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緊急事態宣言が解除されましたね

 ようやく、緊急事態宣言が全国的に解除されました。ひとまず、めでたい事です。
 一応、解除の条件として「直近1週間の新規感染者数の累計が人口10万人当たり0.5人程度以下」というのがあったわけで、神奈川県と北海道は、それぞれ0.70人、0.76人と、その解除基準を満たしていなかったけれど「まあ良し」って事で解除になったようです。西村康稔経済再生担当相は「大きくは減少傾向にあることには変わりがない」って言ったそうですが、統計的には、0.5人と0.7人って雲泥の差だと思うんだけれどねえ…。まあ、そもそも0.5人という基準にどれだけ意味があるんだいって話なので、別に0.7人で解除でもいいっちゃーいいんだけれどサ。
 何はともあれ、解除されたわけです。今後は少しずつ日常生活が戻ってくるはずです。
 で、音楽業界的には、いつからコンサートが出来るようになるか…が問題でしょうね。現時点では各種イベントについて「屋外では200人以下、屋内では100人以下」の規模のイベントは容認されるって事になってます。もっとも音楽ホール等の屋内施設の場合は「100人以下、かつ収容定員の半分以下の参加人数にすること」という条件がプラスされるし、条件的には案外厳しいんじゃないかと思います。
 例えば、ホールの定員数が1500名程度の大ホールであったとしても、今の基準では100人しか入れられないのです。当初、大ホールでコンサートを開こうと考えているプロ音楽家の方々にとっては、1500名のホールに最大100名しか入れられないのでは…どう考えても赤字公演にならざるをえないわけですから、コンサートは開けません。定員が500名程度の中ホールであっても、やっぱり上限は100名ですから、どう考えても赤字公演でしょう。
 定員が120名程度の小ホールなら100名入ればOK!と思っても、今度は「収容定員の半分以下」という条件があるので、120名程度の小ホールなら、60名が上限になっちゃうわけです。
 つまり、ホールの規模がどうであれ、今まで通りのやり方じゃあ、コンサートは赤字にならざるを得ないわけです。
 それをなんとか黒字にするためには…
 1)チケットの値段を上げる
 2)出演者の数を減らす、または共演者をギャラの安い演奏家に取り替える。
 3)グッズ販売に力を入れる。
 これらの方法が簡単に思いつきますが…どれもこれもなかなか難しいですね。
 1)チケットの値段を上げると言っても、おそらく2倍程度じゃ追いつきません。かと言っても、あんまりチケット代を高くしてしまうと、今度は購入してもらえなくなりますから、コンサートの主催者としては、ほんとジレンマだろうと思います。
 2)このやり方はかなり現実的だろうと思います。歌手のコンサートならば、極端な話、共演者をキャンセルして、ピアニストのランクを下げれば、かなりイケるでしょう。でもね、オーケストラのコンサートとかオペラ公演とか、そもそも最初から規模の大きなコンサートの場合、舞台に乗る人数なんて減らせませんから、ほんと、どうにもなりません。
 3)ポピュラー音楽の世界では常識的なグッズ販売ですが、クラシック音楽の世界では、あまり行われていませんよね。出演アーチストの名前入りのウチワとかタオルとかハッピとか、プロマイドとか握手券とか…まず無いですよね。せいぜい、CD販売ぐらいでしょうが、そもそもコンサートに来るようなファンなら、最初っからCD持ってますから、あまり売れないでしょうね。クラシック音楽の場合、せいぜい買ってもらえて、当日のパンフレットぐらいかな? でもパンフレットだって製作代がかかるので、あまり小さな規模のコンサート向けには有料パンフレットなんて作れません。つまり、クラシック業界ではグッズ販売は、あまり期待できないわけです。
 ほんと、厳しいですね。となると、後は助成金とか協賛金頼みってわけです。つまり、タニマチに頭を下げて援助してもらうってわけですが…これは常日頃からやっている事なので、コロナ禍だからと言って増えるわけじゃないです。
 厳しいなあ、ほんと厳しい。
 ホールに定員数どおりの人数を入れられるようにならないと、儲けの出るコンサートなんて難しいわけで、緊急事態宣言が解除されたからと言って、万々歳ってわけじゃ、まだまだ無いわけです。
 そういう意味では、かつての日常が帰ってくるのは、まだまだ先の話だし、一人の音楽ファンとしては、どうやって音楽業界を応援していけるのか、ちょっと考えてしまいます。

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