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テノールなんだから、バリトンっぽいやり方はダメです

 5月の上旬、GWが開けた直後に、声楽のレッスンに行ってきました。

 発表会の曲を『メリー・ウィドウ』に決めた私たちですが、実はまだ練習は始めていません。で、練習を始める前に…という事で、先生と確認をしました。それは“R”の発音をどうするか? ザックリ言えば、あまり巻かない英語(イギリス英語)にするか、巻き巻きの米語(アメリカ英語)にするか、どちらかに統一しましょうって事です。

 実は私と妻は、それぞれ英語を勉強した環境が違います。彼女はイギリスの知的な階級の方々にもまれながら英語を勉強してきたので、話す“英語”は英語です(って分かる?)。一方私は、FEN(現AFN)を聞いて育った人なので、ガチガチの米語なんですわ。私が米語で、彼女が英語なので、発音がアレコレ違うのですが、特に顕著に違うのが“R”の巻き方なのです。彼女はあまり巻きませんが、私はこれでもか!ってぐらいに巻きます。まあ、英語の発音と米語の発音は他にも色々と違うので、二重唱をするなら揃えましょうって事になりました。

 で、どうするか…って話ですが、そりゃあもう“英語”に統一ですわな(涙)。だって、お上品だもの。『メリー・ウィドウ』はお貴族様たちのお話だからね、それを米語で歌ったらヘンでしょ?って話です。そりゃまあそうだけれど…。

 私も頑張って英語で歌いたいと思います。

 さて、レッスンです。ハミング練習は、上アゴを開く、顔を開く、腹筋で支えるに集中して行いました。

 発声練習は、今回も筋トレ中心で行いました。毎度毎度言われている事なのですが、私の場合、声の重さに較べて内筋が弱いんだそうです。だから、やるべき事は、声の重さにふさわしいくらいに内筋を鍛えていくのか、内筋の強さに合わせて声を軽くしていくのか…なのです。可能なら、楽だし、将来性もあるのが、声を軽くして歌う方が望ましいのです。でも私、声を軽くして歌うのがなかなか苦手なんです。ついつい重めの声で歌ってしまう私なんです。そんな感じで重い声で歌い続けるのなら、筋肉を鍛えるしかないじゃないですか…って話になるわけです。

 一般的に、声って加齢に伴って重くなるんですね。私もいい年ですから、軽い声で歌えないのは仕方ないのかもしれませんが、この歳で筋トレってのも結構厳しいです。

 さらに言えば、筋トレ筋トレと言っても、インナーマッスル(呼吸筋)の筋トレだから、なかなか難しいのです。いわゆる筋トレってのは、カラダの外側の筋肉(アウターマッスル)を鍛えるわけです。ダンベルやバーベル、通常の腹筋運動などで鍛える事のできる筋肉は、アウターマッスルです。しかし、声楽で必要なのはインナーマッスルですから、これらのやり方では鍛える事はできません。

 じゃあどうするか? 私が必要としている腹筋は、インナーマッスルの腹筋であり、いわゆる呼吸筋ですから、呼吸をすることで鍛えるわけですが、日常生活の中での呼吸をいくらしても鍛えられないわけですから、日常生活以上の負荷をかけた呼吸を行うことで腹筋を鍛えるわけです。

 まあ、意図的に深くて速い呼吸をする事で呼吸筋を鍛えるわけです…って、マジに呼吸をすると、過呼吸になりますから、そこは呼吸運動だけを行って、ガス交換としての呼吸はそこそこにしないと倒れてしまうわけです。結構危ないのですよ。だから、レッスンで行うわけだけれど、本当は自宅でもやった方が上達も速いんだよねえ…。

 それに加え、音程の上昇のテクニックがバリトン的だと注意されました。まあ、先生(バリトン)を無意識に真似てしまったようで、そこはテノール的に音程を上げていかないとダメですよって事です。

 音程を上昇させるテクニックとは、声帯をひっぱって行うわけですが、その引っ張り方が、テノール(高音歌手)とバリトン(低音歌手)では違うわけです。それは、それぞれの声(音色)が違うためです。バリトンはノドを広げていく感じで声帯をひっぱるのに対し、テノールは口蓋垂を引っ張り上げる感じで声帯を広げていくのです。もちろん、テノールにせよバリトンにせよ、どちらか一方だけ行えばいいってわけではないし、とりわけテノールが限界ギリギリの高音を出す際は、口蓋垂を引っ張りつつ、ノドを拡張していかないとダメなのですが、主にする動きが口蓋垂なのかノドなのかは音色の関係もあるので、大切なんだそうです。

 今の私にとって、口蓋垂を持ち上げるよりもノドを広げる方が楽なので、ついつい楽な方向に流れてしまったわけですが、自分の声の特徴を考えるならば、あえて面倒な方をメインにやらないといけないってわけです。

 面倒面倒と避けてばかりいたら、いつまでも出来るようにはならないわけです。そこはあえて、困難な道に進んで苦手克服をするところなのだと思います。頑張りましょう。

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