、そのインスピレーションはあまり信用しないことにしています。
>inti-solさん
おっしゃるとおり、国産で木管フルートの製作をしているところは、ヤマハとサンキョウくらいですね。あと、フルートフェアなどに行くと、アルタスのブースにドイツメーカーであるハンミッヒの木管フルートが必ずありますので、こちらも比較的入手がたやすいと思います。後は、日本代理店がしっかりしているパウエルの木管。素人レベルで木管フルートを…となると、この4社に絞れますかね? あと、秋葉原に行くと、中国製の木管フルートが国産の1/3程度の価格で買えます(が、買いますか?)。
木管フルートは、メーカーごとの違いもかなり大きいですが、個体差もかなりありそうです。もしも買うなら、それこそ、何度も何度も試奏を重ねて探すことになるでしょうね。
>そのことがあるので、試奏の時に「運命の出会い」と感じても、そのインスピレーションはあまり信用しないことにしています。
1万円以下のケーナでそうならば、価格のケタの違うフルートでは、慎重であっても仕方ないですね。それに、慎重に選んでいる過程そのものも楽しいので、じっくり探して丹念に選んでいくのもよろしいかと存じます。
どちらにせよ、懐具合が肝心でしょうが。
パウエルのカタログにゴールドキーの木管の写真が出てました。黒の管体に金って、合いますね~。見ただけでも欲しくなっちゃいそう…。
木で出来た楽器は、割れが心配なんですよね。クラリネットのことを考えると、木自体の質で音も違うし…。クラリネットは信頼できる専門家が選定したものを買った方が良いというのが私の考えです。何百本という楽器を吹いている人でないと良し悪しは見分けられないんです。
フルートをやっている人で木の質まで見分けられるのは…。木管のピッコロを作っているメーカーなら、グラナディラのストックがあって、製作者側にも、木の「匠」がいると思います。日本の某メーカーが初めて木管のフルートを出した時に、木についてのトラブルが頻発したとか…。
木管って結婚してからお見合いの時にはわからなかった本性がわかる楽器なんですよね。パウエルの木管は、展示されてなかったけど、あったら吹いてみたいです。気にいったら…、我が家は破産だ~。
>たかさん
そうそう、木管フルートは“割れ”が心配ですね。パウエルの人も、その辺にとても神経使ってましたね。いきなり息を吹き込んじゃいけないとか、乾燥させちゃいけないとか、扱いが面倒そうでした。使い方も面倒だけれど、保管方法もかなり大変そうでした。木管は、素人が手を出していい楽器じゃないなあ…と思ったものです。
ちなみに割れたら、特殊な接着剤使ってくっつけるそうです(笑)。それでいいのって思うけれど…。いいんだろうなあ…。
>すとんさん
実は、割れたら接着剤でつける″しかない″のが現状です。接着剤は木ではありませんから、音への影響はいい訳ありません。
この辺りのことは、話すと長くなるので、いずれ私のブログにアップしようと思います。
フルート以外の人にも知っていただきたいことが、いっぱいありますので。
>たかさん
>この辺りのことは、話すと長くなるので、いずれ私のブログにアップしようと思います。
はい、では、首を長くして待っておりますので、時間がある時にでも、アップしてください。
やはり、アマチュア・フルーティストは、取り扱いが楽な、金属製の方が良さそうですね。
それにしても思うのは、なぜプラ製のフルートってないんでしょ? プラ製のリコーダーやトラヴェルソだってあるのに、プラ製のフルートがないのって、おかしいような気がします。
私は、プラ製のフルートがあったら、きっと買うよ。そりゃあ、音色はお高い木製とは比較にならないだろうけれど、金属フルートとはまた違った、柔らかい音が出ると思うんだよねえ…。なんでだろ?
そういえば、プラ製のフルートはありませんね。でも、プラ製のピッコロはありますよ。
ヤマハのYPC-32(ABS樹脂)
http://yamaha.jp/product/winds/piccolos/ypc-32/
ピッコロではあってもフルートではないのは何故なんでしょう。
ケーナの世界だと、木のケーナは「規格品で完全に同じものがいくらでもできる」と言われます。もちろん、実際は個体差があるのは当然ですが、竹製があまりに個体差がありすぎるから。
>inti-solさん
そうなんですよ、プラ製のピッコロって、あるんですよ。その他にも、クラリネットにプラ製があります。トラヴェルソにだってプラ製があります。リコーダーなんて、木製よりもプラ製の方が今や大きな顔をしてるくらいです。
管体プラでメカ洋銀のフルートがあったら、木製フルートの代用品として、アマチュアには人気出ると思うんだけれどなあ…。4万円くらいで、どっかの会社から出ないかなあ…。そのくらいの値段なら、十分イケると思うんだけれどなあ…。そう思うでしょ?
多分YFL-211クラスの楽器だと、材料費の割合ってごく小さいと思うので、プラ製にしてもそんなに安くはならないと思います。ピッコロのYPC32だって、定価10万近く、YFL211より高いです。
4万円だと、作りも値段なりかも。
いや、しかしケーナで4万円といったら最高級品なんですけどね(黒檀製とか、吹き口だけ牛骨使ったようなものでも多分買える)、フルートはやっぱり金銭感覚が狂います。
>inti-solさん
>多分YFL-211クラスの楽器だと、材料費の割合ってごく小さいと思うので、プラ製にしてもそんなに安くはならないと思います。
確かに言われてみれば、そうかもしれない。でも、プラも黒の艶消しにでもしたら、211と同じような価格設定にしても、売れるかもしれないよ。
いっそ、211と同じメカを乗せちゃうって、アリでしょ。そうすれば、コストダウンにもなって、いい感じだと思うけれど。
>フルートはやっぱり金銭感覚が狂います。
はい、1000万円越えのフルートを吹いてから、100万円前後のフルートが安く感じるようになって困ってます。実際には、私だって、なかなか100万円は出せないのにね。フルートを吹いていると、本当に金銭感覚が狂いますね。
でも、ヴァイオリンをはじめとする弦楽器よりは、マシだと思ってます(笑)。だって、あいつらは億単位の話を平気でするもんな(爆)。
> でも、プラも黒の艶消しにでもしたら、211と同じような価格設定にしても、売れるかもしれないよ。
売れるかどうかは分かりませんが、個人的に欲しいのは確かです。8万円くらいなら相棒の許可がなくても買えます。
バイオリンは多分特殊な世界ですよ。新品のバイオリンで億の値段の楽器はないですよね。
「一生もの」と言われる総銀製や金のフルートといえども、300年も400年も保つとは思えませんし、そもそも300年前に今のフルートはまだなかったですからね。
>inti-solさん
管楽器では、ヴィンテージは基本的に骨董品であって、実用品とは言えないと思います。と言うのも、そこにピッチの問題が絡んでくるからです。なので、300年、400年はおろか、50年前のものだって、使用するには???となるのが管楽器ですからね。
なので、管楽器奏者は、弦楽器奏者が高級な楽器をを一つ所持して愛用するスタイルとは違って、たくさんの楽器を所有するという方向に走るのだと思います。
やっぱり、黒艶消しのプラ製フルート、欲しいなあ…。