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2015年クラシックコンサートに出演してきました その3

 舞台袖に入った私たちです。その時、舞台を勤めていた人は、私たちの次にリハーサル室に入った方でした。なぜか、本番の順番とリハーサルの順番が違うんですよね。ピアノの人は、リハーサルが終わると、ちょっとだけ休憩をして、すぐに舞台袖に入って本番という流れのようなのですが、私たち歌の人は、リハーサルが終わると、たっぷり休憩があって、それから舞台に上がるようになっています。まあ、私的にはその方が都合がいいので、気にしない事にしています。

 今回出演するピアニストさんたちは、ソロ演奏で出演している方々については、ほぼアマチュアなんですが、声楽の伴奏をするピアニストさんたちは、ほぼプロの方々なんです。たぶん、アマチュア同士の組み合わせのグループは私たちだけじゃないかな? ですから、私たちのピアニストさんは、結構、そのあたりを気にしているようで「私、プロじゃないけれど、大丈夫かな?」って言います。

 全然、気にしなくていいと思ってます。彼女は、普段から日常的に合唱団とか声楽アンサンブルとかで伴奏ピアニストをしていて、声楽の伴奏には慣れているし、実際、そこらのプロのピアニストさんよりも、歌の伴奏に関しては、上手だと思います。

 まあ、プロと名乗っていても、みんながみんな、バリバリと本格的に演奏活動をしている人たちばかりじゃないし、プロと言っても、単に音楽大学を卒業しただけで、普段はピアノの鍵盤に触らない生活をしているプロもいるわけです。ピアノが弾けなきゃ音大は入れませんが、ピアノが上手に弾けても音大に入る必要はないわけです。私たちが頼りにしているピアニストさんは、ピアノが弾けるにも関わらず音大には行かなかっただけの人であって、音大には行かなかったけれど、今でも日常的にピアノを弾いて、伴奏ピアニストさんとして、あっちこっちでご活躍されている方なので、伴奏ピアニストとしては全然問題ない人なので、アマチュアであることに引け目を感じる必要なんて、全然ないんです。

 私たちの前のピアニストさんの演奏が終わりました。まずは妻の方が先に出番です。妻が舞台で歌っている間、私は舞台袖で妻の歌唱を聞きながら、体操をして自分の準備をします。

 妻が終わりました。たった2曲歌っただけなのに、汗びっちょりになって帰ってきました。ピアニストさんもヘトヘトです。ステージマネージャーさんが思わずピアニストさんに「大丈夫ですか?」と声をかけてしまうほどでした。

 舞台の進行を一瞬止めて、ピアニストさんが息を整えるのを待ってから、アナウンスが入って、私の出番です。舞台に出て挨拶をして、ピアニストさんが準備をし終えるのを確認して、目で合図をして、いよいよ一曲目の「Love Me!/私を愛してください!」です。

 カクテルライトがまぶしかったです。舞台に立つと、ライトで目がくらんで、客席が見えません。どれくらい客が残っているのか分からないけれど、客が見えないというのは、客の事が気にならないというわけで、これはこれで良いですね。

 とにかく、ノドでは歌わない事。しっかり腹筋を使う事。響きで軽く歌う事。目は閉じない事。カラダをしっかりと伸ばして開く事。これらの事ばかりに集中して歌いました。結果はすでに皆さんがご存知の通りです。

 これはいけるかも…という感触をつかんで「Starlight/星の明かり」に入りましたが、この曲は少し長い曲だったので、途中で失速してしまい、最後はノド声になってしまいました。ああ…まだまだこの曲を歌い切るほどの腹筋は私には無かったようです。途中までは良かっただけに、曲の終盤部分が実に残念でした。

 歌い終えて、舞台袖に戻ると妻が「最近の演奏の中では、今回の本番が一番良かったよ」と言ってくれました。どうやら、今回も“火事場のクソ力”に助けられたようでした。私の『本番に強いすとんさん』伝説はまだ生きているようです。

 ここで私たちはしばらく休憩です。間にお二人の方の歌唱を挟んで、今度は二重唱を歌います。

 二重唱は…悪くなかったと思いますよ。曲そのものは、以前の初夏に行った門下の発表会の時に歌った二重唱と同じ曲ですが、門下の発表会の時は、時間制限があったため、曲の前半部までしか歌えなかったですが、今回はオペラハウスで通常歌われているサイズに戻して歌いました。ですから、とにかく長い曲なので、なるべく消耗しないように、ノドで歌わないように、気をつけながら歌っていたのですが、やはり終盤、ガンガン歌いまくるところで声を使ってしまって、最後の最後の決めの部分は、すっかりノド声になっていますね。そこが残念です。

 すべての曲を歌い終わって、ホールロビーに急いで行った私たちです。お客さんが来ていれば、せめて挨拶だけでも…と思ったわけです。私目当ての客はいませんでしたが(笑)、妻の方のお客はそこそこいたので、私もそっちの方に行って、ご挨拶をしてきました。二重唱の評判がとても良くて嬉しかったです。あんまり盛り上がってしまって、ロビーの係の人に注意されたほどです。

 ああ、とりあえず、ひとまず終わったね。

 ピアニストさんに挨拶をして、楽屋に戻って着替えて、荷物を引きずって会場を出たところで雨が降ってきたので、タクシーを呼んで帰ることにしました。タクシーを待っている間に…忘れ物をしている事に気づきました。そう、客席に設置した録音機です。急いでホールに戻って客席を見たら、すでに録音機はありません。私たちはトリ前の演奏ですから、もうその時間は、コンサートも終了し、会場の片付けもほぼ終わっていたわけですから、忘れ物などもしっかり係の人に回収されていたわけです。ですから、急いで係の人を探して見つけて、頭を何度も下げて、録音機を受け取りました。ああ、良かった。

 録音機を受け取って外に出てみると、すでにタクシーはやってきていて待たせている状態でした。申し訳ない。で、タクシーに乗り込んで、帰宅して、入浴して終わりです。コンサート自体はいい感じで終了したので、まあ、満足かな。

 翌日も休日でしたが、私も疲れていましたが、妻はグロッキー状態になってました。まあ、色々と頑張ったもんなあ、仕方ないか。こんな感じで、今年のクラシックコンサートは終了でございます。

 今回は、二重唱、ドニゼッティ作曲「愛の妙薬」の「Caro Elisir! Sei Mio!/素晴らしい妙薬」の音源をアップします。

 本人的にはまだまだ納得できたわけではありませんが、お客さん的には一番良かったのがこの曲なんだそうです。ちなみに、この曲は、かなり長いので、聞く時にはちょっぴり覚悟をしてくださいね。ちなみに、8分超あります(笑)。

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コメント

  1. おぷー より:

    すごく不思議なカップルだと思います。
    すとんさんの中音は結構安定していて、高音に飛んだり向かう時が大変そう。
    奥さんは、高音は素敵なのに、中音域が弱い。
    すとんさんは、高音がある時は、声をそこにセットして中音域に入ると良いと思います。
    そしたら、高音を掴みやすいですよ。
    奥さんは下に降りるときに、胸声を上手に混ぜていくと、中音の響きが安定すると
    思います。
    良いデュエットです。

  2. すとん より:

    おぷーさん

     ありがとうございます。実は妻は、キング先生時代は先生から「あなたはメゾ」と言われて、メゾやアルトの勉強をしていました。面白いでしょ? Y門下に移った時に「あなたがメゾ? ありえない」と言われて、そこからソプラノ修行を始めたので、まあ色々と『まだまだ』なんだと思います。ちなみに私は「前の先生にバリトンへ転向しなさいと言われたんですよ」と言ったら、Y先生に“何を言っているんだ?”という顔をされました(笑)。

    >、高音がある時は、声をそこにセットして中音域に入ると良いと思います。

     そこ、課題です。似たような事をY先生から注意されて指導されていますが、なかなか出来ない。難しい。いやあ、不器用なのが実にうらめしいです。

     頑張ります。

  3. とも より:

    聴かせていただきました。
    この演奏は歌う楽しさが伝わってきていい響きでよかったと思います。

    お疲れさまでした。

  4. すとん より:

    ともさん、いらっしゃいませ。

     お褒めいただき感謝です。まずは、後半バテてしまい、声がガラガラになってしまう欠点をどうにかしないといけないなあ…と思ってます。それにはひたすら精進と練習を重ねていくだけですね、頑張りますよ。

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