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調子が悪い時の方が調子がいい…とは、どういうこっちゃ?

 声楽のレッスンに行ってきました。シックハウス症候群モドキで、ノドが化学火傷している上に、喘息を誘発され、何となく夏風邪までひいて…という、割と最悪な状態に近いにも関わらず、レッスンに行ってきました。馬鹿だね(笑)。

 調子が悪くて、仕事を休んでいた(ってか、化学物質から身を避けるために欠勤だな)ので、いつものように職場からタクシーを飛ばして…じゃなくて、自宅からテクテクと歩いてレッスンに向かいました。喘息で息苦しい時は、徒歩移動がいいね。なにしろ、自分のペースで移動できるからね。車移動だと、外を見ているだけで、心臓がバクバク言うので、よろしくないです。

 で、テクテクとゆっくり歩いていきました。先生のご自宅に着くなり、理由を話して、今回のレッスンは軽めにしてもらいました。先生曰く「風邪などで調子が悪い時は、むしろレッスンをして声を出した方が、治りも早いのだけれど、有機溶剤による不調の時は、その限りではないですからね。以前、音大でも、校舎建て替えの時に、似たような騒ぎがあって、あの時は大変でしたよ…」と半ば同情されてしまいました。有機溶剤、恐るべし。

 とりあえず、お教室について、最初の1時間はウツラウツラと放置状態で“待ち”です。いやあ、実際に、呼吸が落ち着かなかった事もあるし、私の呼吸が整うまで、妻のレッスンをたっぷりやってくださいねって感じでした。

 で、1時間程放置してもらったところで、呼吸もようやく整い、私のレッスンとなりました。

 今回は軽めのレッスンと言う事で、いつものハミング練習はせず、発声練習も声出し程度で押さえました。まあ、準備体操みたいなものです。でも、そんな声出し程度の発声練習でも、声を前に飛ばす事と、息をたっぷり吐く事だけは注意されました。

 「どんな時も息をたっぷり使って声を出して下さい。息を出し惜しんではいけません」なんだって。意識してないと、私は、ついつい息を出し惜しんで声を出しちゃうんだよなあ、いけないいけない。

 とりあえず、トスティ作曲『Non t’amo piu!/君なんかもう』を歌ってみました。先生「いいじゃない。声が出ない方がいいじゃない!」と、なんか変な誉められ方をしました。なんでも、ノドが腫れていて、声がうまく出せない分、テクニックを使って、きちんと歌っているので、むしろ、今の方が歌としてはいいんだそうです。「教えたことをきちんと守って歌っていて、いいですよ」だって…まあ、日頃の私は歌い始めると、あっちこっちのスイッチが入ってしまって暴走するからね。今回みたいに声が出ないくらいの方が暴走せずに歌えるんだけれど…なんか複雑な気分。

 で、次は、プッチーニ作曲「トスカ」より「E lucevan le stelle/星は光りぬ」です。いつもは苦労している高いAがなんとか出ました。「声が出ない方が、テクニックでなんとかしようとするから、返って良いですよ。これからすとんさんは、いつも、このくらいに声をセーブして歌った方が結果がいいんじゃないですか?」とまで言われました。ううむ、さらに複雑な気分。自分としては、本調子じゃない時の方が、本調子の時よりも良いですって言われるのって、やっぱり複雑だよねえ。

 最後はヴェルディ作曲「椿姫」より「Libiamo,  ne’lieti calici/友よ、さあ飲みあかそう(乾杯の歌)」です。もう、この段階で、私の話し声は限界を越えて、話し声はすっかりバスヴィイスになってましたが、歌ってみると、まだまだ軽やかなテナーな声で、いつもよりも幾分キレイに妻とハモりました。「声が出ない方が…(以下省略)」。

 つまり、普段の私は、声を鳴らしすぎて(ノド声ってのとは、ちょっと違います。これはキング式発声の特徴であって、声を鳴らすのがキモなんですね)、その声に自分が振り回されている…と先生がおっしゃるわけです。つまり“もっと身の丈に応じた声のサイズで歌いなさい。その方が結果が良いですよ”って事なんですね。まあ、分からないでもないですが、風呂敷を広げる癖が付いているので、それを畳んで歌うのって、結構難しいんですね。

 でも、軽く歌うって、そういう事なのかなって思いました。もっと、声を鳴らさずに、余裕をもって歌えば、高い音も出しやすくなるし、声の響きも良くなるし、ハモリだって美しくなる…って事のようです。分かっちゃいるけど、止められない…ってところかも(ダメジャン)。

 まもなく、発表会なので、ピアノ合わせとか、舞台の入り時間とか、当日の流れとか、打ち上げの話とかをしました。ううむ、そういう話をすると、本当に本番が近いんだなって思いました。

 さらに、10月のクラシックコンサートまでの練習日程もザックリ決めました。と言うのも、先生は9~10月は、昨年同様にツアーに出かけてしまうので、レッスンがあまりできないんですね。こちらもピアノ合わせとか決めていくと、ああ、10月の本番も、まもなくなんだなって思います。10月の方は、全然曲に手をつけてませんから、ちょっぴり焦りますがね。

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コメント

  1. だりあ より:

    おはようございます。ノド、大丈夫ですか。この暑さなのでどんな頑丈な方でもやはり体力は落ちますよね。すとんさんもそれなりの年齢ですし、中高年さんは盛夏はなるべく日陰で静かに過ごしたほうがいいと思っています。

    >風呂敷を広げる癖が付いているので、それを畳んで歌うのって、結構難しいんですね。

    これ、フルートでも言えますね。元気なときはセーブしようとしてもできなくて、体調がイマイチなときのほうが自然に風呂敷がたためてセーブできてしまってる、とか。そしてそういうときのほうが笛がよく響いたりしてます。声楽も同じなんですね。
    昨日ユーチューブで、パバロッティさんが生徒さんを指導されている動画を見つけました。何を言っているのかサッパリわかりませんでしたが、身振り手振りのほんのちょっとのアドバイスで生徒さんの歌が劇的に変わるっていうのが面白かったですよ。

  2. すとん より:

    だりあさん

     喘息は、だいぶ回復して、今は「普通に喘息」になってます。でも、ノドの腫れは一行に治まらないのが悩ましいです。おかげで、咳が止まりません(これが声には良くないんです)。

    >すとんさんもそれなりの年齢ですし、中高年さんは盛夏はなるべく日陰で静かに過ごしたほうがいいと思っています。

     予定では、炎天下の中、精力的に活動して、少しは減量に励もう…なんて思っていたのですが、体調不良で安静にしているおかげで、ブクブク太りそうで怖いです。

    >身振り手振りのほんのちょっとのアドバイスで生徒さんの歌が劇的に変わるっていうのが面白かったですよ。

     フルートだって先生の指導を受けると演奏が変わりますが、声楽の場合は、本当にガラっと変わります。フルートの場合は、指導を受けると演奏法が変わるくらいですが、声楽の場合は、演奏法以外に、楽器(自分のカラダですか)の調整も変わりますから、そりゃあガラと変わるんです。

     風呂敷うんぬんと書きましたが、おそらく、適度に力を抜くことが自然にできるのが、体調不良の時なんでしょうね。日頃、いかに無駄なエネルギーを使っているか…なのかもしれません。反省はしますが、なかなか実行にはうつせません。きっと元気になったら、またまたエネルギッシュにやっちゃいそうですから。

  3. tetsu より:

    > 調子が悪い時の方が調子がいい…とは、どういうこっちゃ?

    まさにその通りですね。元師匠曰く「微熱があるくらいのときのほうが調子がいい」、とのことでした。「健康なときとの違いがわかるのは、よっぽどわかっている人しかいない」、とか。不肖の生徒は何もいえませんでした。
    こちらは体調よければ無理に吹いてしまい、師匠が耳を押さえていたこともあります。

    失礼しました。

  4. すとん より:

    tetsuさん

     小人閑居して不善をなす…とは全く違いますが、余裕がある時は、その余力で余計な事をしてしまう…のが、我々アマチュアなのかもしれませんね。常に“意気込みすぎ?”なのかもしれません。もっと自然体で音楽を奏でられるようになるべきなんでしょうが、我々にとって、音楽演奏自体が、自然な事ではなく、特別な事なんだから、それって難しいですね。

     あと、体調が悪い時は、欲がないでしょ? 「うまくしてやろう」とは思えず「とりあえず、無事にこの場を乗り切りたい」という欲のなさが良いのかもしれません。

     難しいですね。

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