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人はなぜ、嫌いな音楽を悪く言うのだろうか?

 誰にでも好き嫌いはあります。音楽好きと言っても、ジャンルによって好き嫌いがあって当然です。なにしろ“趣味の問題”ですから。

 演歌大好きな人がいれば、ジャズが大好きな人がいます。演歌もジャズも好きな人もいれば、演歌は好きだけれどジャズは苦手という人がいる一方、演歌は嫌いだけれどジャズ命という人もいます。

 ロックが好きな人がいれば、いわゆるポピュラー音楽が好きな人がいます。アイドル歌謡が好きな人もいれば、童謡や唱歌が好きな人だっています。

 クラシック音楽という狭い範囲に限っても、交響曲大好きな人もいれば、ピアノ命の人もいるし、私のように歌が好きという人もいます。

 複数のジャンルの音楽が好きという人は珍しくありませんが、たいていの人には、好きな音楽がある一方、苦手な音楽も存在するものです。

 私個人の話をすると、私は割と万遍なく色々な音楽を好む人間ですが、それでも正直苦手な音楽はあります。

 例えば、私、交響曲は苦手です。それでも、モーツァルトとかハイドンとかベートーヴェンは聞きますし、ベルリオーズは大好きだし、ブラームスもようよう聞きます。苦手なのは、ブルックナーとかマーラーとかシベリウスあたりからです。まあ、いわゆる後期ロマン派以降の交響曲が苦手なんですわ。

 なんで、苦手なのかと言えば…長いから。聞いているうちに飽きちゃうんだよね。あと、メロディーが無いから。私にとって音楽ってのはメロディだから、メロディの無い交響曲はどうしたって楽しめないんです。それに交響曲って、音楽として混沌としているでしょ? そういう混沌とした、よく分からない音楽ってダメなんだよ。

 …って、ほら。嫌いな音楽って事で話を始めると、こうやって、結果的にその音楽をディスってしまう事になりがちです。別に自分としては、その音楽が苦手な理由を、悪意なく言っているつもりでも…客観的に見れば、単なる悪口でしかありません。

 そもそも、私が交響曲が苦手な理由なんて、理由にすらなっていません。

 私は最初に、交響曲は“長いから苦手だ”と言ってますが、長い長いと言っても、特別に長いヤツを除けば、交響曲なんて、1曲、60~90分程度の長さです。私が大好きなオペラで言えば、せいぜい1幕分です。オペラと比べれば、確実に交響曲の方が短いのに、オペラは大好きで、交響曲が苦手なんて、スジが通ってません。

 メロディが無い…なんて書いてますが、メロディの無い音楽なんて、基本的にはありません。ただ、交響曲の場合、歌や協奏曲のようなソリストがいませんので、どの楽器がメロディーを奏でているかが分かりづらいだけで、交響曲ファンの方は、そこを分かっているので、交響曲の中でもメロディーを感じているわけで、私なんてのは、単純に交響曲に不慣れで、どの楽器がメロディーを演奏しているかが分からないので“メロディーが無い”って言っているだけで、実際はメロディーが無いのではなく、私がメロディーを見つけられないだけなんです。

 交響曲は音楽として混沌としている? それこそ言いがかりで、交響曲に慣れていないだけの話で、交響曲を聞くコツのようなモノが分からず、どうをどうやって愉しめばいいのかが分からなくて、そういった迷いの状態を“混沌としている”と言っているだけで、実際のところ、混沌としているのは音楽ではなく、聞き手である私の方なんです。

 こうやって、苦手な音楽の話をすると、話している側は、冷静に「なぜ私はその音楽が苦手なのか」と話しているつもりでも、軽くその音楽をディスっているわけだし、難癖を付けてしまっているだけなんです。

 悪いのは音楽ではなく、聞き手の方なのにね。

 だから、客観的に聞けば、嫌いな音楽に関して語るって事は、その音楽の悪口を言うことになりがちです。たとえ、悪意が無くても、上から目線になりがちで、その音楽のファンからすれば、不愉快な物言いにしかならないわけです。

 なので、自分が苦手なモノには、あえて触れていかないってのが、本来、吉なんだと思います。だから、このブログには、交響曲の話って、ほとんど出ないでしょ?

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。

    > メロディの無い交響曲

    え~~~って感じです。
    オペラは次々にメロディが変わってしまいますが交響曲はテーマのメロディとその展開と繰り返しなのでオペラよりわかりやすいしなんとなく覚えやすいです。

    > 苦手なのは、ブルックナーとかマーラーとか

    ブルックナーとかマーラーはFMでカセットテープに録音して繰り返し聴いていた時期があります。
    フランスものみたいに楽器で音色を使いわけていないので、ベタなメロディが変化をつけながら続きます。
    何となくは憶えていて次はこうなると勝手に予想しながら聴いてしまいほぼ予定調和の世界です。

    例えばマーラーの交響曲第9番の第4楽章はメロディははっきりしていますが内声の動きとか音のぶつかりが大好きです。好き嫌いはあるかもしれません.

    https://www.youtube.com/watch?v=2fodc2T-upk
    Mahler: Symphony no. 9 (VSO/Horenstein, 1952)

  2. すとん より:

    tetsuさん

     いやいや、交響曲にメロディーがある事は理解していますって。そして、交響曲の良さも理屈としては理解していますって。ただ、楽しめないだけ(笑)。だって、長いんだもん(大笑)。

     おっしゃるとおり、交響曲って予定調和の部分があります。そこを楽しめるかどうかなのかもしれません。

     たぶん、私は単純に、人間の声が好きなんだろうと思います。でも交響曲って、一部の曲を除くと、声を使わないからね。そこが私の好みとは違うんだろうなあって思ってます。

  3. ショウ より:

    自分が嫌いなものは他の人は好きかもしれませんね。宗教と似たもんで、他のものを貶めるとろくな事にならないのかもしれませんね〜

  4. すとん より:

    ショウさん

     好きなものを褒めちぎるのは誰もが得意ですが、嫌いなものをディスらずに「それ嫌いです」と意見表明をするのは、難しいのだと思います。

     かくいう私も、今日(2/26)の記事で、ネトレプコが嫌いと書きましたが、なんとかディスらずに書いたつもりですが、ストレプコのファンの皆さんの気分を害してやしないかと心配だったりします。

     なので、やっぱり、嫌いなモノは話題に上げないのが一番かもしれません。ほらほら、触らぬ神に祟りなし…でしょ?

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