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私流の暗譜のやり方

 2018年現在の、私流の暗譜のやり方を書いておきたいと思います。

 まず、フルートの暗譜ですが、基本的にできません(笑)。いやあ、全然無理。フルートは、演奏するために指を動かさなきゃダメじゃない? それで、脳みそのリソースが暗譜に振り分けられないんです。フルートの演奏中は“楽譜(音符や様々な音楽記号)を見て、それに該当する動作(運指とかタンギングとか)に翻訳して指を動かす”事に、脳みそのリソースをかなり使ってしまうみたいなのです。なので、暗譜は全然無理です。

 それでもレッスンのエルステユーブンゲンは何とか暗譜しているのだけれど、あれはどうやっているのかと言うと、覚えるべきメロディを固定ドの階名唱にして、それを歌詞として暗譜しています。つまり、歌として暗譜しているわけだ。

 なので演奏する時は、脳内で歌いながら笛を吹いているわけだけれど、これが結構困難で、フルートを持っていなければ、普通に歌えるのに、フルートを持った途端に脳内のリースがフルート演奏に割かれてしまい、全然歌えなくなります。で、暗譜演奏が出来ないわけです。

 という理由で、フルートでの暗譜は、私にとって、かなり無理です。

 よく楽器の場合“指で覚える”という人がいますが、私には想像もできない事です。どうすれば、指で曲が覚えられるのだろう?

 次は声楽。もちろん、普段のレッスンで歌っているモノは、基本的に暗譜しません。暗譜するのは、本番で歌う時です。基本、歌って暗譜前提なんですね。器楽と違って、楽譜をガン見しながら演奏するって、まあありません。

 ただし、ご老人が多い市民合唱団などは楽譜手持ちが多いかな? ご老人は暗譜が難しいものね。私も年々暗譜が大変になってきました。やがて楽譜をガン見しないと歌えなくなるかもしれません。

 同じ合唱でも、児童合唱とかお母さんコーラス(いわゆる、ママさんコーラス)は、若いという事もあって、暗譜が基本だよね…ってか、暗譜どころか踊りながら歌ったりするしね。すごいなあ…。

 さて、私の声楽曲の暗譜のやり方だけれど、まず最初の一ヶ月はひたすら楽譜をガン見して歌うだけです。この段階は、メロディなどの音楽部分をクチに覚えさせる作業となります。まあ、いわゆる音楽稽古って奴です。毎日、一ヶ月も歌っていれば、たいていのメロディは暗記できますし、だいたい歌えるようになります。

 クチでメロディを覚えたら、いよいよ歌詞を覚えます。覚える時は、音程は横において、歌詞をリズム唱として覚えますが、一応、ひとことひとこと、丹念に頭から覚えていきます。1フレーズ覚えたら、それを何度も繰り返して、定着したら次のフレーズに…って感じで行きます。1日の暗記量は、歌詞にすると、だいたい1行程度でしょうか? なので、一曲をだいたい覚えるのに、2週間程度かかっちゃいます。

 で、だいたい覚えたら、その段階で楽譜を外します。当然、まだ暗譜は完全ではないので、あっちこっち歌えませんが、歌えない箇所はもう一度暗記し直します。そうやって、トライ&エラーで、歌えない箇所を潰していきます。

 この段階になると、自宅での音楽練習の時だけでなく、なんとなくボケっとしがちな、ちょっとした空き時間(例えば、道を歩いている時とか、電車バスに乗っている時とか)でも、脳内で一生懸命、歌って暗記の定着作業をします。むしろ、音楽練習で暗記している時間よりも、スキマ時間に暗記している時間の方が多いかもしれません。

 で、だいたい歌えるようになったら、今までリズム唱だったものに音程を付けて、それをクチで覚えます。ダンスや演技が必要なら、この段階で一緒に暗記します。この作業にだいたい一ヶ月かかります。こうやって暗譜をしていきます。

 なので、本番準備としては、三ヶ月程度の時間が必要なわけです。2曲覚える時は2曲同時並行で、3曲覚える時は3曲同時並行で覚えていきます。なので、1曲でも三ヶ月かかりますが、3曲でも同じ期間で覚えちゃいますし、オペラの1シーンを歌った時も、ほぼ同じ期間で暗譜できました。なので、暗譜作業に関しては、暗譜しなければならない分量よりも、暗譜作業に取り組める期間の方が、私には大切なようです。これに関しては、自分でも不思議だなって思ってます。

 実際、以前、二ヶ月ほどで2曲暗譜しないといけない時は、えらく大変だった記憶があります。やってやれない事はないけれど、二ヶ月での暗譜を大変です。やはり歌の暗譜には三ヶ月は必要なようです。

 私はこんな感じで歌の暗譜をしています。

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コメント

  1. Hiro.MTB より:

    >覚えるべきメロディを固定ドの階名唱にして、それを歌詞として暗譜しています。つまり、歌として暗譜しているわけだ。

    私も同じです。楽器を持って、繰り返し吹いて楽譜を覚えるのですが、指の動きを覚えるのではなく、固定ドの階名を脳内で暗唱しながら吹く、という練習です。

    なので、暗譜した曲を吹くときは脳内でその曲をドレミで歌っていますし、歌えない曲はそもそも暗譜で演奏できない!(笑)

    指の動きで覚えるのって、どうやってやるんでしょうねぇ?ギターのコードの押さえ方みたいに指の形で覚えるのでしょうか?ギターが弾けない私には想像の範囲外です。

  2. Hiro.MTB より:

    ただひとつ問題があって、私は絶対音感が無いので耳で聞く曲は移動ドなのです。

    なので、耳になじんだ曲の楽譜をはじめてみるときは、調の違いに面食らいます。
    (ドミソ~と耳で覚えた曲が、譜面上ではソシレ~だったとか)

  3. tetsu より:

    こんばんは。

    > 暗譜

    指揮出身の方はスコアを上段から下段まできちんと全部書き下ろせるらしいです。ピアノも全く触らないこちらはこんな暗譜はとてもできません。
    クラヲタの端くれとしては譜面なしに頭の中でテキトーに曲が流れますがその流れにまかせてという程度です。なのでループすると回復できません。最近はかなり怪しくなりました。

    >“指で覚える”

    真っ黒な音符のとき一つ一つはとても見れないので(ド現代でなければスケールかアルペジオのどちらか?)パターンで吹くというあたりでしょうか。

    失礼しました。

  4. すとん より:

    Hiro.MTBさん

     私は相対音感すら無いので、耳で覚えた曲の調には全然こだわりないです。「へえ、楽譜に書くと、こうなるのか」くらいの感想です。音感が無い事も良いことなのかもしれません(笑)。

     そう言えば、ギターのコードって、どうやって覚えるのでしょうか! 私、ギターも弾きますが(結構得意ですよ)、若い時に学んだので、コードネームを見るだけで、勝手に指が動きます。あれって、やっぱり指で覚えているのかしら? とにかく無意識に指が動くんですよね。少なくとも、私には、ギターコードは、タイピングと同じレベルで無意識です。フルートも同じレベルで指が動けばいいのですが、フルートは老人になってから始めたので、そうはいかないみたいなのです。

  5. すとん より:

    tetsuさん

     言われてみれば、tetsuさんのおっしゃるとおり、フルートに限らず、曲って、スケールかアルペジオのどちらかのパターンを、それなりに組み合わせて作られていますよね。音階とかアルペジオは、さすがの私でも指で覚えていますが、それの延長で曲を覚えると…指で覚える…という感覚になっていくのかもしれません。なんとなく、分かったような気がします(錯覚かもしれませんが)。

    >指揮出身の方はスコアを上段から下段まできちんと全部書き下ろせるらしいです。

     ってか、実際にスコアの勉強の一環として、暗譜して書き起こすってのをやる指揮者さんがいます(本人から聞きました)。それってスゲーなって思います。

     その方が言ってましたが、楽譜は画像として覚えるんだそうです。で、演奏しながら、脳内で、その覚えた楽譜をめくっていくのだとか…。みんながみんな、そういうやり方をしているわけではないでしょうが、なんか、得心のいく話でした。

  6. さーばる より:

    私はいつのまにか覚えているので一生懸命覚えたことはないのですが、しっかり練習して曲を覚えて後は耳コピするイメージなのかなと思います。

  7. すとん より:

    さーばるさん、いらっしゃいませ。お名前をご記入されなかったので、勝手にさーばるさんとお呼びいたします。気に入ったら使ってください。お気に召しませんでしたなら、ご連絡ください。

     さて、私も若い時は、暗記には苦労しなかったクチで、なんでもかんでも、いつの間にか覚えていました。「暗記術? それは何? 美味しいの?」みたいな感じでした…が、年を取ると、ほんと、覚えられなくなりました。今では意識をして頑張らないと覚えられなくなり、無意識でどんどん忘れていってしまうようになりました。

     年を取るのは、大変です(笑)。さーばるさんは、たぶんお若いのだろうと思います。若い内に覚えた事は、年をとっても忘れないので、今のうちにたくさんの事を頭の中にインプットシておくことをお勧めします。

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