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裏でなくても、設定は大切です

 さらにさらに声楽のレッスンの続きです。二重唱「A Dutiful Wife/従順な妻」の練習に取り掛かりました。

 裏設定…と言うほどでもないのですが、やはりキャラクター設定は大切ですね、と言うところから始まりました。

 この曲は二重唱なので、まずは歌っている二人の気持ちと、二人の関係性が、この歌の歌い方に大きく影響を与えます。ナタリー(女性:ドイツ語版だとヴァレンシエンヌ)には夫がいます。それなのに若い男性であるカミーユから好意を寄せられているわけです。それが嬉しいのか、迷惑なのか? カミーユにしても、心の底からナタリーを愛しているのか、それとも単なるアバンチュールなのか? もっと言えば、カミーユは若者なのか? それとも単なるバカなのか? それとも世間知らずのボンボンなのか? そういう設定によって、二人の関係性が決まり、それに伴って歌い方が変わってくるのです。だから、設定を決めておく事は大切な事です。

 音楽的な事を言うと、まずはリズムが難しいです。ノリが難しいです。リズムが難しいのは、20世紀の音楽だから仕方ないのです。でも、いわゆるクラシックな曲にはないリズムがジャンジャン飛び出しますので、そこは一つ一つ正確に行かないとね。音程も難しいですよ、だってクラシックな曲では使わないようなコード進行の部分がたくさんあるし、音階以外の音が普通にメロディで使われているし…ね。

 さらに、ノリは…たぶん分かりません。だって、舞台はフランスでも、音楽はウィーンの音楽だからね。ウィーンのノリは、ウィーンで暮らさないと…体得できるものじゃないでしょうね。

 高音のHは…今の私だと胸声ではまだまだ歌えませんので、ファルセットを使いますが、私はなるべく胸声との差をなくそうと、可能な限りの太めのファルセットを使って歌ってましたが、先生曰く「細めのファルセットの方が音程を当てやすい」との事なので、まずは細めのファルセットで音程を当てたら、そこから声質を太めにチェンジしていく事にしました。ちなみに、Hの次に続く高いAは、頑張って胸声で出します。

 そして問題は…ハモリの箇所です。互いにそれぞれ自分のメロディを歌っている時は良いのだけれど、女性がメロディで、男性がハモリパートになると…途端にメロメロになるのが私です。だって、私はメロディ以外は歌えない人だからね。ハモリパートを歌っているつもりでも、いつのまにかメロディを歌っちゃう人だからね(ダメじゃん)。ああ、ハモリ、苦手だな。

 …ってわけで、ハモリパートの練習をしました。妻は(メロディを歌うので)もちろん問題ないわけで、主に私のための特訓タイムとなりました。いやあ、難しい難しい。20世紀の音楽なので、フレーズの歌い出しの音が、和音の中に無かったり、ピアノ伴奏の中に無かったりするわけで、私にすれば高度な音取り能力が要求されているわけで、いやあ、大変対戦。なんとか音が取れるようになりましたが…たぶん、次のレッスンまでには忘れてしまうような気がします。で、ハモリパートにばかり時間を使ってしまったので、本日はここまで!となってしまいました。

 「メリー・ウィドウ・ワルツ」とか、妻の歌う「ヴィリアの歌」とかあったんだけど、そこまでレッスンしていただく時間が足りませんでした。なーむ。

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