声楽のレッスンの続きです。
「まずはボエームの練習からしましょう。どこまで譜読みをしてきましたか?」と言われてしまったので、正直に、ほんの少ししか音取りが出来ていない事を白状しました。
そこで今回は、ロドルフォにとっての冒頭曲「Vei cieli bigi/灰色の空に」を歌ってみました。まずはリズムをしっかりかっちりと歌うようにしてくださいと言われました。
それはこの曲に限らないのですが、今回の発表会では、指揮者無しでボエームを歌うので、ピアニストさんが合わせやすいように歌う事も必要なんだそうです。そのために大切なのは、リズムをしっかりかっちりにして歌う事と、きちんとピアニストさんにきっかけを与えながら歌う事なんだそうです。
そこで注意されたのは、レコ勉のやり過ぎです。レコ勉をやり過ぎて、プロの歌い方をマネしてしまうと、ピアノと合わせづらくなってしまうのだそうです。レコードの録音では指揮者がいるわけで、だから歌手が自分の好きなペースでどれだけ歌おうと、指揮者が合わせてくれるけれど、指揮者無しで歌手が自分勝手に歌うと、ピアニストが困ってしまい、音楽が合わなくなってくる恐れもあるので、自分勝手にテンポを揺らして歌わずに、まずは楽譜通りのリズムでしっかりかっちり歌えるようにしてくる事が大切なんだそうです。
もちろん、ピアノ伴奏無しで歌う部分(実は結構あるんです)に関しては、好きなように歌って良し、です。ただし、ピアノが入る部分では、きちんときっかけを出す事を忘れないように歌いましょうって事になりました。
例えば、今回の「Vei cieli bigi/灰色の空に」では、曲の最後の“Signor!”がきっかけになるフレーズなので、この部分は、かなりしっかり歌ってあげると、ピアニストさんは合わせやすくなる…って事なんです。
ボエームのようなヴェリズム系のオペラは、音楽的にはワーグナーの影響を強く受けていて、いわゆるレチタティーヴォがありません。すべての物語が歌で進行していきます。会話なら重唱、演説やひとりごとなら独唱(昔ならアリア)となります。当然、ボエームのような群像劇は、全編重唱の塊になるわけで、自分のパートだけ歌えても、オペラが歌えるようにはなりません。
先生から、自分のパートだけでなく、他の人のパートもしっかり音取りをして、歌えるようにしておく必要があるのと言われました。そして、実際に他人が歌っている時も、それに合わせて、心の中や小さな声で一緒に歌っている事が大切で、そうでないと、自分のパートも歌えないと言われました。
ああ、やっぱりね。そうなんじゃないかって思ってました。縫い物をしているように、しっかりとメロディライン(自分のものも、他人のものも)を縫うように追っていかないと、歌えなくなってしまうわけです。頑張ろうっと。
とにかく、ボエームは分量が多いので、バシバシ譜読みをしていかないといけません。で、譜読みをさっさと終えて、暗譜しないとね。暗譜しないと、音楽稽古に参加できませんから、頑張らないとなあ。
で、次は、トスティ作曲「April/四月」を歌いました。この曲は今回で終了とする事にしました。で、浮いた時間で、ボエームの譜読みを頑張る…って事になりました。ボエームの譜読みが一段落したら、またトスティの歌曲を持っていく事になりましたので、よろしくお願いしますです。
で「April/四月」ですが、だいたいOKとなりました。だいたい…と言うのは“su prati’n fiore”の部分が残念だからです。ここは前回も注意された箇所ですねえ…。とにかく、しっかり息を吐いて歌うことが大切です。決して、息を弱めてはダメです。また、高音に移行する前に私は一端、クチの奥を閉じてしまう癖があるそうですが、ノド(ってか声帯を)一度閉じるのはOKだけれど、クチの奥は閉じるどころか、逆に大きく開かないといけないって事です。難しい。
さらにメンタルの弱さも指摘されました。
私の声がノド声になる時って、たいてい高音の直前で、その高音(が出せるにも関わらず)が出せないのではないかと不安にかられ、その結果、ノドに力が入ってしまい、結果としてノド声になっているんだそうです。…当たっているかも。
メンタルが強ければ、不安になる事もなく、不安にならなければ、余裕で出せる音なのに、不安が原因で発声に失敗してしまっているんだそうです。ううむ、見に覚えがありすぎる。
でもね、ほんと、高音は不安なんだよね。
先生からは、テノールのノドを持っているのだから、ノドに力を入れずに、腹筋に力を入れて、息をしっかりたっぷり送り込めば、高音も容易いものだと言われました。はあ、頑張ります。
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