. オジサンのオーボエ体験レッスンの後は、お子さまのヴァイオリン体験レッスンだ。
キッズプログラム[ウィーンのメロディーを弾いてみよう](バイオリン講師:久保田巧)
で、息子君にとって本日のメインプログラムであるキッズプログラム「ウィーンのメロディーを弾いてみよう -ウィーンのお話とヴァイオリンのおけいこ-」]に参加しました。半券無料プログラムですが、事前予約が必要なプログラムです。もちろんウチは予約をちゃんと取りましたよ。実は昨年もこのプログラムがあったのですが、去年も事前予約が必要だったので、参加したくてもできなくて(なにしろ当日フラッとやってきた私たちでしたから…)当日、羨望のまなざしでプログラム表を見つめていました。江戸の仇を長崎で…ではないのですが、去年の思いを今年につなげることにし「今年もバイオリンがあったら、絶対に参加してやる」と虎視眈々の思いで狙っていたのです。だから、今年もやりますっていうお知らせを見た時は、うれしかったです。
場所はトラウトの前のセミナー室シュピーレンでした。遅刻者がいたので、開始は5分ほどズレ込みました、まあ、仕方がない。
子どもたちは全部で40名。幼稚園くらいの子から中学生らしい女の子まで年齢差マックス! バイオリンは二人で一丁。先生の話を聞きながら、交互に実習って感じかな。息子君は1/2サイズのものをかわいい女の子と共有です。あと、専属のアシスタントさんも二人に一人ずつ。一応全員、バイオリンは始めて…どころか大半の子は楽器が始めて…らしい。まあ、音楽祭の体験プログラムだからネ。
ちなみにこの会場、息子君が受けたクラスは、ラ・フォル・ジュルネ本体が主催している予約制のバイオリンの体験コースだけれど、同じ場所で違う時間帯に(おそらく)同じ楽器を使って、スズキメソッドが予約無しでバイオリン体験講座をしてました。無論、先生は違うわけ(そっちの講師は当然スズキメソッドの先生でしょう)ですが、そのスズキメソッドの体験コースの合間をぬって、ラ・フォル・ジュルネのキッズプログラムをやっているような感じでした。それだけバイオリン体験って人気あるんだね。
それはともかく…
全員揃ったところで…「まず遅れていらっしゃった方がいたので開始時間が遅くなった分、終了時刻が遅くなりますがいいですよね」というアナウンスがアシスタントのお姉さんから全体にありました。遅くなると困る方は事前にお知らせください、というので「次の予定(ムコ殿さんところのミサ4)があるので…」とお知らせしようとしたら、妻に止められました。チケット買った有料プログラムが控えているならともかく、無料の自由参加のプログラムのために申し出るわけにはいかないでしょ、とのこと。ごもっとも。でも、時間がタイトなので、たとえ5分でも遅れると、とてもとても困るんですよ。
誰も遅れちゃ困ると言い出さなかった(なんと遠慮深い日本人たちだ!)ので、そこを確認して先生登場。「菩提樹」をサラっと演奏。当たり前だけど、うまい。先日のピドゥー先生の言葉を思い出して、聴いていたのですが、演奏をしながら息を吐き、フレーズの切れ目で深く息を吸い、また息を吐きながら演奏する…という、まるで歌っているような呼吸をしていました。一流の弦奏者は音楽に寄り添った自然な呼吸をするんですね、納得。
しかし、こんな一流のヴァイオリニストさんに、体験とは言えレッスンをつけてもらえるなんて、息子君、うらやましすぎ。
さて、実際の指導です。内容は、バイオリンの構え方、弓の持ち方、弓の動かしかたの三点を駆け足でやりました。45分ですし、二人で一丁のバイオリンですから、これだけできれば十分ですって。左手の動きは?と思われた方いるでしょうが、左手は至って簡単で、押さえるべき箇所にビニルテープが貼ってあって、そこをギターでいうセーハーで、ギュッと握りしめるように指導してました。弦を一本一本押さえるとか、ビブラートをかけるなんて、それは時間的に無理なので、正しい選択だと思いました。
とにかく息子君。バイオリン構えられません。「アゴでバイオリンをはさむ」に集中して「肩にバイオリンを乗せる」ができません。ですので、正面向きに胸とアゴでバイオリンはさんでました。かっちょ悪い…。アシスタントのお姉さん、その辺全くスルーです。そんな不格好のまま、レッスン継続です。ちなみに周りを見ると、それぞれ怪しい構えをした、小さなバイオリニストが大量生産されていました。たかが構えですが、お子さんたちにはかなり難しいようで…。
構えができたら(?)、弓を持ちます。親指とその他の指でつまむように持ちますと教えてくれますが、みんなしっかり弓を握りしめます。だってそんな、つまむように軽くなんて持てないよね。しっかり掴むか、えいやと離すかの、オンとオフの動作しかないもんなあ…子どもって。ああ、子どものウチから楽器やってる子って、実はすごいんだよなあ。
弓を持ったら動かします。先生は腕の重さで自然に腕を落とすように弾くように指示しますが、そんなことは誰も聞かない。勢いつけてブン。思いっきりブン。あっちこっちでブンブン動かしてます。子どもって、身体を動かす事自体が楽しいから、こういう単純な動きでもハマルと夢中になるんだよね。
実はこのあたりで終了予定時刻になりました。ええ!遅刻者がいたから、多少は終了時刻も延びるだろうけれど、まだ全然終わる見込みないよ、大丈夫? それよりミサ4に間に合うの?>私。って、もう無理だよ(涙)。
さあ、次は弦の弾き分けだ。1弦と2弦をそれぞれ先生の指示にあわせて弾くぞ。まずは正しいリズムを無視して等間隔リズムで。次に曲の正しいリズムに合わせて。この弓の動作は難しそうに思えるけれど、これはどうやら息子君には簡単みたい。ま、ピアノとは言え楽器経験者だからネ。ひとまず先生の後をヘコヘコ付いてゆく。このあたりからレッスンの速度がグンと速まる。なにしろ時間オーバーしてるし…。当然、落ちこぼれる子が出始めるが、子どもたちが落ちこぼれたままレッスンは進む。
次に左手を付けましょう、と、まずリズムを無視して等間隔リズムで、人指し指、中指、薬指…。これもどうやら息子君できる様子。そりゃ、先生のコールに合わせて、言われた指で弦とネック同時にギュッと握るだけだもん。そりゃ簡単さ。でも左手は弦を押さえ右手は弦を弾き分ける…落ちこぼれたくさん…屍累々…。
「では、さっきのリズムに合わせてやってみると、シューベルトさんの曲になります」と先生が宣言して、まずは模範演奏。先生もしっかり弦をセーハーで握って演奏してます。ちゃんと曲になってました(当然ヴィブラートなどの高等テクニックはなし)。「では、やってみよう!」のひと言で、先生と子どもたちが一緒に始める。おお、いよいよ完成だ、本日のクライマックスだ。
まあ、始めてのバイオリン演奏。それを勘定に入れれば大成功。もちろん演奏された音は現代音楽でしかないけれど、バイオリンって自分で音程を作っていく楽器なのに、触って1時間程度で、フレーズ弾いているんだから、これはもう御の字だね。すごいすごい。
息子君は「バイオリン弾けた(笑)」とご満悦。そりゃよかった。私はバイオリンに触ったことすらないよ。もうお前はオヤジを越えたな(大笑)。
全員が、メロディのようなものを弾き終わったところで、やっと終了宣言。予定時刻を15分強程オーバー。うわあ、覚悟はしていたものの、こりゃオーバーしすぎ。
この後、本当はムコ殿さんのいらっしゃる丸の内合唱団のミサ4を(お世辞ではなく本気で)聴きに行きたかったのですが(元々定刻通りに終了してもキツい。早めに終了することを期待していたのですが…もう遅れに遅れてますね)、これでは時間的に厳しいというか、演奏終了までに現地(東京国際フォーラムではなく、なんと、丸の内オアゾ。山手線で約一駅の距離だ!)に到着することはできないだろうと判断し、セカンドチョンスとして考えていた「マスタークラス」の方に行くことにしました。それでも、時間的には、かなりヤバイぞお~。マスタークラスだって、もう開始時刻だよ。それ! 多少、マスタークラスが遅れて始まることを祈りつつ、急いで会場に向かいました。
そう言えば、キッズプログラムのタイトルにあった「ウィーンのお話」って部分はなかったな。もっとも時間的に全く無理だけどサ。まっ、いいか。
今日はここまで。時間的には5月6日の3時半から4時半までの話でした。しかしレッスンを見ていて、私もバイオリンを弾いてみたくなりました。もっとも、私が弾いたら、子どもたち以上にひどい事になりそうです。バイオリンがかわいそうですね、きっと。では、続きはまた明日。
コメント
記事を楽しませていただいています。
フルートよりヴァイオリンのほうがやりやすい・・・と私は思います。(口の形とか関係ないし!)
楽しいですよ~!
病み付きになりますよ~!
消音もあるし~!!
>Ceciliaさん
ヴァイオリンの場合は、自分でシビアに音程を作ってゆくという、私にとっては、千里の道を行くがごとき、艱難辛苦が待っていますので、ちょっとそれはできません。
もちろん管楽器だって、究極の話、自分で音程を作らないといけないのですが、それでも運指が正しければ、後は微調整の話ですが、ヴァイオリンはゼロから作るので、その大変さが違います。
一応、これでも自分の音楽能力のランクというか程度というのは、わきまえているつもりです。あと、ヴァイオリンは弦楽器です。私の中ではギターはマイ・フェイヴァリットなので、弦楽器的には満足してます。
で、管楽器なのです。性格的に金管ではなく木管だと自分では思ってます。では、木管の中では…という感じかな?
市民オーケストラにいたとき、オーケストラの先輩にヴァイオリンをもらって、レッスンに行ったことがあります。
でもまあ、仕事もし、市民吹奏楽団にも行き、映画も見に行き、オーケストラももちろんあり、ちょっと無理でしたね。先生は市民オーケストラのコンマスだったんですけど、練習する暇もなし、今思うに、情熱の差ですかね。
あのヴァイオリンは、今でも実家にあるはずですが・・・
>chikoさん
市民オーケストラに市民吹奏楽団、それに日常の趣味娯楽ですよね。色々なことがしたい、自分をもっと高めてゆきたい、趣味を充実させてゆきたいと考えても、一日は24時間、一年は365日、残り人生はあとたったの数千日という人生の中で、できることは限られてくるのが、悲しい現実ですね。
特に音楽はある程度できるように技術を習得するまでに時間がかかりすぎるのが欠点です。本当に、自分の寿命の終わりを考えると、溜め息が出ます。音楽を楽しめるようになるまで生きていられるかしら…なんて思わないでもないです。
それはともかく、忙しい大人にとって、趣味の掛け持ちって、キビしいですね。本当は色々なことをやりたいのに、時間と体力がそれを許さないってことです。
市民オーケストラ…。市民吹奏楽団…。町の合唱団にも入れてもらえない私にとって、それはあまりにも高貴な雲上人の存在ですね。どんな音楽エリートの集団なのかしら。きっと私とは住む世界が違うのだろうな。
いやいやいやいや・・・・・・・
市民オーケストラって、音楽は趣味でやってるみんな普通のおじさん達でしたよ。お姉さんもいたけど、おばさんはいなかったなあ。やっぱり結婚するとやめちゃってたのかしら。そういう私も、結婚でやめちゃったしね。そのお姉さんも、結婚でやめました。
高校を卒業するとき、国語の先生が「市民オーケストラって知ってるか?」と、教えてくれたので、早速、定期演奏会を聞きに行って、入団の申し込みをしたのでした。
思えば、その団のことはなーんにも知らなかったのです。
団員は20人くらいいたかなあ。定演のときは、トラにたくさん来てもらってね。私はその定演を聞いたのでした。ちゃんちゃん
でも、それはそれで楽しかったですよ。みんな大人だから、仲良しだけど近すぎないって言うか、そう言う感じで。
>chikoさん
ご謙遜なさらずに。トラは、まあ、町の音楽団体の演奏会には欠かせない存在ですから、トラがいてもいなくても、やはり市民オケって、雲の上って思ってます。
高校卒業前後ですか…。私はロックな青年でしたね。ギター弾いて、バンドやってました。一応、作曲もやってました。当時のバンドはだいたいギタリストが作曲担当で、その曲をボーカルが作詩するってのが普通でしたから。
今思えば、すごく稚拙な曲を書いていたと思います。もっとも、それに輪をかけて、稚拙な詩をつけてたと思います、当時のボーカル君。元気してるかな…。
そんなロックな元青年にとって、市民オケなんて、まぶしい存在ですよ。クラシックなんて、頭がよくてお金がたくさんある人たちが楽しむ音楽だと、誤解してました。誤解に気づくには、社会経験というのが必要だったのですがね、その話はまたそのうちに。
息子さん、ヴァイオリンを弾けて良かったですね。
私も初めて楽器を触れたときの懐かしさがよみがえり、なんだか心がほんわかしました。
しかも短時間とは言え、一曲仕上げるのも凄いです!
(初めて一か月くらいはひたすらAの音を綺麗に出すレッスンしていたような記憶が。。。笑)
でもはじめて楽器に触れたときの喜び、今でも鮮明に覚えています。
音楽をやっていて一番嬉しくて、感動した瞬間が、ヴァイオリンを初めて触り、音を出したときです。これを超す感動はきっともうないと思います。
それくらい印象に深く残っています。
例えAの音だけでも、単に音を出すのがとても楽しくて、楽器をケースから閉まっては出しを何度も繰り返していたなぁ。
息子さんの記憶にもこの楽しさ、喜びが刻まれるといいなと思っています。
>なつめさん
ありがとうございます。息子君は、ピアノ以外の楽器(学校でやっているピアニカとかリコーダーとかを除く)としては、ヴァイオリンが始めてかもしれない。以前「ギターでも弾いてみるか?」と声を掛けた時「今は結構です」と言って断ってたもんなあ…。
でも、一曲弾き終えた時の顔は、本当にいい顔をしてました。ちょっぴり羨ましかったです。たぶん、この経験は一生の思い出になるんだろうなあ…と思ってます。