さて、歌のレッスンに入りました。まずは、ベッリーニ作曲の「Per pieta, bell’idol mio/私の偶像よ」です。
この歌には、結構たくさん符点のリズムがあります。そういう符点をきちんと意識してリズムを若干強調する感じで歌っていく事が大切です。私の場合、意識が薄くなると、だんだん符点が弱まって普通の8分音符のリズムになってしまうのです。ダメですね。
歌になっても、軟口蓋を上げて歌うことを意識しながら…は続きました。母音によって、軟口蓋の上げられる高さが違うので、そこも意識しながらです。
音程の上昇は軟口蓋の上昇であると思うこと。だからと言って、音程の下降は軟口蓋の下降ではなく、頑張って現状キープをし続ける事なのです。高音は、息の勢いに頼らずに、軟口蓋の高さ(つまりは声帯の張りだね)で勝負する事。軟口蓋を上げて、クチの奥を開いて、その開いた箇所に息を流し込んで、高音を出す…って感じです。
音程の甘さは、支えの弱さだと思う事。音程がふらつくとか、音が下がりすぎる等、これらもすべて支えの弱さから来ると知る事。
息をたくさん吹きすぎるとノドに来る。息は適量が良いのであって、足りないと感じる時は支えを強くして、息のトルクを上げていく事。
臨時記号については要注意です。臨時記号が付いている音は、音階外の音だから、きちんと意識して出すこと。意識しないと、すぐにズレてしまいます。この歌の最高音は、G[E:#x266D]だけれど、私の場合、気を抜いて歌ってしまうと、ついつい(音階内の音である)Gで歌ってしまいます。半音も高い音をムリクリ出して…ほんと自業自得ですね。
ひとまず、これでベッリーニは終了です。ここで学んだベッリーニの6曲の歌曲は、時折思い出して復習をして、レパートリーとしての定着を目指します。万が一、どこかで歌わないといけないチャンスがあっても、このレパートリーがあれば、20分程度なら、なんとかなるわけです。
さあ、次回からは、シューベルトの「美しき水車小屋の娘」だ。
今回のレッスンはまだ続きます。次はビゼー作曲の「Agnus Dei/神の子羊」です。
この曲はスローテンポという事もありますが、歌う時は常に楽譜で、次の音を目視して意識しながら歌う事。また、高音も叫ばずに柔らかく歌う事(ただし、ファルセットはダメです)。
この曲をどう歌うか、先生と相談しました。この曲は「Agnus Dei/神の子羊」というタイトルから分かる通り、歌詞はラテン語でミサ曲の一種です。で、この曲を純然たる摺動局として、あたかもバッハの曲(つまり古楽ですね)のように歌うか、あるいは時代性を考慮してロマン派の曲として歌うか…です。
私は、現代という時代を背負って歌っていきたいと思っている人なので、この曲は、現代的な視点から見たロマン派の歌曲として歌っていくことにしました。まあ、古楽は苦手…という事情もあったりするわけなのですが? いや、ほんと、どちらを選ぶかで、歌い方って、極端に変わるんですよ。
この曲の最高音はA[E:#x266D]なのですが、息の流れさえ順調なら、割と楽に歌えます。歌詞も短くて繰り返しが多いし、この曲も、ベッリーニの歌曲同様にレパートリーにしていきたい曲です。
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コメント
こんばんは。
> 古楽は苦手…
こちらもその通りです。
> さあ、次回からはドイツ歌曲だよ
古楽風シューベルトの歌曲のリサイタルはディスカウやヴンダーリヒの録音になじんでいるこちらにとってショーゲキでした。
R.シュトラウスやワーグナーのオペラはロマン派風のスタイルしか聴いたことないし他にありえないとおもうのですが最近は事情が変わってきているのでしょうか。
先日、藤村実穂子のマスネ/ウェルテル聴いてきましたが、ロマン派オペラはいいですね。
オペラ業界はモーツァルトあたりまで古楽風でない演奏が普通に聴けるのはうれしいです。
失礼しました。
tetsuさん
まあ、オペラは基本的にエンタメですから、古楽風というのはありえないです。本来、古楽に範疇に入るだろう、ヘンデルやそれ以前の作家のオペラも、カストラートの代わりにズボン役のメゾを使うくらいが古楽風と言えますが、演出を含め、その他の部分は、全然アカデミックな古楽とはかけ離れた世界のモノですよん。
きちんと勉強していくと、音楽にはその時代その時代のスタイルがあるので、それに合わせて演奏していくのが、アカデミックな演奏ってわけで、勉強としては、それらも学ぶ必要はありますが…趣味で歌っているのだから、別にその時代のスタイルに合わせずに、自分の好きなように歌うのもアリかなっと個人的には思っている私です。
ただ、プロの方々は、きちんと勉強をした上で演奏しているのですから、今の演奏と、往年の名演奏家の演奏とは、おのずと違ってきます。まあ、どちらが好みかは、人それぞれの好き好きですけれど…。
昨今の歌手は、たとえシューベルトでも、当時の演奏習慣に従った演奏を心がけるようですよ。