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フルート演奏は歌唱テクニックのヒントにあふれている

 今はお休みしているけれど、私も長い間フルートを学んできました。そこで得られた経験って、声楽、とりわけ発声に通じる事が多々あるなあと思ったので、メモ書き程度ですが、書き残してみました。
1)息の入れすぎはダメ
 フルートって、息で音を出す楽器だけれど、だからと言って、あんまり息をたくさん楽器に入れちゃうと音が壊れてしまうんだよね。感覚的に「ちょっと少なめ」の息を入れてあげると、楽器がいい感じで鳴ります。声楽も息を吐き過ぎると同じ感じで声が壊れてビリビリ言ったりガリガリ言ったりするし、高音も低音も鳴りづらくなります。
2)息の速度と音程には相関関係がある
 高音は速い息を、低音はゆっくりした息を入れないと、安定した音が出ない。声楽も、高音は速い息が必要だし、低音はゆっくりした息が必要。往々にして、声楽では高音を出そうとして、強い息を入れがちです。確かに強い息は速い息でもあるけれど、息を入れすぎてしまう事にもつながるわけで、息を入れすぎると高音は出ないからね。低音はゆっくりした息であって、決して弱い息では無いのだけれど、これも間違うと全然鳴っていない低音になってしまいます。声楽では、息の速さと息の強さがごっちゃになりがちです。そういう意味では、フルートの方が単純だし分かりやすいです。
3)出しづらい音があるが、それは倍音(響き)が解決する
 フルートで言うと、高音のミとかファ♯がそれ。ほんと出しづらいです。これを容易に発音できるようになるためには、徹底的に倍音の練習をして乗り越えるわけです。
 声楽で倍音の多い声ってのは、響きの高い声の事です。声楽でも響きを高くして歌うことが求められるけれど、これってフルートの倍音練習に通じるような気がします(間違っていたらごめん)。
4)軽く軽く発声するのが吉
 フルートも声も、軽く軽く発音するのが吉です。特に音域が同じソプラノ等は、フルート同様“小鳥がさえずる”ように歌うのが良いわけです。テノールの場合は…とても小鳥ってわけにはいきませんが、軽く軽く歌うのは大切です。
5)低音には限界がある(ので諦める)
 フルートもC管なら低音のドよりも低い音は出ません。それぞれの楽器には低音限界が決められています。声楽でも低音限界ってのはあるわけで、いくら頑張っても出ないモノは出ないのです。それは諦めるしかありません。
 高音に関しては、努力次第でちょっとは拡張できます。フルートの音域は通常3オクターブですが、努力次第では、もう少しだけ高音が拡張できます。声楽でも、それぞれの持ち声ごとに高音限界はあるわけですが、努力次第で、少しずつでも拡張できます。ソプラノとかテノールとかは、その少しの高音拡張に人生をかけて挑んでいたりするわけですね。

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。
    1)息の入れすぎはダメ
    3)出しづらい音があるが、それは倍音(響き)が解決する
     フルートで言うと、高音のミとかファ♯がそれ。ほんと出しづらいです。
    >こちらは元師匠のレッスンで吹きすぎていて両耳押さえられてしまったくらいで、今はいろいろあって個人レッスンから離れてしまいました。
    先日、某アマオケの練習で指揮者が私と違う管楽器奏者に対して、「息を入れすぎている、音になる直前の息、落っこちる直前の音を」と言われていました。
    こちらもなぜかそれを参考に、落っこちる手前でaの指使いで倍音の高音e3、hの倍音で高音fis3あたりをしばらくさらうとずいぶん楽になりました。
    元師匠曰く「フルートは3オクターブしかないから。」倍音も第3倍音と少しくらいです
    この年になってこんなことを、とおもうことがありますが、個人練習はT.WyeとT&Gのいくつかで終わってしまいます。
    個人レッスン再開に向けてさらっていますが、音出しとエチュードはどうでもなるとおもっていても、曲が決まらない今日この頃です。
    4)軽く軽く発声するのが吉
    >まさにその通りです。フルートでa3,b3,h3あたりをppで、と急に言われても音になりませんでした。
    失礼しました。

  2. すとん より:

    オペラ座の怪人の怪人さん
     息を少なめに入れる、と、息をたっぷり入れる、のどちらが楽かと言えば、そりゃあ、たっぷり入れる方です。だって何も考えなくてもいいんだもの。なのに、フルートはたっぷりがいけないわけで、そこがせつないところです。
     息をちょっとだけ入れるというのは、演奏者の立場にたって言えば、ちょっとした息を吐けない…ってわけで、これって酸欠の入り口ですよね。息は吐かなきゃ吸えないのです。そう考えると、フルート奏者って、命削って笛吹いているのかもしれませんね。

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