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高音発声のコツ(2019年12月版)

 昨今、高音Aが常用音域化してきた私です。なので、今現在の高音発声のコツを書いておきたいと思います。これは今現在の私が感じている事なので、将来的に否定するかもしれないし、間違っている事を書いているかもしれませんが、そこんところはご勘弁よろしく。
1)軽く歌う
 とにかく、軽く歌わないといけません。重い声はカッコいいのですが、重い声で高音を出すのは至難の業です。重い声で高い音を歌っている人もいますが、あれは生まれつき、そういう特別仕様の楽器(声帯)を持っているだけの話であって、同じような楽器でも持っていない限り、簡単にマネできるモノではないのです。残念ながら私の楽器は、平凡な楽器なので、重い声のまま高音を歌う事はできません。それを無理無理重い声で歌ったところで、高音は出せないのです。
 ひとまず好き嫌いは横に置いて、自分の楽器の特性に応じた発声をしないといけないのです。
 で、私の場合は、軽く歌う…具体的に言えば“弱音で歌う”です。ボリュームダウンですね。ただ、腹筋での支えはしっかり入れた上での弱音です。これが今までの私が苦手としていた事だったんですね。ここを克服してきた事で、高音が発声できるようになったのではないかと推察しています。
2)ノドはユルユルで
 いわゆる声楽用語で言えば「脱力」ってヤツです。とにかく、力まないで歌います。意識的には「ノドをユルユルにする」感覚です。今までは、高音だと思うと、ついつい無意識にノドに力が入り、声帯がガチガチになっていましたが、それじゃあ百万年経っても高音は発声できないのです。
3)アゴは開く
 アゴは上下に2つあります。下アゴは真下に開く…と言うか、落とします。これは以前から出来ていたと思います。
 もう1つの上アゴは真上に持ち上げます。具体的に言えば、軟口蓋を上に持ち上げるんだと思います。この動作が、最近まで意識的に出来なかった私です。今はようやく神経がつながったようで、上アゴの上げ下げを意識的にできるようになりました。これで高音が発声できるようになったんだと思います。
 ただ、上アゴを持ち上げる動作は、かなりシンドイし、まだまだ疲れがちです。おそらく筋力が不足しているんだろうなあと思います。今後、上アゴの筋トレをして、もっと軽々と上アゴを持ち上げ続けられるようにしたいと思ってます。そうする事で、もっと長時間高音の発声が可能になるし、もっと高い音程の音だって歌えるようになるかもしれませんからね。
4)腹筋で息を上に送る
 息を上に送っていくのは、以前からY先生に注意されていました。その際の注意点として、息を送るエンジンはノドではなく、腹筋に置かないといけません。腹筋から息を送っていく事で、ノドに余計な負担をかけずに済み、結果として、ノドをユルユルにできるわけです。でもね、ちょっと前まで、おそらく腹筋だけでなく、ノドも使って、息を送っていたんじゃないかなって…思います。それじゃあ、高音発声は無理だよね。
5)音程は高低差で考えず、音色差で考える
 「高い!」と思うと、緊張して、無意識に力んでしまいます。人間って、そんなモノです。なので、緊張しないために、高音を「高い音」であるとの認識を捨て、音色(声色)で認識するようにしました。音程を音色で捉える事で、高音発声が楽になったような気がします。
 これって、おそらく、私だけの感覚かもしれませんが(笑)。
6)出ないモノは出ないと諦める
 出ないモノは出ない!…これって大切な感覚だと思います。出ないモノを無理に出そうとするから失敗するし、それ以前の出るはずの音まで緊張で出なくなります。どこまで高音が出るかは、自分がどんな楽器を持っているに大きく依存します。
 よく合唱とかで「低音は限界があるけれど、高音は努力次第でいくらでも出る」と言われますが、あれは嘘だと思います。確かに高音は努力次第で、今まで出なかった音が多少は出るようになるかもしれませんが、それはあくまでも無限に出来るようになるわけではなく、元々のその人の楽器が出せる上限の音程までは努力次第で出せるようになる…ってだけの話で、誰でも彼でも高音が出るようになるっていう、都合の良い話ではありません。
 「隣の彼がHi-Cを出しているんだから、僕も頑張ろう」と思ったって、そもそも僕の楽器がHi-Cを出せる楽器じゃなければ、徒労に終わるだけです。ただ、自分の高音の上限は、ある程度訓練をしていかないと分かりません。そういう意味で、高音を目指して努力していく事は大切だし、そうしなければ一生高音発声は無理でしょう。でも、限界はあるんです。そこも知らないといけません。
 出せる範囲の音を無理なく出していく。そうして、無理を止める事が、実は高音発声の上達につながっていくと思います。無理はいけません、無理はノドを力ませます。
 高みを目指して努力する事は大切ですが、常にそれが叶えられるわけではないのです。高みを目指しながらも、今出せる音を磨いていく事の方が、実は大切なのではないかと思います。
 今の私は、こんなふうに考えているんです。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    こんにちは。
    巷では高音を裏声(ファルセット)で鍛えるというのがあります。
    裏声を使っている内に実声で出るようになるとか?!
    ブログ主さんは裏声では高いところは出せるのでしょうか?
    どうでしょう?

  2. すとん より:

    通りすがりさん
    >裏声を使っている内に実声で出るようになるとか?!
     だと良いですね。すくなくとも私は、今の所無理です(笑)。
    >ブログ主さんは裏声では高いところは出せるのでしょうか?
     以前の私は、高いところも低いところも、そもそもファルセット(裏声)での発声に困難を覚えていました(ノドに力が入っているとファルセット発声が出来ないのですよ)が、今の先生に代わって以来、ファルセット発声もできるようになったんですよ。
     少し前にファルセットでどこまでいけるか試した事があります。その時は、Hi-Esまで行きました。おそらく、ファルセットを使えば、アルト音域の歌が歌えると思います。なんちゃって、カウンターテナーとして、遊びで歌っちゃいますからね。
     今は、もう少し上まで出ると思いますので、どこまで出せるのかな? なんちゃって、ソプラニスタくらいできたら面白いなあ(笑)。
     マッテウッツィというテノールさんは、実声でHi-Fを歌っちゃいますので、実声は無理でも、せめてファルセットでHi-Fを出せたらいいなあ…なんて妄想しております。

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