スポンサーリンク

見知らぬ人の発表会に、今年も行ってきました

 またも“見知らぬ人の発表会”に行ってきた私です。ちなみに、ここの門下の発表会は、昨年もうかがっていて、色々と感動し、たくさんの事を学べたので、今年も見に行ったわけなんです。

 なにしろ、この門下は、本当の趣味のオトナから、プロ歌手まで、実に幅広いメンバーで構成されているんですもの。歌われる曲目も、日本歌曲はもちろん、ミュージカルソングやポップスやカンツォーネからマジな歌曲やオペラアリア、オペラ二重唱と、幅広いんです。だから、色々と多くの事が学べます。

 例えば、歌には、それぞれのジャンルがあり、そのジャンルにふさわしい歌い方があるって事です。マイクを使う前提で作曲された歌は、やはりマイクを使って歌唱するべきで、それを声楽的な発声方法で歌った場合、その曲が持っていた良さが消えてしまう事があります。また、逆も真なりで、オペラアリアをポップス発声で歌われると、背中がむずかゆくなります。

 本当に正しい声楽的な発声の声は、なまじマイクを使って拡声したモノよりも、大きく聞こえるし、耳に心地よく響くとか。また、声の特徴って、本当に人によってマチマチで、声量的には乏しいけれど、実に良い音色で歌う人もいるかと思えば、やたらと声は大きいけれど、声は割れ気味だったり、音程を外し気味だったりする人もいるし、声量もあって音程も正しいのだけれど、つまらない音色で歌う人もいたり、こういうアマチュアの歌唱を聞いていると、プロの方の音程正しく声量豊かで美しい音色の歌声って、ほんと、貴重なモノだし、努力のたまものなんだなあって思うわけです。

 選曲についても考えました。これは好みとか偏見とかもあるけれど、やはり作曲家が想定した種類の歌手が歌わないと、なんともシマラナイという曲もあると思います。例えば、ナポリターナはテノール歌手が歌ってナンボでしょう。女性ポップス歌手が歌うと、特に高音域に入ると、声を裏返して歌ってしまうタイプの歌手さんが歌うと、ほんと、しまりません。聞いていて、なんかズッコケます。

 二重唱はバランスが大切です。一人で歌っている部分、二人で対等に歌う部分、一人がメロディーで他方はハモリの部分、それぞれに歌のバランスが大切です。オペラを歌う人って、たいていがソリストで、自分が前に出ることが好きな人が多いのですが、二重唱などのアンサンブルの場合は、出るところは出るけれど、引っ込むところはきちんと引っ込まないと。そうしないと、聞いていて、うるさく感じるんですね。

 美声は七難隠します。多少、音程やリズムや表現に難があっても、声が美しければ、すべてを許してもいい気になります。それくらい、声が美しい事って、大切なんだなって思いました。

 もっとも、ここの門下は、音程やリズムに難のある人は、ほとんどいませんでした。そこは割と皆さん、きちんとしてました。

 でも表現に関しては、実に個人差があると思いました。声であれ、動きであれ、的確な表現をする人もいれば、ほぼ棒立ちの東海林太郎のようなスタイルの方もいます。でも、その一方で、手ばかりがやたらとうるさく動く人とか、何をやりたいのかよく分からないけれど激しい動きをする人(つまり、演技が空回りしている…んでしょうね)などは、その動きにばかり気が取られて、肝心の歌の方が、歌っている方も聞く方もおろそかになっているような気がします。

 なんか、学べた点を羅列していると、悪口っぽくなるけれど、決してそんなつもりはありません。それどころか、ここの発表会を聞いて、私、かなり感動しました。3時間ほどでしたが、その3時間があっと言う間にしか感じられなかったもの。客の心を惹く何かがある歌い方をする人が多いんですよ。あれって何なんでしょうか? でも、ここの門下の人は、上手い人もそうでない人も、実に魅力的な歌い方をするんです。それが何か分かったら、私も思いっきり盗む(笑)んですが、今のところは、その魅力の正体が分からないんですよ。

 また、来年も見に行って、今度は、そこらへんの解明でもしますか。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村 クラシックブログ 声楽へ
にほんブログ村

コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。

    こちらは、自分の技術とか表現は別世界ですが、コンクールを聴いていたころは面白かったです。初めて某国内コンクールの1次予選を聴いたときは、どなたが2次に行くのか見当つけていました。はずしたら自分の耳が悪い、ということであきらめようかとおもっていました。結果は7,8割は当たっていました。国内のコンクールだけではなく、国際コンクールでもどのあたりかは見当つくようになった頃は面白かったです。
    ただ自分の出す音とか演奏を聴くと絶望的になってしまう、のは確かです。

    失礼しました。

  2. すとん より:

    tetsuさん

     コンクールも面白いでしょうね。当地でも、いくつか音楽コンクールが行われています。今はまだそこまで手を広げるつもりはありませんが…やがては、きっと、コンクールも見るようになるんだろうなあ…なんて思ってます。

     勉強のために見ている部分があるので、コンクールは、それを咀嚼できるほどに自分の実力があがってからでもいいかな…なんて思ってます。

  3. うえたか より:

    はじめまして。
    いつも拝見しております。

    自分も100の質問を使用させていただきました。
    相模湖地域で吹奏楽をやっていまして、そこのブログに掲載させていただきます。
    よろしくお願いします。

  4. すとん より:

    うえたかさん、いらっしゃいませ。

     さっそく拝見させていただきました。ありがとうございました。今後ともごひいきに、よろしく。

タイトルとURLをコピーしました