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大手楽器店の音楽教室も、なかなかのお薦めです

 このブログを以前からお読みの方は、すでにご存知でしょうが、私は大手楽器店の音楽教室でクラシック声楽を薦めた事は、一度も無いと思います。と言うのも、私の地元でブイブイ言わせている大手楽器店の音楽教室には(健康増進のための歌のクラスではなく)クラシック声楽のコースが無いからです。

 ですから「音楽教室に声楽科があっても、楽器店は儲からないから、無くても仕方ないなあ…」とか「やっぱり歌を学ぶなら、クラシックじゃなくて、カラオケとかポップスとかだよね…」とか思っていました。でも、私の地元に進出していない大手楽器店には、なんと、大人向けの音楽教室に、ちゃんとクラシック声楽を学べるコースがあるではありませんか! ビックリしちゃいました。ビックリして、思わず、発表会を見に行っちゃいました(笑)。

 いいなあ…。大手楽器店系列の音楽教室で、きちんとしたクラシック声楽が学べるなんて…。これなら、声楽を学ぶためのハードルが低くなるし、ちゃんと教えてもらえるなら、声楽ファンだって増えるじゃないの? ああ、私の地元でブイブイ言わせている大手楽器店さんも、クラシック声楽のコースを開設すれば、ちゃんと商売になるんじゃないの?

 さて、発表会の感想です。

 大手楽器店だからと言って、バカにしてはいけません。生徒さんたちのレベルはピンキリで、始めたばかりと思われる人は、それなりでしたが、上手な人は、本当に上手で、講師演奏にも負けないくらいのレベルの人が数人いました。

 発表会全体の雰囲気は…大手楽器店のピアノの発表会に通じるものがありました。なにしろ、生徒さんがたくさんいますので、1回2時間の発表会を、日に数回開催していました(私は全部見たよ:笑)。

 生徒さんは、客席で控えていて、自分の演奏の少し前に舞台裏に移動して、着替える人は着替えて、声出し部屋でちょっと声を出してから舞台袖に移動して、自分の歌う順番を待ち、自分の順番になったら舞台に出て行って歌い、歌い終えたら衣装のまま(あるいは普段着に着替えて)客席で待機して、全体の発表が終わったら、舞台に上がって集合写真と撮って、終了…という段取りのようです。

 一人原則1曲ずつ歌います。着替えと声出しの場所は用意されているようだけれど、上記のような段取りなので、特別な楽屋は無いみたいですし、出演者の皆さんは、基本、客席で控えているようでした。ドレスコードが無いようで、ばっちりドレスで歌う人もいれば、どう考えても普段着のままの方も結構いました。暗譜して歌う人もいたけれど、楽譜をガン見の方も若干いました。ステージマナー(もちろん、出演者側のマナーね)については、発表会前の事前の注意の中で、司会の方が客席に向かって説明してました(つまり、発表会が始まる前は、出演者は全員、客席にいるって前提ですね)。

 ほんと、子どものピアノ発表会のノウハウ、そのままって感じでした。

 でも、発表された方々の歌は、素晴らしかったです。先生方が皆さん、若い女性という事もあって、生徒さんも女性が多かったのですが、男性の生徒さんもいました。いや、個人の声楽教室と比べると、むしろ、男性の割合が高かったかも…。個人の音楽教室だと、男性は断られる事が多いけれど、こういう楽器店の音楽教室だと、性による差別は無いので、自然と男性も増えるのでしょうね。

 男性で、趣味の声楽を学びたい人には、大手楽器店の音楽教室は、お薦めかもしれません。

 ただし、たまたまだったのかもしれないけれど、歌っていた男性は、一人を除いて、みな、テノールでした(珍しい!)。たまたまかもしれないけれど、やはり講師が女性ですから、バスとかバリトンとかの男性低声歌手の指導は(発声法が女性とは、かなり違ってくるので)難しい…というか、出来ないのかもね。

 ちなみに、除いた一人はカウンターテナーでした。で、この人は、すごかったんですよ。美しくてパワフルな声で…こんな声、どう努力したって、獲得出来ないでしょ? これは一種の才能であり、神様からいただいたプレゼントだよね…って思いました。でも、こんな変わった声の持ち主なんて、個人の声楽教室の門を叩いても、断られるだけだよね。大手楽器店の音楽教室だから、受け入れてもらえたんだろうなあ…って思いました。

 大手楽器店の発表会ですから、幾つかの教室(ってか店舗)で習っている人たちの合同の発表会でした(こういう点もピアノ教室と一緒ね)。

 で、私、気が付きました。プログラムには、所属店舗名が記載されているのだけれど、その店舗ごとに、生徒さんの傾向が明らかに違うんですよ。

 私がびっくりするほどに、レベルの高い歌を歌ってくれる店舗の皆さんがいるかと思えば、みんながみんな、リズムに難があって、ピアニストさんのご苦労が手に取るように感じられる店舗もあれば、開けっぴろげ…と言うか、完全にアペルトな声で歌っている店舗もあったり、音程がなぜか上ずっている人たちばかりの店舗があったりして…店舗の違いは、おそらくそこで教えている講師の方々の違い…なんだろうなあって思いました。

 つまり、店舗によって、先生の教授レベル(コーチング能力)に大きな差があるんですよ。いやあ、こんなにも違うんですね。いやあ、驚いた。で、もしも私がここの音楽教室で学ぶなら、○○店にしよう…とか思いました…が、大手の音楽教室って人事異動って奴があるし、複数の先生が教えている事もあるでしょ? 私が、ある先生目当てで、その店舗のお教室のドアを叩いたとしても、必ずしも、その先生に習えるわけじゃないわけで…そこは大手楽器店の音楽教室の残念なところです。

 もっとも、それ以前に、その大手楽器店の音楽教室は、私の家から気軽に通えるところには、一軒もないので、その系列の音楽教室では学ぶことすらできないのですが…ね。残念残念

 でもでも、声楽を始めたくてウズウズしている人には、大手楽器店の音楽教室は、お薦めだなって思いました。その大手楽器店に声楽科があれば…の話ですが。

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