スポンサーリンク

ベートーヴェン、モーツァルト、バッハ

 確か、NHKの「らららクラシック」の再放送(?)を見ていた時の話だから、少し前の話題になりますが、音楽界最強の作曲家は誰かというお題が出ていて、その結果は…

 1位 ベートーヴェン
 2位 モーツァルト
 3位 バッハ

 …でした。ああ、いかにも学校の授業で音楽習いました…って答えだなって思いました。

 まあ、ベートーヴェンが素晴らしくないとか言うつもりはないし、そもそも「最強の作曲家って何?」とか思わないでもないけれど、まあ“すごい作曲家3人をあげろ”って意味なんだろうなあって思うわけです。

 たぶん、これって、ドイツ音楽しか聞かない人の感想なんだろうなあって思いました。

 客観的事実として、ベートーヴェンってロッシーニに負けた作曲家でしょ? 事実、同時代に活躍した二人だし、当時はロッシーニは大人気で、ベートーヴェンはなんとかしてロッシーニの大成功にあやかりたいモノだと頑張って「フィデリオ」とか書いたけれど、全然ロッシーニの足元に及ばす、もちろん人気も及ばず…で、成功しすぎたロッシーニは、37歳で音楽家を引退して(つまり“勝ち逃げ”)、以降は稼ぎすぎたお金を浪費する生活を75歳まで過ごした人で、少なくとも、ロッシーニはベートーヴェンよりも“強い作曲家”だと思うよ。

 そんなロッシーニを差し置いて、ベートーヴェンがランクインというのは、とても納得いかないわけです。

 ロッシーニはイタリア音楽じゃん、そんなの学校じゃ習わないから無視無視…と言うならば、じゃあワーグナーはどうなのよと問いたいです。ワーグナーを忘れちゃダメでしょ? ルードヴィヒ二世にノイシュヴァンシュタイン城建てさせたワーグナーは強いよ。作曲家として、かなり強いよ。それに音楽面で言っても、クラシック音楽って、ワーグナー以前とワーグナー以降に分かれると言っても過言じゃないわけで、そんなワーグナーをランクインさせないチャートなんて、信じられないわけよ。ライトモチーフ、なめんなよ。

 ワーグナーと言えば、同時代の大作曲家であるヴェルディはどうなのよ? そもそも、ヴェルディの「椿姫」を聞いたことがある人なら分かってもらえると思うのだけれど、ヴェルディがイタリア人だからと言って、最強ランクに入れないとしたら、信じられない愚行でしょ? それともイタリア人に対する人種差別でもあるのかしら?

 まあ、モーツァルトは孤高の天才だし、バッハは宗教音楽というジャンルのトップだから、ランクインはまあ分かります。でも、ベートーヴェンを入れるなら、ロッシーニはどうしたって話になるし、ロッシーニを入れるんなら、ヴェルディやワーグナーはどうなんだといいたいわけです。

 いやいや、それ以前に、最強の作曲家と言ったら、ポール・マッカートニーを外していいのかって疑問が沸々と湧き上がってきます。最強の作曲家という意味が“大成功した作曲家”という意味なら、ポールこそが最強でしょ? 人類最強の作曲家でしょ?

 そもそも、作曲家のトップ3を選ぶなんで、誰もが納得しないお題なんだよね。特に、ベートーヴェン、モーツァルト、バッハの順位には納得しない私です。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村 音楽ブログ 大人の音楽活動へ
にほんブログ村

コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。

    > 確か、NHKの「らららクラシック」の再放送(?)

    サムラゴーチ宣伝の放送局の音楽番組を真に受けるのかとビックリです。あの後別件でサムラゴーチベタボメの方が出ていたのもショーゲキでした。

    > ロッシーニ

    他人様のブログですが、スタンダールの「ロッシーニ伝」の記載があります。この本は残念ながら読んでいませんが引用部分だけで妙に納得してしまいました。こちらはロッシーニは序曲集だけです。
    https://blog.goo.ne.jp/j_iyeda/e/17ec05edad95285e438c4cda15e203f3

    ワーグナーの歌劇は長すぎるのでジークフリート牧歌@吉田秀和です。

    > ベートーヴェン、モーツァルト、バッハ

    世界三大一覧
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%89%E5%A4%A7%E4%B8%80%E8%A6%A7

    では、「基本的に日本で考案されたもの」らしくてへ~~~っです。
    クラシック業界ではブラームスのためにハンス・フォン・ビューローが宣伝したドイツ3大B(バッハ、ベートーベン、ブラームス)があります。ブラームス自身はバッハ、ベートーベン、モーツァルトを評価し勉強していたようです。
    こちらの聴く頻度ではこの3人に限ればベートーヴェン > モーツァルト > バッハです。ベートーヴェンのピアノソナタや弦楽四重奏曲は大好きです。

    > 音楽界最強の作曲家

    最強の意味がわかりませんし、拘る必要さえ感じません。ってここまで書くか。

    失礼しました。

  2. すとん より:

    tetsuさん

     3大Bに反応します。

     あれはブラームス大好きなハンス・フォン・ビューローが言い出した事だけれど、やっぱり無理があるなあって思います。別にブラームスをディスるつもりは全くありませんが、要するに“ワーグナーVSブラームス”という図式が当時あったそうなのですが、ブラームスはワーグナーよりもずっとずっと素晴らしいのだよという事で、3大Bを言い出したそうですが…、要は人気者のワーグナーに対して、なんとか人気で追いつき追い越せを目指したブラームス側の広報戦略だったそうな。

     ちなみに、現在の3大Bは、ブラームではなく、バッハ、ベートーヴェン、ビートルズなんだそうです。さもありなん。

  3. ドロシー より:

    すとんさん、こんにちは

    明治時代の日本人の作曲家はドイツやオーストリアに留学していました。日本に西洋音楽を教えた雇われ外国人もドイツ系が多かったのではないでしょうか?
    どうして、イタリア系は来なかったのか、といえば、外交とか当時の情勢などの要因があった様子です。
    それが、ドイツ系の作曲家の知名度が高くなる原因かもしれません。
    声楽だったら、「ドイツ語大変」という人はプロアマ関係なくいますが、器楽曲だったら言葉の壁もなく誰でもBGMにできるものも多いから敷居は低いですしね。

    >”最強の作曲家” “大成功した作曲家”
    そもそも「成功」って、何を持っていうのでしょうか?
    金銭面だったら、モーツァルトよりもサリエリの方が収入はあったらしいですし。あと100年たったら今は聞いたこともないバロック時代の作曲家がものすごく有名になるってことだってあるかもしれません。
    私が考える”最強の作曲家”は山田耕筰だと思います。よく小学校で音楽の教科書に載っている顔写真に落書きしている男の子がいますね。(笑)

  4. すとん より:

    ドロシーさん

     サリエリって、今じゃあ忘れられた音楽家だけれど、当時は大人気だったそうですね。私は何曲かサリエリの曲を聞いたことがあるし、オペラも見た事があります。今の視点で見ると、実に様式的で、ある意味、モーツァルトよりもモーツァルトっぽい音楽なんですよ、意外でしょ? その上で、ちゃんとマーケッティングを考えて作られている…的な?

     おそらく、これだけモーツァルトの音楽がブイブイ言わせている以上、サリエリの復活って、難しいかなと思いますが、日本はともかく、ヨーロッパではたまにサリエリの曲もコンサートで演奏されるそうで、決して忘れられた音楽家ではないので、いつの日か、ブームがやってくるかもしれません。それこそ、100年経ったから、有名作曲家に復活していたりして(笑)。

     あと、最強作曲家の一票は、私も山田耕筰に入れたいと思います。激しく同意ってす。

  5. tetsu より:

    こんばんは。

    > ベートーベン

    しつこくてすみません。
    最近吉田秀和の「私の好きな曲」のベートーベンop.131とop.111とか「ベートーベン覚書」を読み直しました。10代の頃読んでベートーベン好きになって、今もほとんど変わっていないのはビックリです。
    読んだ本とか聴いた曲の個人的な感想とかどうでもいいといえばどうでもいいのですが。でも好きなんですよね。

    失礼しました。

  6. すとん より:

    tetsuさん

     ベートーヴェンって、ほんと、ファンが多いですよね。おそらく、クラシック作曲家の中では、一番人気だろうと思います。もっとも、それだけの人気者ですから、当然アンチもいるわけですが…。

     ベートーヴェンの場合、楽曲の素晴らしさはもちろん、彼自身の生い立ちや人生もまた人気の理由だと思います。

     それに、オペラを始め、声楽曲が得意ではなく、主に器楽曲で活躍した事は、日本人には好まれる原因だろうと思います。今も昔も、日本人には外国語アレルギーがありますから、声楽を中心に活躍している作曲家は、実に人気ないですからね。

     かく言う私も、やはりベートーヴェンの交響曲は好きです。特にクライバー(息子)が指揮をしている曲は大好きです…って、ミーハーですね(汗)。

タイトルとURLをコピーしました