やあやあ、ようやくですがブログを再開します。お休みしていた間に、コロナ関連で世の中が大きく動きましたね。例の“非常事態宣言”って奴が発出されちゃったわけです。
最初は1都1県から始まり、そこから大都市圏に広がり、いまやその周辺地域にまで非常事態宣言が出ました。全部で…11都府県ですか? この調子では、そのうち日本全国を対象に宣言が出ちゃうかもしれません…ってノリになってます。
大都市圏に緊急事態宣言が出た事は理解できます。まあ、感染症は人が密集して暮らす地域で発生するのは大昔からの決まりなので、その事自体は妥当な事だと思いました。もっとも、今回の非常事態宣言の地域(特に周辺地域)には「人が密集? むしろ過疎地域なんじゃないの?」というところもありますが、その地域にはその地域なりの理屈と危機感があるわけですから、まあそれは横に置いておく事にしましょう。
ちなみに過疎地域は、一般的にはあれこれ不便で困っている地域と言われがちですが、こと感染症予防に関しては、そもそも人が少ない上に人の流入が少ないので大都市と比べると、かなり安全な地域となります。
さて、国等が取るべき感染症対策にも色々な方法があります。一番確実なのは、流行地とそこで暮らす人々を焼き払う…という原始的な方法です。焼き払いだね。熱による消毒とも言えますが、21世紀の現代日本では、さすがにこの方法は取れません。野蛮すぎます。せいぜいやっても、流行地とそこで暮らす人々に消毒液をぶっかけまわる…ぐらいしかできませんが、それでも現実的にはなかなか難しいです。それに相手が細菌ならばともかく、ウィルス相手に消毒液ぶっかけても、やらないよりはマシ程度の気休めにしかなりません。
となると、残る方法として、大きく分けて言えば、人々を感染ウィルスから隔離していく政策と、感染ウィルスに曝露させていく政策の二つとなります。
隔離政策は、人々の生命を守りつつ、新たな感染症患者の発生を抑え、感染者をゼロにしていくやり方で、感染者がゼロになれば、感染症に打ち勝ったと言えます。これには徹底した検査と、強固な医療体制と、人々への強い行動制限が必要となり、短期的に経済には大きく疲弊します。このやり方は多くの国で採用されていますが、なかなか成功しているとは言えません。そんな中、まずまずの成功をしたと言われているのが中国です(と中国が言ってますが…ほんまかいな?)。
一方、曝露政策は、感染症をなすがままに放置し、死ぬべき弱い人々には死んでもらい、生き残った人々で国や地域を再建していこうというやり方です。いわゆる“集団免疫の獲得”ってのが、このやり方です。これには「人はいずれ死ぬもの」という死生観が必要で、死を必要以上に悲しまないという人々の思考回路が必要です。まあ、宗教が強い地域でないと無理でしょう。人は大勢死ぬでしょうが、経済的には大きく落ち込むことはないし、老人や病弱者たちが死にますので、少子高齢化社会の解決の一つの道筋になるでしょうし、福祉対象者が減ります。ま、弱者切り捨てですね。ただ、このやり方で、成功したところは今現在はありません。一時期はスウェーデンを始めとする北欧地域で行われていましたが、やはり身の回りの人々が死んでいくのを平然と見られる人は少ないわけで、結局は政策的には日和っちゃいました(そりゃあそうだよね)。
今の日本政府のやり方は、基本的には曝露政策でしょう。というのも、隔離政策を行えるほど、医療の体制が充実していないので、曝露政策をせざるを得ないと言えます。
日本が曝露政策を実質的にしているとしても、これを明言し、強力に実行すると、有権者(実際に投票する人って考えると、日本の場合、老人が多いんですね)から見捨てられますので、形だけかもしれませんが、隔離政策を行っているフリをしています。そのフリの一つが、今回の緊急事態宣言でしょう。
曝露政策を中心に据えながら、弱者対象に隔離政策を行う…という、カッコ良く言えばハイブリッド政策を日本政府は取っているわけです。
うまくいくかな? 私はもちろん「うまくいってほしい」と強く願ってます。だって自分事だもの。私自身は死にたくないし、コロナにも罹患したくないし、一日も早く以前のような社会に戻って欲しいと思っていますから。
でもね「虻蜂取らず」とか「二兎を追うもの」とかじゃないけれど、両面政策って、なかなか効果が出ないんだよね。時間がうんとかかるもの。下手すると、幾世代もかけないと結果が見えなかったりするんだよね。
「ならば、一気に隔離政策に振り切って、ロックダウンをすればいいんだ!」
確かにこのやり方で中国はコロナの封じ込めに成功したのかもしれないけれど、日本は中国じゃないからね。あの国のような乱暴なやり方は日本では使えないって。そもそも、あんなやり方は自由主義諸国では無理だって。
イギリスなんて三度もロックダウンをしているのに、コロナは全然収まっていないよね。結局、隔離政策ってのは中国のような極端な閉鎖社会に対しては有効であっても、自由主義諸国では人々の移動の自由を完全に禁止することなんて無理だから、ロックダウンをして一時的にウィルスを封じ込めたとしても、その後外部から人が入ってくれば、即座に元の木阿弥になっちゃいます。つまり、隔離政策でも無理は無理なんだよね。
おそらく、コロナを封じ込める事は、今の私たちには出来ないのではないかと私は考えます。数世代に渡って、知恵を絞って、生活のスタイルを変えて、人間とコロナウィルスの共存の落とし所を見つけて、ようやく安定する…んじゃないかって思います。そう考えると、日本政府のやり方は、一見無為無策に見えるけれど、そんなに悪くないやり方ではないかと思うわけです(ただ、めっちゃ時間がかかるだけ)。
短期決着への残る望みはワクチンだけれど、新型コロナって、ワクチンで根絶できるようなウィルスでしょうか? そもそも、ワクチンって万能薬ではないし、副反応があるわけだし、その危険性を考えるとワクチン接種を拒む人も大勢いるだろうし。
それに新型コロナって、人間だけでなく、イヌやネコなどのペットも罹患するわけで、いくら人間たちが互いに気を使っても、イヌやネコからウィルスをもらったら元の木阿弥だよね。だって、マスクをしたイヌなんて、いやしないでしょ? 家に入る時に手指をアルコール消毒するネコもいないでしょ? それを考えると、ウィルス根絶の前にイヌ・ネコを根絶しないといけないけれど…出来ないでしょ? やっぱり隔離政策は難しいと思うわけですよ。
ま、曝露政策を続けていけば、私を始めとした、老人とか基礎疾患持ちの病人とかは、早かれ遅かれ、淘汰されていくでしょうが…でもそれで、少子高齢化社会問題が解決できるなら、それはそれで良しかもしれません。
ケセラセラ。なるようになる…ま、そんなところが今回の落とし所でしょうね。
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コメント
すとん様、お帰りなさいませ。
最近、コメントをあまり書いておりまへんが、
すとん様のブログを毎日楽しみにしている、
「オペラ座の怪人の怪人」です。
今日の、すとん様エッセイは、
ちと、過激なフレーズもあり、
正直、ちと、むかついたところもありました、
(すみません)
が、結局、言わんとなさっていたことは、
非常に合理的なご意見であって、
大変(ストンと)腑に落ちました。
ジャック・リーチャーの小説に曰く、
Hope for the best, prepare for the worst.
最善を望みつつ、最悪に備えよ。
超強力ワクチンが開発され、行きわたり、
あっという間にコロナを駆逐して、
オリンピックも開催できるのが、the best。
今後、何年もかかって、多くの人が亡くなって、
それでも、数年がかりで、コロナな収束→終息するのが、the worst。
そんな両極端の、間のどこかで、今回のコロナは終息するのでせう。
ヾ(・◇・)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ(・∀・)ノ
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
オペラ座の怪人の怪人さん、
むかつく記述もありましょうが、ご勘弁を。このブログは私の日記みたいなものなので、あまり他人を意識しては書いていません。その日その日に私が思ったり考えたりした事を、後になって読み返したら面白いだろうなあと思いつつ、書き綴っているものなんです。まあ、あまりに気になるようでしたから、その箇所だけ読み飛ばしてください(お願い)。
まあ、私もあれこれ書いてますが、本音で言えば、病気の心配をするのも嫌だし、自分が罹患するのはもっと嫌だし、オリンピックは見たいし、何の心配もなく、生の演奏会に行きたいし…と思ってます。ほんと、もっと自由に遊びにいきたいよ。
悪病退散!