今回取り上げるのは、今でも大物ミュージャンである、イエロー・マジック・オーケストラことYMOです。
この人たちも、ジュリーやゴダイゴと時代的には丸かぶりなんですが、全然かぶっているというイメージがありません(笑)。やっぱり彼らとはジャンルが違うんですよね。
YMOはアメリカからの逆輸入という形で日本の音楽ファンの間に浸透していったと思います。最初に日本中心で活動していた頃は、全然注目されず、彼らの音楽を聞く人は変わり者という扱いだったんですよ。
それがアメリカで認められたというニュースが日本に伝わり、それじゃ聞いてみようってわけで、彼らの音楽を実際に聞いた音楽ファンたちが、みんな彼らに食いついていったという感じだったと思います。食わず嫌いは音楽でもダメなんですよね。
実際、私も彼らの音楽を始めて聞いたのは、弟が友人から借りてきた、アメリカ盤の「ソリット・ステイト・サヴァイヴァー」でしたから、食わず嫌いをしていたクチなんです。このアメリカ盤は、日本盤の「ソリット・ステイト・サヴァイヴァー」と「増殖」を足した感じのアルバムで、ほぼほぼ当時のYMOのベスト盤的な感じでした。このアルバムからYMOに入れた私は、幸せだったのかもしれません。
このアルバムには「ライディーン」「テクノポリス」「ビハインド・ザ・マスク」などの世界的な有名曲も入ってますが、私の心を真っ先に掴んだのが、日本盤のアルバムで言うなら「増殖」に入っている「ナイス・エイジ」でした。とにかくカッコいいんです。
初期のYMOって、インストバンドのイメージが強いですし、実際、彼らも歌抜きの音楽で世界に勝負をかけていたそうですが、それでもたまにヴォーカル入りの曲もリリースしていました。私は…やっぱり歌が好きですから、インスト曲よりも、この手のヴォーカル曲に心惹かれちゃうんですね。
YMOの音楽は、いわゆるテクノ・ポップというジャンルの音楽で、今ではごく普通の音楽なんですが、当時としてはとても新しい音楽でした。なにしろ、当時のポピュラー音楽はビートルズの影響下にあって、ロックが音楽の主役だったんです。つまり不良たちが汗をかきながら音楽をやっていた時代だったのです。そこへYMOが登場して、オタクが汗をかかずにコンピューターを操って、音楽をするようになったのです。つまり、音楽の担い手が、不良からオタクに変わったんですよ!
で、そんなオタク音楽のYMOが、あっという間に音楽シーンを塗り替えてしまいました。今の音楽シーンは、大なり小なり、YMOの影響下にあると思います。そういう意味では、世界の音楽を変えてしまった偉大なグループでしたと言えるでしょうね。
YMOの実質的な活動期間は、約7年です。これってビートルズの活動期間とほぼほぼ一緒なわけで、世界を変えてしまうようなバンドって、それくらいしか持たないって言えるのかもしれません。
蛇足 この「ナイス・エイジ」という曲は、当時、大麻不法所持の罪で逮捕されたポール・マッカートニーへのメッセージとして書かれた曲だという事です。まあ、ポールとYMOは共にクリス・トーマスというプロデューサーさんにお世話になっているわけで、この二組が知り合いでも何の不思議はないのだけれどね。
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コメント
こんばんは。
> ナイス・エイジ
YMOのこの曲は初めて聞きました。David Bowie – Heroes へのオマージュのように聴きました。リズムとテンポは同じです。(ってこのパターンがどこでそのように使われているか、他の曲を知らないだけですが)
https://www.youtube.com/watch?v=lXgkuM2NhYI
失礼しました。
tetsuさん
新ブログでの最初のコメント、ありがとうございます。
さて、YMOの「ナイス・エイジ」とボウイの「ヒーローズ」の関連性ですが、私が思うに、おそらく直接的な関連はないのでは…と思います。それよりむしろ、両者ともに、当時ヨーロッパで大活躍したクラフトワークの影響を受けているのではないかと思われます。
時代的にちょっと後になりますが、クラフトワークのヒット曲「電卓」を聞いてみると、あの時代のあのリズムが時代的に尖っていたんだなあって事が分かります。ちなみに、クラフトワークはドイツのミュージシャンですが、この曲では(ほとんど聞き取れませんが)日本語で歌っています。あの時代、日本語で歌うのがカッコよかったと思われます。色々なヨーロッパ系の歌手が(ほとんどヒットしてませんが)日本語で歌ったり、歌詞の中に日本語を取り入れたりしています。
https://www.youtube.com/watch?v=oJ3UsKwvXHs