私はカーペンターズのほぼリアルタイムのファンです。とは言え、その全盛期ではなく、ちょっと盛りを過ぎたあたりでファンになった“遅れてきたファン”という立場です。初めてリアルタイムで購入したアルバムが「パッセージ」ですから、推して知るべしという感じです。
私とカーペンターズの出会いは、私の友人が「もう聞かなくなったシングル盤があるから、それをあげるよ」と言って、幾つかもらったシングル盤の中にカーペンターズの「オンリー・イエスタデイ」「シング」「トップ・オブ・ザ・ワールド」があって、この3曲にぞっこんハマってしまった私は、その年の誕生日に母親にねだって、カーペンターズのベストアルバム(それも2枚組:笑)を購入してもらい、以来、しばらくの間、カーペンターズ漬けになっていたというのが、彼らの音楽との出会いなんです。
カーペンターズの何が良いかと問われれば、まずはカレンの歌声です。深いアルトの声に魅せられました。当時の女性歌手は洋の東西を問わず、基本的にソプラノですから、アルトというだけで、強い個性であったわけです。
そこに、分厚くて美しいハーモニーとみごとに調和の取れたバッキングが加わります。今まで聞いたことのないような丁寧で緻密な音楽に惹かれたのです。ひとつひとつの音が美しくて、その美しい音たちの積み重ねられた音楽は、決してパワフルとは言えなかったけれど、精密な感じがしました。
彼らの売りは、カバー曲で、古今東西の有名曲を彼ら流にアレンジしなおして演奏するの魅力でした。で、多くの場合、オリジナル曲よりも魅力的に仕上げるのだから、もう無敵です。この手法は、ロックではなくジャズのやり方なんですよね。そういう意味では、いかにもアメリカンな音楽製作をしていたわけです。
彼らのデビュー曲である「涙の乗車券」は、原曲はビートルズですが、それをカーペンターズは、ちっともビートルズっぽくなく、全く自分たちのオリジナルのように演奏してしまうのだから、そりゃあもう、素晴らしいのひとことです。
こっちがビートルズの「涙の乗車券」
で、こっちがカーペンターズの「涙の乗車券」
ね、すごいよね。これ、デビューしたての19歳の歌声とは思えません。
そんなカーペンターズですが、彼らの活動期間も、10年とちょっとでお終いです。メインヴォーカルのカレンが拒食症で死んでしまったのです。カレンがいないカーペンターズなんてありえませんからね。一時期、娘のミンディをメインヴォーカルにカーペンターズを再結成した兄リチャードでしたが、それも長続きはしませんでした。やっぱり、カーペンターズはカレンの歌声あってのモノなんでしょうね。
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コメント
カーペンターズと言えば「シング」ですね。
小学校の頃、友達に誘われて入った部活動の「トランペット鼓隊」で演奏していた曲です。
最近の子供達は「シング・シング・シング」を略して「シング」と呼ぶので紛らわしいです。
略すな!とは言っているのですがね。(´Д`)
reyusさん
>最近の子供達は「シング・シング・シング」を略して「シング」と呼ぶので紛らわしいです。
あー、気持ちは分かるけれど、確かに紛らわしい。
カーペンターズの「シング」と言うと、アルバム『ライブ・イン・ジャパン』で歌われた、日本語版の「シング」が好きです。
♪ Sing, 歌おう。幸せが来るように。
大きな声を出し、恥ずかしがらず。Just sing, sing a song.
こんな感じだったかな?