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これからフルートを買おうと思っている人へのアドバイス その1

 アゲハを購入するにあたり、私も色々と勉強しましたし、色々と考えました。反省もしました。それらのことをまとめてみたいと思います。これからフルートを買おうと思っている人の参考になればいいと思うし、最近の私は忘れっぽいので、色々考えたことも忘れてしまいます。それじゃあ、もったいないので、フルート購入の際の注意点を、次のフルートを買う時のために、ここに書いておきま~す……なんてね、ははは。

 書き始めたら、長くなってしまったので、これは連載記事にします。全4回のつもり(うわー、長い!)で、気が向いたときにアップしますので、よろしく。

 参ります。

フルートの先生に相談してから買いましょう

 楽器の目利きもできない親や伴侶と二人だけで楽器屋に行っても、ボラれて分不相応な楽器を買わされたり、安さに目をが眩んで楽器の形をしただけのおもちゃをつかまされたりするだけです。納得して、分不相応な楽器を買ったり、楽器の形をしたおもちゃを購入するなら問題はないのですが、そのつもりはなかったのに、そんなものを手に入れてしまうと、悲劇以外のなにものでもないですからね。

 特に『最初の一本目』を買おうと思っている人は、要注意です。楽器屋に行く前に、フルートの先生に相談した方がよいですし、これから先生について習おうと考えている人は、楽器を買う前に入門しちゃった方がいいと思います。

 先生にしても相談された方が、実は有難かったりするみたいですよ。だって、初心者が何も分からずに、変なものをつかまされた日には、その面倒は先生が見ることになるんだから、最初からちゃんとしたものを買って欲しいと、先生なら誰もがそう思っているみたいです。

 また、何年かやっている人は別の心配があります。それは『努力不足を楽器のせいにしてないか?』という問題です。楽器を買い換えれば今抱えている問題のすべてが解決するような気がする…はい、その気持ち、よく分かります。

 でもね、それは本当に楽器のせいですか? 本当に楽器に不備があるなら、すぐさま買換えた方がいいに決まってます。でも、実際はどうなんですか? そこを判断するのも先生の役割です。楽器買換えに逃げてはいけません。まずは楽器の調整です。メンテをきちんとしましょう。次に現在の愛器でできるだけのことをしましょう。その先に、楽器の購入があると思います。

 もっとも、コレクター属性のある人は、そういうのとは関係なく、ドンドン笛を買っちゃいましょう。それがひいては、日本経済を、世界経済をまわすことにつながるかもしれませんから(笑)。「今の笛に飽きちゃったから買い換える」…大人ならアリだと思います(大笑)。

お店を選びましょう

 それに、フルート選びにはお店選びも大切な点です。どのお店が良いか? それもなかなか分からないものです。そんな点も含めて、フルートの先生にまずは相談です。それができない人でも、最低限、フルートを趣味にしているお友だちぐらいに相談くらいはしましょう。

 では、お店選びのポイントは…何と言っても、フルートの在庫量。お店にフルートがたくさんなければ、選べないじゃないですか。選べなければ買えないでしょ?

 え? カタログを見て、注文すればいい? フルートって、マンガを買うのとはわけが違うのよ。注文をしても、すぐにお店に品が届くとは限らない。お店に届くまで何カ月も待つなんてのはザラよ、ザラ。下手すると、一年後、二年後に品が届くことだってあるわけよ。それでも注文する? でしょ。それに注文ってことは、実際に吹かずに購入することになるわけだし、それも怖いよね。だから、まずは現物がきちんとおいてあるお店に行きましょう。

 フルートを買う時は、調整修理、つまりリペアのことも考えて買いましょう お店にリペアマンがいるといないじゃ大違いだよ。フルートは買ったら買いっぱなしというわけにはいかず、定期点検が必要な楽器だから、その辺の対応の有無も要チェックね。

 あと、当然だけれど、近くのお店がいいと思う。できれば自分の生活圏内にあるお店がベスト。ま、東京で買った私が言うのもなんだけれど、フルートを一回買ったら、その店とは当分縁が続くわけだから、フットワーク軽く通えるようなお店の方が良いと思うよ。私はアゲハのためなら、片道1時間の電車でお店に行くことを覚悟しました。でもできれば、もっと近くのお店でもよかったのにとも思いました。(でも、先生がその店に行け、っておっしゃったんだから仕方無いね)

買う時期を選べ

 フルートは高いです。だからこそ、購入時期を選びましょう。ほんの少しの割引率の違いでも、元値が高いので、結果は大きく違います。同じ予算でも、購入時期を選べばワンランク上のグレードのものも買えます。同じ金額なら、グレードの高い方の楽器が欲しいでしょ? だから、買う時期を選びましょう。

 具体的に言えば「フルートフェア」とか「管楽器フェア」などの期間中に買うといいでしょう。

 フェアをいつやるかは、お店に尋ねれば教えてくれますので、どんどん聞いちゃいましょう。一般的に春先、新学期の頃は、どこの楽器店も、ブラスバンド部の新入部員をあてこんだフェアをやるところが多いですから、気をつけてみるといいでしょうね。

高価なフルートが良いフルートとは限らない

 フルートの素材にはいくつか種類があり、その素材ごとに値段が違います。また製造方法にもいろいろな違いがあり、そこで価格差が生じます。

 だから高価なフルートが必ずしも良いフルートとは限らず、高価なフルートは高価な素材を使っていたり、手間のかかる製造方法で作られているにすぎません。高価な素材で手間隙かけたからと言って、必ず良品が生まれるわけではないことくらいは、大人の皆さんなら御承知だと思います。

 まず素材の違いに着目するなら、値段の違いよりも音色の違いに着目です。フルートは素材が変わると、まるで別の楽器のように音色が変わります。素材の違いは練習や腕前では乗り越えられません。そこのところをわきまえ、自分の好みの音色を出してくれる素材のフルートにしましょう。ただし、標準的なフルートの素材は銀ですから、ある意味、総銀のフルートが標準的な存在だとは言えます。また現在、多くのプロ奏者は金でできたフルートを多用しています。そういう点から考えるなら、金のフルートは今時の流行りだとも言えます。

 また、日本の工場の技術力をなめてはいけません。大量生産品をバカにしてはいけません。安いフルートのほとんどは大量生産品ですが、実にしっかり作られていますので、実用品レベルの話なら、何の問題もありません。ただし、楽器に実用品以上のものを求めるならば、職人技に頼るしかないでしょう。その場合は“ハンドメイド”の楽器を購入です。

 あと、音楽ジャンルによって、多少フルートの選択も変わってくるかもしれません。クラシック一辺倒なら、やはり総銀やゴールドのフルートになってしまうかもしれませんが、マイク使用前提のポピュラー系ならば、洋銀の音の方がマイクのとおりもよいので、却って良いかもしれませんよ。

 もし考慮に入れるとすると、素材によって、吹き込むのに適切な息の量とか強さとか速さのようなものがありますので、その辺を一考に入れても良いかもしれません。

 洋銀は、はっきり言っちゃえば、楽に吹けるし、楽器も軽いので、入門者や体力に自信がない人にお薦めです。その一方で、すこし強めに吹いていると、すぐに限界点に達してしまうので、息の強い人には向かないかもしれません。真鍮は軽いけれど、吹くのが楽とは言えません。おまけに、すぐに限界点に達してしまうので、この音色を好む人ならともかく、そうでなければ、かなりやっかいな素材だと思います。銀や金は吹くのが大変ですし、だいたい楽器も重くなります。そこの壁をクリアできれば、ダイナミックスの幅を広めに取れるので、クラシック系には良いかもしれません。当然、一部、銀を使った洋銀フルートは、その中間的な性格になります。

 ですか、安い楽器だからと言って卑屈になる理由はないし、高い楽器だからと言って威張るのも変な話です。用途や自分の体力によって、良いフルートは変わります。フルートなんて、ゴールドフルート以外は、遠目で見たら区別つきません。洋銀もプラチナも見た目は一緒。メーカーの違いなんて全く分かりません。そこで高いの安いと言っても、何も始まりません。要は、あなたが吹いた音がすべて。だから、自分がいい音で音楽できる楽器が良いフルートなんです。

 話が長くなってきたので、続きはこちらでお願いします。

コメント

  1. くろねこ より:

    そうそう。仰る通りです~。
    でも私は分不相応な楽器を注文してしまいました。。。
    頭部管銀に金メッキというフルートを試奏して、同じ作りでの総銀を注文したのですが、
    試奏用の楽器もちゃんと吹けない状態で注文したので、どうなるのかかなり不安。
    すとんさんの記事を読んで、(愚の骨頂かも・・・)と苦笑いしてしまいました。

    吹いてみて、音が出ないかも。いや、多分出ないだろうなぁ。と予想しています。
    そうなったら、アルテスの最初から出直す覚悟です。
    その前に頭部管修行が必要かも(^^;
    全然吹けそうにない楽器なんか注文しちゃってどうするのさ?と言われそうですが、それを吹きこなせるようになる過程を楽しみたいので、自分的には全然問題ありません。
    あと半年ほどで届く予定。待ち遠しいです。

  2. すとん より:

    >くろねこさん

     分からずに“分不相応”な楽器を買うことが問題なのであって、分かっていて“分不相応”な楽器を購入するのは“チャレンジ”と言います。だから問題ありません。

     かく言う私も、そういう意味では“分不相応”な楽器を買ってチャレンジ中ですから(大笑)。

     それに、自分の手に余るフルートを吹きこなせるようになる過程…楽しいですよお。毎日の生活が、それだけでワクワクしますよ。半年後が楽しみですね。

  3. Homeward Bound より:

    すとんさんへ

    Homeward Boundです。私のブログへの早速のコメントを有難うございます。こちらこよろしくお願いします。

    楽器の選定の記事、「なるほど、なるほど」と頷きながら読ませていただきました。私も分不相応な楽器を購入して、結局それは売り飛ばしてしまいましたが、今、一本だけ「手に余る」楽器があって、悩んでいます。鳴らせないので、滅多に触りませんが。

    70年ほど前のオールドフレンチです。値段はとっても安かったのですが・・・それもそのはず、「誰が吹いても鳴らない」から、安かった。しかし、私の師匠は「お買い得、とっても個性的な音でいい楽器ですよ」と、その言葉を信じて買いましたが、未だに鳴らせません。師匠が吹くとよく鳴るので、壊れてはいないと思うのですが。それにかなり手をお金をかけて、修復したので。

    師匠曰く「売るときがあったら私が買いましょう」と、その言葉を信じて、いつかは鳴らせるように。しかし、単純な奏法の問題ではないようで、悩んでいます。

  4. すとん より:

    >Homeward Boundさん

     例の洋銀ソルダートのフルートのことですね。洋銀のフルートって「誰でも鳴らせる」というイメージがありますが、オールドフレンチともなると、そんなわけにはいかないのですね。

     楽器なんて演奏してナンボってところがありますよね。私だったら…どうするかなあ? 気に入っているけれど鳴らせない笛ですよねえ。意地になって鳴らせるように努力&練習するかな。でも、努力も限界があるからなあ…。本当に自分に余るなら、師匠に引き取ってもらって、たまに師匠の演奏で聴いてみるとか…。でも、それじゃあ、自分のコレクター魂が納得しませんよね。

     ああ、趣味の世界って、理屈で割り切れないところがあって、難しいですね。

  5. あゆみ より:

    こんばんは。

    すとんさん、よーく研究してますねー。ホントこれからフルートを買い換えたい人が知っておいた方がよいことがたくさん書いてあって感心してしまいました。

    コメを読んでいて・・・鳴らない笛ってあるんですねー、びっくりした!

  6. すとん より:

    >あゆみさん

     お誉めいただき、毎度あり!って感じです。こんな調子で、あと3回は掲載する予定です。というわけで、よろしく。

  7. 通りすがり より:

    だいぶ前の記事のようですが、立ち寄ったので
    足跡を残しておきます。

    私の楽器は今から何年前だ?
    今47歳、小学5年生は10歳?11歳?
    だから36年くらい前のムラマツM95(頭だけ銀)
    当時7万円〜8万円程で買ってもらった楽器が
    今でも現役で吹ける状態に。
    大きな音は出ないけど、なんだか素朴な音がして
    相当気に入っています。

    20年程ブランクがあって、思い立ってくすんだ楽器を自己整備。
    あぶらとり紙くらいの隙間レベルまでタンポの隙間を調整して
    楽器だけは現役復帰。
    4ヶ月程1日も休まずロングトーンとスケールの練習を
    繰り返してとりあえず音だけは私のレベル(低レベル)で現役復帰。

    さー準備は整った。
    そんなに難しい曲でなければできるようになるまで
    繰り返し反復練習すれば・・・・なので
    特に習いに行く事は考えていませんが
    楽器の演奏ができるって楽しいですよね。
    「ボケ防止」になるし。

    古い楽器を引っ張りだして現役復帰させた真の理由が
    「ボケ防止」というよこしまな理由でした(笑)

    「10回でできなかったら100回、100回でできなかったら1000回、1000回でも無理なら1万回繰り返せばそのうちできるようになる。」
    そんなのんびりした考えで楽しんでいます。

  8. すとん より:

    通りすがりさん、あけましておめでとうございます

     新年、一発目のコメントを感謝します。

     ボケ防止…とても大切な動機だと思いますよ。実際、フルートは指10本使って演奏するので、ボケ防止にはとても良いと思われます。先生に習う必要はないと思いますが、ぜひ合奏をするチャンスは数多く作ると良いと思われます。と言うのも、合奏って、自分勝手なペースでは演奏できないでしょ? 他人のペースに合わせて演奏するってのが、これまた“ボケ防止”には良いのだそうです。

     ちなみに、私は、他人と一緒の合奏・合唱がとても苦手だったりします。きっと、早くボケるタイプなんだろうと思います。

    >10回でできなかったら100回、100回でできなかったら1000回、1000回でも無理なら1万回繰り返せばそのうちできるようになる。

     これ、ある意味正解なんですよね。要は“出来るようになるまで頑張れば必ず出来るようになる”って事なんですが、人はなかなか出来るようになるまで頑張ることができなくて、途中で諦めてしまって、結果として“出来ない”んだそうです。

     ああ、私も今まで、数多くの事を諦めて、投げ捨ててきました。新年早々、反省。

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