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吹き直しをする?しない?

 他人の演奏を聞いていると、ちょっと気になるのが、吹き直しです。演奏中、どこかでヘマをすると、演奏を止めて、少し戻って改めて演奏し始めるってヤツです。まあ、一般的にはピアノ用語の“弾き直し”を使うのが普通かな? まあ、ピアノなら“弾き直し”だろうけれど、フルートなら“吹き直し”だよね。
 で、これはフルートとかピアノとかに限らず、器楽系の発表会とか演奏会で、たまに見かけます。声楽では…歌い直し?…は、まず見かけません。
 で、なんで気になるのかと言えば、私は吹き直しをめったにしないからです。
 「めったにしない」…つまり、たまにするんでしょ? はい、たまにします。それはレッスンの最中に、うっかり演奏が止まってしまった時に、止まったところからやむなく始めます。でも、これは弾き直しが目的ではなく、演奏が止まってしまったために、やむなく演奏を再開するための弾き直しなわけで、まずは演奏を止めない事が最大限の目的だと思ってます。
 そう、私は「ミスのない演奏」よりも「音楽を止めない事」を優先しています。これは声楽でもフルートでも同じ事で、まずは音楽を止めない事を最優先しているのです。だから、音楽を止めない以上、吹き直しは基本的にありません。たとえミスブローがあっても、そのまま進めますし、ミスブローのおかげで音楽的な整合性が崩れたとしたら…作曲してでも前に進みます。まあ、そうなると大抵、H先生が演奏を止めますけれどね(笑)。とにかく、演奏が止められる/止まるまでは、ガンガン前に進んでいくのが、マイスタイルなのです。
 「レッスンの時に吹き直しをするなら、本番でも吹き直しをするんでしょ?」 いえいえ、レッスンの時は、演奏の正しさもある程度考慮しますので、音楽がやむなく止まってしまったら、諦めて正しい演奏をし始めるわけですが、本番やそれに準じているような場面では、絶対に音楽は止めません。もし、止まっても、力ずくで再開します。ビートを外さずに、何食わぬ顔で演奏を続行します。
 これは前のフルートの先生の笛先生に徹底的に仕込まれた事で、今も私の骨髄にまで染み込んでいます。なので、私は基本的に吹き直しはしないのです。
 でも、そんな私は少数派なのか、知らない他人の器楽系の発表会を見に行くと、吹き直し/弾き直しを、結構見かけます。おそらく、先生が演奏の正確さを重んじる方で、ミスをしたままで音楽を進めるのをヨシとしない方なんだろうなあって思います。
 常に正しさを心がける演奏と、常に前進する事を最優先にする演奏。どちらが正しいのか私には分かりません。まあ、結論は「ミスなく正しい演奏で最後まで演奏する事」でしょうから、どちらが早く結論にたどり着けるようになるかって話なだけだと思ってます。
 とにかく、私は常に前進する事を心がけていきたいと思ってます。

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コメント

  1. たっけー より:

    フルート吹き親父です。すとんさんのおっしゃることは100%正しいと思います。大指揮者チェリビダッケだったと思いますが、”間違えも音楽なり”と言ってました。音楽が瞬間芸術であるならば、吹きなおしはしないのが当たり前(フルートの先生に吹きなおしをさせる方がいるのは驚きです)と思います。間違っても、そこから吹き始めるなりして、前には戻らないのが音楽ではないでしょうか?

  2. すとん より:

    たっけーさん
     以前、吹き直しをさせる某先生に学んでいる方に、なぜ吹き直しをするのかと質問した事があります。その方の先生は、間違いを癖にさせないように、必ず正しい演奏で終えるようにするために吹き直しをさせるんだそうです。まあ、間接的に聞いたので、あまり正しくないかもしれませんが…。
     いつもいつも間違ったまま音楽を止めずに演奏していたら、その間違いが定着してしまう恐れは十分にありますので、そういう指導法も分からないでもないです。それに演奏者が自分が間違っている事に気づかずに演奏している可能性だって無いわけじゃないですから、指導者としては、間違った演奏の時は演奏を止めて、吹き直させるというのは、実は当然の話だと思います。
     ただ、客前演奏で止めちゃダメだし、伴奏者がいたり、セッションメンバーがいたりする場面で演奏を止めちゃうのもダメだと思います。要はTPOが大切って話になるのかもしれません。

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