イタリア語をはじめとするヨーロッパ語系の母音は、日本語の母音とどこかが違う。先生は色々と説明してくれたけれど、要は母音の響きをアゴの上の方から出すか、下の方から出すかの違いじゃあるまいか。あ、この表現は、音声学的に正しいかどうかは責任もちませんよ。でも、なんとなくそんな感じ。
結論。アゴの上…つまり鼻の下あたりから声が出れば、声楽的な母音の響きになる。そこを意識して発音すると、かなり良い。おそらく、声楽で普通に言う「響きを上にあげる」と同じことではないかしら。
鼻の下あたりを意識する…ひとまず、鼻の下に指を当てて歌ってみる。いい感じ。まるで『カトちゃんペッ!』だね、これじゃあ。
この『カトちゃんペッ!』はなかなか良いのだけれど、欠点は、これをしながらは歌えないということ。だから、鼻の下に指を置いている時は良いのだけれど、一度鼻の下から指を離すと途端にダメになる。ほら、何しろ私、日本人だから。すぐに母音が下がっちゃうんだよね。
そんな時、キング先生が「上の前歯を見せて歌ってください」と言いました。いわゆる、スマイルフェイスだね。
実は最近の私、口を無理に(笑)縦開きにしようとするあまり、下の前歯を見せて歌っていました。これはカッコわるい。これでは「口を縦開き」というよりも「口の下部を開く」って感じです。これじゃあ、母音の響きも下に下がってしまうというもの。口は自然に縦開き、母音の響きは上アゴから…。これは今の口の開き方では無理というもの。
そこで口を縦に開くことは少し横に置いて、前歯を見せるようにしてみました。ただし、前歯を見せると言っても、いわゆる口角を上げるのは、我が門下では御法度なので、口角を下げたまま前歯を見せるには……上唇をめくり上げる…のですよ。
いやあ、上唇をめくると、どうしても神経が上唇に、つまり鼻の下にいきます。これは鼻の下に指を置いたのと同じ状況です。
歯を見せるために、上唇をあげると、母音の響きが上にいく。いいね、これ。
しばらくは、前歯を人々に見せつけていくことにしました。これが癖になり、懸案の母音まで上から響くようなら、良いことなのですから。
ガンバ、ガンバ。
コメント
とても面白い表現ですね。
学生時代はちょっと音声学をやっていたのですよ。発音を聞き取って国際音声記号で書き表したり、反対に国際音声記号を見て発音したり・・・・・というようなことを研究室でやっていました。
日本語の母音は、一般的に見る英語などの音声記号とは別の記号で表されるものがあります。明らかに別の音なんですよね。でもその辺の理解と、実際に発音することが難しかったことを思い出しました。
>ねぼけうさぎさん
私のブログの記事は、基本的に私自身のための備忘録なので、時折他人が見ると「???」って記述がありますが、今日の記事もたぶんにそんな記事ですね。「アゴの上から声を出す」とか「カトちゃんぺっ!」とか「歯を見せる」とか、声楽発声のアドバイスとしては、???ですが、まあ、私自身はこれで十分分かるんですよ。
日本語とヨーロッパ語の母音って、明らかに違いますね。でも母音を発音し分けるというのは、なかなかに難しく、いついつ母国語の母音で外国語もしゃべったり歌ったりしがちで、それが何か違和感のようなものにつながってゆきます。いわゆる“カタカナ英語”というのは、それの極端なものなのではないかと思ってます。
きちんと勉強した方から見ると、なんともはや…って文章も多いでしょうが、そこは素人の戯言ってことで、笑って済ませていただけると感謝です。