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昨年の最後の声楽のレッスンに行ってきた

 標題の通りです。まずは発表会の相談から。
 ひとまず次回の発表会は、今年の5月に行う事として、準備を始める事としました。まずは選曲からです。一番手間のかかる二重唱から選曲です。あれこれ考えましたが、先生には、ヘンデルのオラトリオ「陽気な人、鬱ぎの人、穏やかな人」から“As steals the morn upon the night/暁が夜に忍び込み”を提案してみました。
 世間的にはほぼ無名な曲ですし、バロック曲なので、先生的には歓迎とまではいかないまでも「まあいいでしょう…」的な感じでOKを出されましたので、次回の発表会で我々が歌うのは、この二重唱になりました。
 こんな感じの曲です。
 この曲を選んだ理由は、ヘンデルがマイブームであるという事情もさることながら、この曲、テノールの曲にしては、そんなに高くないのです。高いAが一瞬出てきますが、一瞬なので、そこはなんとかするとして、他は特に高くて無理なところがありません。なにしろヘンデルですからね。この時代の花形はカストラートであって、後のテノール的な役柄はすべてカストラートがやっていた頃なので、当時のテノールは、ほぼほぼ脇役なので、アリアにして二重唱にしても、地味な扱いで、のちの時代のテノールのような無理は強いられていないのです。
 なので、音程的な心配は特にありませんが、その分、普通に地味に難しいのです…が、そういう地味な難しさにチャレンジして、技術的な階段を一つ登る必要があるかな…と考えて、この曲を選んでみました。
 ソロ曲は…これからアリアの課題曲として学ぶ、ドニゼッティの「愛の妙薬」の“Quanto e bella/なんと彼女は美しい”が、先生から提案されました。うむ、この曲を選曲した時は、あくまでもレッスン用に選んだだけで、人前で歌うつもりはなかったので、ちょっと意外ですが、二重唱はヘンデルで私の我儘を通したので、ソロ曲の方は先生のお薦めで行きましょう。
 こんな書き方をすると、私はこの曲に乗り気でないように思われますが…実のところ、やはりそんなにノリノリってわけではないのです。と言うのも、この曲のカデンツァには高いAの長い音符があるんですよ。そこが…ね。とてもイヤなの。
 高いAは一瞬なら、何とかなるとしても、長い音符ともなると、誤魔化せないじゃないですか? つまり、きちんと高いAが発声できないとこの曲を歌うのは難しいわけです。で、今の私には、到底それは無理なわけです。そうなると、次の発表会では、またまた歌えない曲に挑むわけです。私は今までも発表会では歌えない歌に挑み続けてきましたので、それは例年通りと言えば、そうなんだけれど、こんな私でも、そろそろ自分の限界ってヤツが分かるようになってきたわけだし、常に進歩、いつでも前進ってわけにも行かないって事だって理解するようになりました。
 この“Quanto e bella/なんと彼女は美しい”を歌うという事は、高いAに真正面から挑みますってわけなのです。そして、その勝負の勝算は(今のところ)ほぼ無いと思ってます。なので、この短期間でこの曲に取り組むのは、あんまり気が進まないのが、本音なのです。
 今は高い音に挑むよりも、細かい音符をちゃんと歌うとか、より精度の高い歌を歌うとか、そういう方向で頑張る時だろうと思ってますので、無理めな高音は回避したかったなあ…というのが本音ですが、そんな甘えたことを言っていてはいけない…って事なのだろうと思います。ふう。
 もっとも、この曲で高いAに挑む事は、今年の抱負にあった「高音Aを実用音域にする」の達成に一歩近づくわけだから、その目標のために頑張る事もなります。何事も、前向きポジティブシンキングが大切だしね。後ろ向きの気持ちは捨てて、ひとまず頑張りましょう。
 そういうわけで、二重唱とアリアは決まりました。おそらく持ち時間的には、あと一曲は歌えるのではないかと思うので、もしそうなら歌曲を1曲歌う事にしましょう。でも、それはまだ今の段階で決めるべき事ではありませんので、楽しみに取っておき、あれこれ考えておく事にしたいと思います。

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