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姿勢を良くして、ハッタリをかまそう!

 ええと、通常の土曜日は、金魚の記事をアップする日ですが、現在、私の音楽環境が急変しておりまして、色々な事が積み重なっておりますので、今日は金魚はお休みして、通常の音楽お稽古記事をアップします。

 と言うわけで、声楽のレッスンに行ってきました。

 今回のレッスンも前回同様、前の方々のレッスンに乱入して、そのまま私のレッスンに突入というパターンでした。それにしても、ウェルディの椿姫の二重唱「パリを離れて」という曲は、実にうっとりするほどに素晴らしい曲ですねえ…。私もあの曲を歌ってみたいですよ。そのためには、もう少し高音が得意にならないとダメ…かな?

 さて、私のレッスンです。最初は発声練習から。今回は、徹底的に長二度の練習でした。

 正直に言って、私は音程が苦手。音程の何が苦手かと言うと、音程を意識的に微妙に操作するのが苦手なんです。つまり“音程をコントロールするメモリが大雑把(爆)”なんですよ。だから「今の音をちょっとだけ高くして」と言われると、それを意識的に行うのは苦手なんです。この場合の「ちょっと」とは、ほんのちょっとの事ね。半音どころか、もっともっと細かい音程の差の事です。それを意識的に調整するのが、苦手で、ついつい、ちょっとのつもりで音程を変えると、うんと音程が変わってしまうか、あるいは全く変わらないかの、二者択一なんです。ダメですね。

 これが意志的的でなく、伴奏に合わせて~とかなら、なんとかなると思うんですがねえ…。ま、つまり、音感がないって事なんだろうな。

 私の場合、音程の切り換えと言うか、カラダのどこをどう使うと、自分の声の音程が上がったり下がったりするのか、実は意識されていません。なんとなくのイメージでやっていますので、結構アバウトです。だから「ちょっと高く~」とか言われると困るのね。「ドレミと歌ったのをドミミで歌って」なら、階名唱からイメージできるから歌えるんだけれど、ちょっと高くとか、ちょっと低くは、対応しきれません。

 そんなんだから、音程が甘いのでしょう。

 でも、分かんないものは分かんないんだし、できないものはできないんだから、仕方ないです。ただ、いつまでも、分からない/出来ないじゃダメだろうから、どうにかして、その手の事を、アバウトなイメージではなく、体内の筋肉運動で捕らえ直して、意識的に音程の切り換えができるようになりたいものです(今後の課題だな)。でなければ、音程を意図的に細かく操作することなんて無理だものね。

 で、発声練習で長二度をやったのですが、先生がおっしゃるには「長二度って、もう少し広いよ」ってわけです。そこで「もう少し、後ろの音を高く歌って」っていう事になったわけです。

 さあ、困った。今一つ、その「ちょっと高く/広く」のイメージがつかめません。イメージ出来ないものは歌えません。

 ヴァイオリンなら、指板の上の指を置く位置を、ほんのちょっと駒側に寄せれば、音程が高めに決まるけれど、歌の場合は、それに相当する事って、どうやればいいんでしょうね。

 先生がおっしゃるには「音程の調整のやり方は、人それぞれだけれど、息を流しながら、ノドの奥の方で音程の調整をした方が、正しい音程にハマりやすいですよ」という事で、なんとなくノドの奥の方で音程の調整のような事をやってみました。ううむ、合っていたのかな? いま一つ分からん。

 とにかく、長二度はもう少し、音程広めに歌えって事です、ラジャーっす。

 さて、今回はコンコーネは無しで、いきなりアリアでした。

 ここで新兵器登場。その名も“ZOOM Q3HD”。レッスンのために、先生がご購入されました。なかなかの優れものです。なんと、フルハイヴィジョン映像録画+高音質PCM録音がスイッチ一つで簡単にできます。つまり、すっごい、高性能でハンディなレコーダーってわけです。で、今回のレッスンは、こいつを据え置きにして、歌っている姿を録画し、歌い終わると、すぐさま再生&反省って奴をやりました。

 お教室だったので、再生もQ3HDで行いました。音声は外部スピーカーではなく、ヘッドフォンで聞いてみたけれど、これはすごいぞ、半端なくいい音でした。映像はQ3HDの確認用液晶画面で見たけれど、ウチのテレビ(フルハイビジョン対応だよ)で見たら、驚くほどきれいだろうなあ。

 で、ZOOM Q3HDで歌っている自分の姿を見た感想。うん、素晴らしい。きちんと歌えているところは、とっても良い、エクセレント!(自画自賛モードです)。しかし、歌えていないところは、壊滅的にダメ(涙)。一曲の中での出来不出来が激しすぎます。特に、後半になるに従い、ドンドン歌が崩壊していくのが、よく分かります(涙々)。

 しかし、プロってエラいね。彼らはこの歌を実に簡単に歌うんだよ。でも、歌ってみると、よく分かる。この曲…ちっとも簡単じゃねーぞー。なんか、半端なく、難しーぞー。

 さて出来が悪い原因について、考えられる事は色々あるけれど、まず画像を見て、真っ先に思いつくのが、歌っている時の姿勢、つまりフォームです。

 歌の始まりの時は、それなりに、きちんとした立ち姿で歌っているので、歌も良いです。しかし、歌が進むにつれ、ドンドン私の姿勢が崩れていきます。前のめりになって、アゴを突き出して、お辞儀をしているような形になって行きます。それに伴って歌も崩壊しています。ビデオで見ると、よく分かりますね。

 これは背中を使おうとして、無意識に前屈の姿勢をとって、背中を前後に使っていこうとしているわけですが、それは間違いなんですね。正しくは、きちんとまっすぐ立って、背中を前後ではなく、上下に使っていかないといけません。前屈すると、背中が伸びてしまうので、背中を上下に使うのが難しくなります。ま、上下に使えなくなるから、前後に使うんだとも言えますが…ともかく、背中は使えばいいと言うものではなく、正しく使わないとダメなので、前屈姿勢になっちゃうと、それだけでダメダメなのですよ。

 だから、、一番気をつけないといけないのは「しっかりと美しく立つ事」です。

 楽器にしても、スポーツにしても、フォームって大切です。上手い人は、大概、フォームがきれいです。逆に、下手くそは、決まってフォームが、汚い、醜い、見苦しいわけです。

 それは実は歌も同じ。上手な歌手は、見た目もカッコいいのです。だから、まずは立ち姿に気をつけようって事です。

 それに、きちんときれいに立って「私は上手な歌手ですよ」というオーラを出して、ハッタリかましておけば、本番で撃沈しても「あの人、今日は調子が悪かったのかしらねえ」って感じで許してもらえるかもしれないでしょ(笑)。でも、姿勢がかっこ悪くてダサダサの上に、歌まで撃沈すると「下手くそ!」とののしられてお終い。

 うん、見かけは大切だね。

 さあ、ピアノ合わせまで、本当に日がないけれど、それまでの間、とにかく、姿勢に気をつけていきたいです。

 先生に「ZOOM Q3HD、欲しくなったでしょう」って言われ「いいえ、私、映像には興味ないですから」と即答したものの、帰り道にツラツラと考えてみると、このマシンって、気軽に高音質高画質で自分撮りができるし、撮った画像も不要なら簡単に消せるし、必要ならピピっとパソコンに移せて加工できるし、確かに一つあると便利かもしれない。特に、YouTUBE向けにはベストだよねえ。これ、ちょっと欲しくなったかも…。

 買っちゃおうかな…どうしようかな…。ビデオはもちろん持っているけれど、かなり旧式のミニDVビデオのテープのカメラなんだよね。基本的に性能はなかなかのスグレモノだけれど、所詮は家電で、パソコンとの親和性は低いんだよね。つまり、今どきのビデオカメラじゃないって事ね。Q3HDって、性能の割にはお値段もリーズナブルだし、ちょっとお悩みモードに突入です。

 そうそう、この記事に先生が解説してくれたよ。

 まず、ファルセットの件。ファルセットで出せる声のすべてが実声で出せるわけじゃないから、ファルセットに多大な期待はしない事。それと、ファルセットと実声の差は、ノドの奥の開閉で決まる(実声はノドを開けて、ファルセットは閉める)から、そのあたりを気をつけると良いでしょうって事。

 それと、人前で歌うと結果がいいのは、色々と書いてあるけれど、つまり「すとんさんは“お祭りオトコ”って事です」だって。うん、そう言われちゃうと、否定できないですね。

コメント

  1. Yテノール より:

    椿姫の二重唱「パリを離れて」のレッスン中ご乱入頂いたYテノールです。
    この曲、名歌手が歌えば、仰るとうり、うっとりですが、ZOOM Q3HDで自分のを聴いたら、がっかりでした。
    当然か〜笑
    かなり、落ち込みました。まだ立ち直れません。
    真の自分の実体を受け入れるというのは、やはり大きな勇気と覚悟がいるものなんですね。
    ZOOM Q3HDによって見事に崩壊した幻想の自己像の瓦礫の中から,再び立ち直ることができるだろうか?
    いや、是非とも立ち直らなければならない。立ち直って見せますとも!!

    でもちょっと今度のピアノあわせまでには無理みたいですが〜涙

    ゲ キ チ ン 覚悟の出撃ということに…

  2. すとん より:

    >Yテノールさん

     Yテノールさんにしても、私にしても、よく歌えている部分と、ダメダメな部分が当然あります。ダメダメな部分ばかりを数えていると、落ち込んじゃいますよ。当然、歌の修正をするためには、そういうダメダメな部分もきちんとチェックして、修正かけていかないといけませんが、それと同時に、いや、それよりも先立って、よく歌える部分を探さないと…。

     我々の歌だって、探せば、案外、よくできているところってありますよ。私は、そういう、○の箇所を集めて、加点方式で考えるようにしています。もちろん、満点にはほど遠いですが、練習を重ねて、ちょっとずつでも、○の箇所を増やして、少しずつ合格点に近づこうと思って練習してます。

    >ゲ キ チ ン 覚悟の出撃ということに…

     それは同様ですが、撃沈しても、失うものは何もないのだから、豪快に撃沈してきましょう。きっと、テノールはみんな、撃沈するはずですから(爆)。

  3. Yテノール より:

    声楽ってえやつは、歌っている本人の聞こえかたと、第三者が聴いているのでは、全然違うんですね。本当に違い過ぎです〜汗
    絵の場合そんなことは、ありませんからね。制作者はいつでもすぐ鑑賞者になれます。

    聞こえ方が全然違うという場合、思ったより良いじゃんというのと酷いというのとありえますよね。すとんさんのように良い部分とそうでもない部分が有ってほぼ勝ち負け相殺ならいいですが、私の場合のように良いじゃんが無くて,酷いばっかりというのはやはり落ち込みますね。
    これから、どうしてそんなに酷く感じるのか、ストンさんに習ってじっくり分析してみます。

    ちなみに「パリを離れて」は最高音がAsだと思いますので、音域的にはいけそうじゃないですか。
    私の場合、音程をとるのが弱く、なかなかハモれなくて往生しております。
    折角の二重唱なんだから、やっぱりハモリたいです。ヴィオレッタにも申し訳ないしね〜涙

  4. すとん より:

    >Yテノールさん

     そう、声楽では、歌手は楽器そのものですからね。歌手が自分で聞いている音と、客席の客が聞いている音は、だいぶ違います。これは場数を踏んで、そのギャップを経験で埋めていくしかないと思ってます(だから、録音とか本番とか、できる限り多くやるべきだと、私は思っているんですよ)。

     で、自分で聞いている音と、客が聞いている音。どちらが正しい自分の姿なのかと言うと…客が聞いている方が正解なんですよ。ある意味「周りはみんな知っているのに、自分だけが知らない」と言った、残酷な状況がしばしばあるのが、歌の世界なんです。

    >私の場合のように良いじゃんが無くて,酷いばっかりというのはやはり落ち込みますね。

     Yテノールさんは自分にキビシイですね(良い事です)。私が聞いた感じでは、良いところもたくさんありますよ。ざっと思いつくだけでも、例えば「力まずに歌えている部分がたくさんある事」「符点の難しいリズムがちゃんと歌えている事」「ソプラノとの音量バランスが良い事」などね。私なら、力まずに歌うなんて無理だし、リズムはすぐに丸めちゃうし、ソプラノとの音量バランスよりも、いかに自分を前に出そうかとしか考えない(爆)人なので、Yテノールさんを見て「いいなあ~」「うらやましいなあ~」と思ってます。

     あと、滅多に落ちないのもすごいなあって思います。私は、アリアにしても二重唱にしても、落ちまくりですからね(爆)。ま、私と比較してもしょうがないでしょうが、YテノールさんにはYテノールさんの良いところがあります。安心しちゃいけませんが、捨てたものでもないですよ。ガンバ。

    >ちなみに「パリを離れて」は最高音がAsだと思いますので、音域的にはいけそうじゃないですか。

     音域的に行けそうでも、フレーズ的には難しいですよ。もっと楽に高音が出せるようになっていないと、最後まで辿り着けそうもないです。でも、いつかは歌いたい曲です。

    >私の場合、音程をとるのが弱く、なかなかハモれなくて往生しております。

     私も同じです。音感がない事も原因の一つですが、まだ楽器が出来上がっていないというのも、その原因の一つだと思ってます。練習を続けていれば、やがて楽器はできあがるはずですから、簡単には解決しない問題だけど、やがて必ず解決できる問題のはずですから、その日を楽しみにして、今は、今できる最善を尽くすだけ…と思ってます。

     ま、凹んでも、悩んでも、ピアノ合わせやら本番やらは、やってきます。最善を尽くすのは当然ですが、失敗したとしても、別に失うものがあるわけじゃあありません。そこは、もっと気楽に行きましょう。

     私は、今度のピアノ合わせでは「最後まで疲れないで、歌い通す」を目標に頑張るつもりです。だから『撃沈はしてもいいや』って思ってます。小さな目的をその都度立てて、それらを一つ一つやっつけて、力を蓄えて、最後はラスボスを倒したい…なんて思ってます。

     ピアノ合わせ、お互い、頑張りましょう。

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