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門下生勉強会がありました または 実演を見よう!

 どこの門下でも門下会というものがあります。大抵は年1回程度、発表会をやるところが多いですね。まあ、飲み会や親睦会をメインにやるところもあるのかな? で、ウチの門下会は、昨年は発表会をやった(この時は入門したばかりだったので、客席で見てました)のですが、今年は勉強会でした。

 えっと、門下というのは、門下生、つまりお弟子さんとか生徒さんの意味で、私が「ウチの門下」と言ったら、キング先生を師と仰いでいる人の集まりを指します。門下会とは、門下生たちが集まって何かをやることを言います、って言葉の説明でした。

 で、今年は門下生勉強会でした。あっちこっちに散らばっている門下生たちが一カ所に集まって、キング先生(テノール)と先生の歌手仲間のM先生(ソプラノ)のお二人の歌をじっくりと聴くという会です。

 歌ってくださった曲は、いま門下生たちが勉強している曲が中心です。ただ漫然と聴くのではなく、勉強会と銘打っているので、楽譜を見ながらチェックを入れて、じっくりと聴きます。

 内容は勉強会、つまり先生方の演奏会なのですが、門下会(基本的にクローズドな会)なので、お客様も、門下な皆様と、そのご家族とかご友人とかを2~3人連れて来る程度の、ごくごく少数の身内な演奏会でした。ちなみに私は、妻と息子君を連れて行きました。

 このごくごく少数の身内な演奏会ってのが良いのです。と言うのも、相撲で言えば「砂かぶり」状態? 会場も某公民館のリハーサル室という、小さい部屋で行いましたので、本当にすぐそば、リアルに手を伸ばせば触れてしまうような近距離で、歌手が歌うのが見れる。これは本当に良い勉強会です。

 ウチの門下に限らず、歌う人の中には、音楽自体が好きで、歌うのも聴くのも好きって人もいるけれど(私がそう)、歌うことは好きだけれど、他人の演奏にはあんまり興味ないって人も少なからずいます。また音楽は好きだけれど、CDで聴く程度で、わざわざ歌手のコンサートに出かけてまでは見ません、という人もいる。

 ま、人それぞれってことだけれど、自分でコンサート等に出かけない人にとって、この勉強会は歌手の実演を見る、いい機会でした。また、私のように、ほんのたまだけれど、コンサートに出かけますって人でも、こんなに間近から演奏姿を見ることは、まずないので、これはこれで良い経験でした。

 当日のプログラムを掲載します。数字の後のアルファベットは、Kがキング先生の歌唱、MがM先生の歌唱という意味です。

   1-M)Ombra mai fu(オンブラ・マイ・フ) 私が練習している曲
   2-K)Nina(ニーナ)
   3-K)Le violette(すみれ)
   4-M)Se Florindo e fedele(フロリンドが誠実なら)
   5-M)L’alba separa dalla luce ed ombra(暁は光から:トスティ歌曲)
   6-K)Pieta Singnore(教会のアリア)
        以上、5)以外はイタリア古典歌曲
   7-M)Ah, non credea mirarti(おお花よ)~オペラ「夢遊病の娘」より
   8-K)Dalla sua pace(彼女の心の安らぎこそ僕の願いです)~オペラ「ドン・ジョヴァンニ」より
   9-M)E Strano(不思議だわ~花から花へ)~オペラ「椿姫」より
   10-K)Lunge da lei(あの人のそばを離れては~我が心の若い熱気を)~オペラ「椿姫」より
   11-KM)Parigi o cara(パリを離れて:オペラ「椿姫」の二重唱)
   12-KM)Una Parora(オペラ「愛の妙薬」の二重唱)

 なにしろウチの門下生は、一番長い人でも、まだ声楽4年生ですから、勉強会の曲目としては、こんな感じです。

 椿姫以降のプログラムは、「歌う」ためというよりも、「聴く」勉強のための曲目です。いつかはこれくらいの曲が歌えるようになれるといいですね…と言うか、M先生はヴィオレッタを得意とするソプラノさんだから、一番得意な演目を聞かせていただけたと言うべきかな? いやあ、いい耳の保養になりました。

 日頃のレッスンでも、キング先生はちょっとは歌ってくださいますが、たっぷりと歌ってくださるわけではありません(当たり前か)。それに女性の方々は、レッスンでは女性歌手のお手本が見れるわけではありませんから(これも当たり前か)、この勉強会は大切です。

 せっかく楽譜もいただいたのですが、私は楽譜は軽く見る程度で、後は、歌っている先生方をガン見してました。曲目は事前に分かっていたので、軽く予習をして曲の流れをだいたい体に入れておきました。ですから実際に、このフレーズやあのフレーズで、先生方はどんなふうに体を使って歌われるのかに注目してました。極端な話、音を聴きながらの楽譜チェックなら、CDを使ってもできます。しかし実演でなければ、体の使い方はチェックできません。

 あとは、キング先生のチェンジやアクートの声の確認かな。自宅で練習していて、この声の出し方でいいのだろうか、いや、こんな感じかな? と、最近は迷いながらの練習だったのですが、昨日の勉強会で、また一つ光が見えました。ああ、あっちの方向で声を出してゆくのねって感じです。

 いやあ、勉強になりました。実際に見てみないと、体の使い方は分かりませんもの。もっとも、見て分かったからと言って、自分はそのとおりにできるかというのは、また別問題。だけど、正解を知らずにやみくもに問題を解いても遠回りするだけで、正解を知った上で、そこに一歩でも近づく練習をした方が、より効率的なわけで、そんな感じで良い勉強会でした。

 それに声に圧倒されました。キング先生も日頃とは違って、かなりリキ入れて歌ってくださいましたし、何と言ってもM先生の美声! 本当にソプラノらしいソプラノで、とりわけ椿姫のアリアは、鳥肌が立つほど素晴らしかったです。

 それにやはり生のステージはいいです。CDやDVDで世界の一流歌手の歌は聞けるけれど、やはり機械で再生された歌声と、生の目の前で歌っている歌手のイキの良さは全く違います。科学の進歩はすごいと思うけれど、まだまだ録音は生演奏には敵いませんな。

 てなわけで、歌を学んでいるご同輩諸君! できるだけ声楽コンサート等に出かけ、実演に接しよう。不幸にも座席が後ろになってしまったら、遠慮なくオペラグラス(つまり双眼鏡)でも出して、歌っている歌手の姿を見よう。勉強になるぞ。

 時間に制約があったり、地理的および家庭の事情等で外出がかなわない人も、絶望してはいけない。次善であるが、文明の利器を使用しよう。音楽ビデオ(もちろんDVDならより良い)の鑑賞は、CDなどの耳だけ演奏よりも、ずっと勉強になる。もちろん芝居がかったオペラもいいが、ガラコンサートやリートのコンサートなど、純粋に歌に集中できるビデオの方が、より歌い方が観察できてよろしい。その際、自分と同じ声種の歌手だと、とても良いだろう。

 百聞は一見にしかず…声楽学習でも、まさにそのとおり。それを実感した、門下生学習会でした。

 企画してくださった、キング先生&幹事の皆様、ありがとうございました。

蛇足 近くのホールで、(カラオケ系の)ボーカル教室の発表会をやっていたので、勉強会の前の、ほんの少しの時間だけ見させてもらった。もちろん、勉強中の生徒さんたちの発表会なのだから、上手下手を問うてもいけないのだが、それにしても、基礎的な練習をきちんとやってもらっているのだろうか?という歌声が多かったなあ…。土台のないところに建物を立てても、嵐が来ると流されてしまうよ…と聴きながら思いました。どんなジャンルであれ、基礎基本は大切よ。

コメント

  1. Cecilia より:

    とても充実した勉強会ですね!
    私はこういう機会はありませんでした。(先生のリサイタルなどはもちろんありましたが。)
    勉強会といえば、発表会を指すことも多かったりして・・・。
    ちなみに”Ah, non credea mirarti”と”Le Violette”は私の初めての声楽発表会デビューの曲でした。
    最近”モロ・イタリアもの”から離れている私ですが”L’alba separa dalla luce ed ombra”はどこかで歌いたいなあと思っています。

    実は昨日は4月にある演奏会のためのオーディション(名ばかり)でした。
    まだ出来上がってない状態でしたが、いろいろ忙しかったし・・・と言い訳しています。
    大体1月末~2月はじめに募集をかけて、3月はじめに仕上がるわけないですものね。
    毎年出ている人はそれなりに計画を立てるものですが、今回は伴奏譜も作成しなければならず、なかなか歌とピアノで練習・・・ができませんでした。
    門下生発表会なら先生側からある程度の伴奏者を推薦してもらえたりして、当日合わせだけ・・・なんていうのはよくありますが、そうでない会でアマチュアが歌おうとする時伴奏者に困る人は多いと思います。
    これはそのうち記事にしますが。
    この会のために3月末にリハ(審査員のアドヴァイスつき)もあるんですよ。(・・・ということで3回は出て行くことになるのです。)

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん
     ”ある演奏会”の話、気になります。待ってますので、よろしくお願いしますね。
     発表会と言えば、キング先生のところではまだですが、ずうっと昔、T先生に声楽を習っていた頃に1度だけ発表会で歌ったことがあります。
     その時の曲目は、スカルラッティの「Gia il sole dal Gange(陽はすでにガンジス川から)」と、ベッリーニの「Vaga luna, che inargenti(優雅な月よ)」でした。きちんと歌えたかどうかは、すでに忘却の彼方ですが、両曲とも、もう一度トライしてみたい気分です。あの頃より、今の方が、きっときっちり歌えると思うんだがなあ…。

  3. ことなりままっち より:

    生演奏はいいですよね。
    私も自分の演奏はともかく、後輩たち(現役音大生多し)の演奏を聴くのが楽しみでした。
    自分の演奏とどこが違うのか?腕の使い方なども見ることが出来ましたが、多分これは弾けない時期が長くて、そのブランクを取り戻したいという気持ちが強い&いろいろなことが見えてきたからかなぁという気がします。

    >歌うことは好きだけれど、他人の演奏にはあんまり興味ないって人も少なからずいます

    あっ、これってピアノの場合も一緒ですよ~ん。加えて、ピアノのヤツは「ピアノの演奏には興味あるけど、他の楽器とか歌にはぜんっぜん興味ない」っていうタイプも、アリです。現役音大生でもそうです。なんて勿体無い!!ピアノ科なら伴奏のチャンスあるだろうに…
    私がこーいうタイプではないことは、すとんさんはお気づきですよね?

  4. すとん より:

    >ことなりままっちさん

     はい、お気づきです(笑)。

     私は自分の楽器を演奏することばかりに興味が向いている人は、本当にもったいないと思ってます。他人の演奏、他のジャンルの音楽、それらを聴くだけで、どれだけ自分の音楽的な幅が広がることか…、みすみすのチャンスを逃していると思います。

     特にピアノで独奏にしか興味がないのは、悲しいです。最近、ジェラルド・ムーアの著作をちょぼちょぼ読んでいますが、伴奏というのは、実に豊かな音楽活動なんですよね。日本語の「伴」奏という言葉が悪いのだろうなあ…とボーッと思ってます。

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