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最後の音合せに行ってきました その2

 通し稽古をしたところで、クタクタになった我々は、一端、休憩を入れました。お茶をガブガブ飲んで、お菓子をバクバク食べて、たわいもない世間話をしたら、再び音合せという名の直前稽古です。

 一度、通したので、今度は返しです。返しと言うのは、通した時に「あれ?」と思った部分だけを取り出して、重点的にやり直してみる事です。今度は後ろの方から逆の順番でやってみる事にしました。

 ですから、返しの最初は第4幕の後半です。ミミとロドルフォの二重唱部分は、我々に任せる事にして“che avvien!”とショナールが飛び込んでくるところから返すことにしました。

 歌う時は、誰が誰に向かって歌っているのか、これが客に伝わらないといけません。だから、ちょっとしたフレーズでも、それが客に伝わるようにしないといけないのですが、そのためには、まず歌手自身が、自分の歌が誰に向かって歌われているのかを知らないといけないのですが、何と言っても我々はアマチュアですから、歌うのに一生懸命で、なかなか誰に向かって歌っているのか…が抜けちゃうんですよね。ですから、そこを一つ一つ確認してみました。

 また、私が泣く演技も、音楽の邪魔にならないように、すすり泣きをしていたのですが、ヨーロッパでは人前で鼻をすするという行為は禁忌であって、絶対にしない行為なので、すすり泣きはアウトという事になり、その代わり、声を上げて泣くという、私達日本人があまりしない泣き方に変えました。私自身、声を上げて泣いたことは(たぶん)無いので、ちょっと困っていますが、頑張ってやってみたいと思います(自分の中にない行動をするのは、やっぱり難しいです)。

 ミミが死ぬシーンも、私は、死にゆくミミの死んだ所を見ないために、早めにベッドサイドから離れてみたのですが、それではロドルフォが薄情に見えるというので、死ぬギリギリまずベッドサイドにいて、本当の直前に枕元から立ち上がるという演技に変えました。

 最後のロドルフォのセリフ劇の部分は、ロドルフォの視線の先が演技では大切になるのですが、それがあやふやだったので、ひとまず“che voul dire”からマルチェッロの“coraggio”までは、マルチェッロを見ることにしました。

 “Mimi!”と二度叫ぶシーンは、一度目は死んでしまったミミに向かって、二度目は(演劇的に)客席に向かって叫ぶ事にしました。

 とにかく、ミミが死ぬシーンと、ロドルフォのセリフ劇の部分は、何度も何度も確認しました。ある意味、全編の要だからね。

 たぶん、動き的にはこれで大丈夫…なはずです。問題は、本番の舞台は練習会場よりも、うんとうんと広いので、同じ動きでも、あれこれ違ってくるというところでしょうか? とにかく、それらは当日、舞台に上がってからではないと、分かりません。

 第4幕の前半部は返し無し。第3幕はミミの入れ替わりの部分の確認。ミミがスムーズに入れ替われるようにしました。

 で、第1幕は芝居がないのだから、返しは当然ないだろうと思っていたら、第1幕は全体的にもう一度やりましょうという事になりました。芝居がないのに返しがあるとは…それだけ音楽的に面倒なんだというわけですね。

 というわけで、やっとボエームの直前練習が終わりました。ヘトヘトになった我々ですが、ゲスト出演のK先生は歌い足りないようで、直前練習後の休憩の時間に、数曲アリアを歌ってくださいました。いやあ、なんか悪いよねえ。無料でプロの歌を聞くなんて、贅沢なものです。

 ボエームの音合せが終わったら、今度は各自のソロ曲の合わせが待っています。順番に行うのですが、我々の順番まで一時間以上の待ち時間があったので、近くのファミレスで夕食とお茶をしてきました。

 ソロ曲は、当然、チレア作曲の「E’la solita storia/ありふれた話(フェデリコの嘆き)」です。前回のレッスンで、上アゴを開けるというテクを学んだのですが、まだまだ実戦配備がうまく行かずに、やっぱり高いAは2回とも、失敗してしまいました。どうしても、声が割れてしまうんだよねえ。

 先生曰く「覚悟のしすぎ!」なんだそうです。私も、そう思います。次は高いAが来ると思って覚悟をして、力が入りすぎて、ノドが硬く締まり、それで声が割れてしまうのですね。いやあ、リラックスは難しいです。ノドを締めないためにも、上アゴをしっかり開けていきます。また、高いAのフレーズの前で、一度お腹が緩むのが確認されたのですが、そこはずっとお腹をゆるめずに歌ってみる事に修正してみました。いやあ、まだまだ本番に向けて、万全ではない私です。本番で、ちゃんと歌えるかしら?

 あと、出だしのフレーズのリズムを確認しました。プロの方々は、フリーテンポで歌っていますが、私はアマチュアなんだし、ちゃんと楽譜通りに歌った方が良いので、リズムの確認をしたわけです。

 さあ、これでレッスンやら合わせやらは、すべてお終いです。次はいよいよ、発表会本番です。乞うご期待!

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コメント

  1. アデーレ より:

    羨ましいなー。オペラ名場面再現のような、演技付き?声楽コンサートなんて、、なかなか、そんな面倒見の良い先生、いませんよね?あー、羨ましいー。やはり先生次第だなあ、声楽って。他の楽器より先生の力量がもろ問われますね。ヤル気があればいくらでも拡がる声楽。。適当にもいくらでも出来るしね。先生が歌曲歌いとオペラ歌いでもまた、違うでしょうね。あと舞台経験かな、、。いいなぁ、すとんさんの先生!

  2. すとん より:

    アデーレさん

     オペラの名場面を歌うと言うのは、先生次第の部分も確かにあるけれど、それよりも門下の構成メンバーの方が影響大きいと思いますよ。

     多くの声楽門下では、生徒さんって、ほとんどソプラノしかいないでしょ? いても、ソプラノが9人いたら、メゾが1人いるかいないかだし、男性なんてほとんどいなかったり、そもそも男性お断りだったりするわけじゃないですか?

     オペラをやろうと思ったら、男性がある程度いないと難しいですよ。

     愛の二重唱を歌うなら、テノールが必要だし、オペラの場面なら、テノール1人と、バリトン2~3人は必要になります。テノール1人ぐらいなら、助演でプロの方を頼めば良いけれど、オペラの場面を歌うとして、男性全部を助演にしたら…発表会の参加費用が、バカ高くなっちゃいますよ。

     そもそも、門下に男性メンバーがたくさんいないと、オペラはできないのです。ウチは今、全体の人数は少ないけれど、男女はほぼ半数いるし、すべての声種が揃っているからオペラができるわけです。

     それと人数だけいても、オペラを歌えるだけの力量あるメンバーが揃っていないと、これまた難しいです。いやほんと、オペラって、音楽的に難しいんですよ。アリアが難しい事はお分かりだと思うけれど、アリア以外の部分が案外難しいんです。それに暗譜する分量も半端無く多いしね。それらの条件を門下のメンバーがクリアする必要があります。

     なので、先生次第と言うよりも、門下の構成メンバー次第…だと思います。

     アデーレさん、いっそ、ウチ来る?(笑)

  3. アデーレ より:

    うわ〜〜。すとんさんに誘われちゃった(笑)嬉!!レッジェーロなんで、姫役か女中になりますが、いつかお仲間になりたいかも(笑)目標に頑張りますわ〜〜(笑)すとんさんとなら、愛妙が良いな(笑)だって、楽しそうでしょ!アディーナ練習しときますか(笑)

  4. すとん より:

    アデーレさん

     愛妙ですか、それは目の付け所が良いですね。愛妙は、まだまだやっつけないといけないアリアもデュエットもあって、私も勉強をしている最中です。いずれは、全曲制覇したいと密かに狙っている曲でもあります。

     いいね、愛妙、いいね。

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