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本来の声で軽く歌えるようにする

 発表会後、始めての声楽のレッスンに行ってきました。

 先生曰く「すとんさんは、色々と追い込まれていたようですね…」という感想でした。実に優しい感想です。当日…と言うか、その前から私が病気になっていた事は、直接先生には伝えていませんでした。変に気を使わせたり、レッスンに手心を加えられるのを避けるためですが、発表会も終わり「実は私…」という話をしました。つまり、当日の不出来は先生の指導力不足のせいではなく、単純に私の体調のせいであると…まあ、少しは安心してもらえたらなあって事です。

 「それにしては二重唱は見事に歌えていましたねえ…」と言われましたが、それこそ、二重唱の方は、以前にも一度本番に上げた曲で、他の曲とは累積練習量がケタ違いですから、その練習量の多さが調子の悪さをカバーしたんだろうと思います。つまりは“歌い込みの量の違い”って奴ですね。

 「高音は、どんなに調子が良くても、失敗するときは失敗するんです。でも、体調がどうであれ、必ず一定の手順を踏んで高音を発声するようにしないといけません。体調の善し悪しなどで発声方法を変えてしまうのはいけません」と言われました。確かに今回、調子が悪かった事もあって、ちょっとばかり力任せのノド任せの以前の発声法に戻ってしまった部分があります。それはやはりダメなんですね。

 一定の手順…つまり、高音発声にはコツがあるわけだし、やり方があるわけです。調子が良くても悪くても、やり方さえ守って発声すれば、そんなにひどい事にはならないし、どんな体調の時でも、そのやり方をきちんと守れるように練習しておかないといけません、って事です。

 つまり、それが“テクニックで歌う”と言う事です。Y先生は、ノリや勢いで歌う事を否定しますし、カラダで覚える事も良しとはしてくれません。大切なのは、手順であり、その手順を常に冷静に行っていく事なんです。そのため、発声に必要な手順に関しては、細かく細かく注文するわけですが…でも私が大雑把でノリを重視する人間なので、そこがうまく出来なかったりするわけです(ダメですね)。

 今後の課題は“もっとテクニカルに歌えるようにする”って、事です。「しばらくは歌曲を中心に、もっと丁寧に歌えるようにしないといけませんね」との事です。私もそう思います。

 さて、発声練習になりました。今回は『声の軽さ』について学びました。とにかく、私の声は、本来は軽いはずなのに、私自身が重く重く発声する癖があります。ですから、その癖を取り除いて、本来の軽い声で歌えるように気をつけましょうって事です。それをしないのはモッタイナイって話なんです。

 と言うのも、高音を発声するためには、二つのルートがあって、一つは声の軽さを利用して高音に行くやり方と、腹筋を鍛えに鍛えて筋力で高音発声をするやり方があるそうですが、私の場合は、元々の声が軽いのだから、その声の軽さで楽に高音に行けるはずなのに、わざと重く発声して、その声の軽さを殺しているのがモッタイナイので、ぜひ、本来の軽い声で軽々と高音を歌ってほしい…とまあ、そんなところなんです。

 まあ、私、普段の発音からすでに、ついつい声を胸に落としているからなあ。そんなバリトンっぽい発声方法でテノール音域を歌っていたら、そりゃあ色々と無理はあるよね。

 とにかく、声を重くしない。声を胸に落とさない。そのためには、クチを上に開いていく事が大切なんだそうです。今の私は「クチを縦に開いて!」と言われると、舌根を下げて、アゴを落としてクチを開こうとするわけです。それでもクチは縦に開くし、やり方としては拙くはないのだけれど、これでは声が軽くはならないのだそうです。だから、クチを開くなら、舌根を下げるよりも、軟口蓋を上に上げる方をメインにした方が結果が良い…というわけです。

 うーむ、舌根を下げるのは感覚的に分かるんだけれど、軟口蓋を上げる感覚は、今の私にはないなあ…ないから出来ていないんだろうなあ。

 まあ、難しい事を考えつつも、気持ちとしては“軽い声”を“軽く”出して“軽やかに”歌えば良いみたいです…って、それが難しいのだけれど、それをテクニックとしてマスターすることが大切なようです。

 先は長いぞ。

 とにかく軽く歌うためには“立派な声”とか“豊かな声”とか“大きな声”はいらないのだそうです…って、それって私の売りのすべてが要らないって事ですねえ(涙)。

 次のステージに登るためには、色々と捨てていかないといけない事が多そうです。

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コメント

  1. だりあ より:

    喉とか肺とか、一番肝心なところの体調不良が尾を引いている中での発表会になって、ほんとにおつらかったと思います。おつかれさまでした。録音が聞けないのがさびしいですが、次回万全なときのお声を楽しみにして今回はがまんしますね。私、すとんさんの歌声、とても好きなのです。

    >“立派な声”とか“豊かな声”とか“大きな声”はいらない

    Y先生、とても的確に、いいことをおっしゃいますね。
    歌って、「立派な」歌声がず~っと最初から最後まで続くと、聞いてるほうのお耳は、疲れちゃうんです。・・・。
    大きな声も豊かな声も。早い話、「何事も過ぎたるは及ばざるがごとし」、ではないでしょうか。毎日の食事メニューも毎日ステーキじゃ胃が疲れてしまうしお財布も疲れてしまうし。
    基本は軽々としたさわやかな声で、ところどころに立派感あり、重点的豊か、ここぞで大きく聞こえて強調~、っていうメリハリって大切ですよね。音声で意味や心を伝えるって、なかなか難しいことですね。

  2. すとん より:

    だりあさん

     まあ、自分の実力不足による失態なら、自分を戒めるためにもアップしちゃいますが、今回は、いわばアクシデントによる過失みたいなものですから、自戒何も無いわけで、ほんと、ノーカン扱いですよ。次は、アップしますよ(笑)。

     しかし、大きくて立派な声を封印されたのは、自分的にはツライ事です。だって、そこしか取り柄ないんだもん。自分の長所を「いらない」と言われるのって、実はつらい事です…が、それも上にあがるためなら仕方ないかな…って思ってます。

     早く、安定したテノールになるべく、多少の事は我慢して、上を目指していきます。

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