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脱力はフルートでも不可欠です

 ええと、仕事が忙しくって、ふと気づいたら、ほぼレッスンの時間になっていたので、仕方なくフルートのレッスンをお休みした私です。もちろん、先生に連絡は入れました。

 それにしても、遅刻したり、欠席したりと、どうにもダメな生徒だな、私は。

 それはさておき、そんなわけで、今週はフルートのレッスン報告ができないので、例によって、フルートエッセイでお茶を濁します(笑)。

 今回のテーマは「脱力はフルートでも不可欠です」です(Death?)

 もちろん「フルート“でも”」の“でも”とは「声楽では言うまでもなく必要なんだけれどさあ~」という前提条件があっての“でも”です。

 声楽では脱力は必須です。とりわけ、ノドとかアゴとかクチビルとか、そういう箇所にチカラが入って、カチンコチンだと良い声が出ないだけでなく、音域も狭くなるし、何より音色がひどい事になります…以前の私のように(涙)。息をしっかり腹筋背筋で支えれば、後はなるべく脱力をして、必要な箇所に必要なチカラを入れて最低限の支えを入れた後は、残りの部分は柔らかでヘナヘナが良いのです。それで美しい声で歌えるわけです。

 もしもチカラを入れたまま歌ってしまえば、本人が疲れるばかりではなく、声を壊して、つまり楽器を壊してしまいます。なので、脱力が大切なのです。

 フルートでも、声楽ほどではないにせよ、やはり脱力は必要です。

 フルートでは、声楽と違って、チカラの入った演奏をしたからと言って、楽器が壊れてしまう事はありません…まあ、調整の頻度は増えるかもしれませんが、それでも大きな問題ではないでしょう。そういう点では、声楽ほど脱力脱力と唱えなくてもいいのかもしれません。

 しかしやはり、フルートでチカラが入ってガチガチになったままで演奏すれば…どうしたって指を思うように動かす事などできなくなってしまうでしょう。また、クチビルが固くなってしまい、フルートの音も固くなってしまうでしょう。ノドが絞まれば、息も続かないだろうし、なによりフルートを吹くのがつらくなってくるはずです。肩にチカラが入っていれば、楽器を構えているのがつらくなってくるはずです。それに、余計なチカラが入るって事は、フルート演奏以外の事で酸素が消費されるって事だから、余計に酸欠になってしまうかもしれないし…とにかく、フルートでもやはり脱力が必要になってきます。

 フルートを吹いている時に、クチビルがケイレンを起こして困ってしまった事はありませんか? 私は、結構あるのですが、実はこれ、クチビルにチカラを入れすぎて、クチビルが疲れてしまって、それでケイレンしてしまうのだそうです。知ってましたか?

 ケイレンは不随意運動ですから、一度起こってしまったら、しばらくはどうにもできません。ケイレンするがままの状態でフルートを吹くしかありません。みっともないヴィブラートもどきのモノが音に付いてしまいますが、それは仕方のない事です。あんまり、自分の意志とは違った事が起こるので、そんな時、私、クチビルをケイレンさせながら、おまけに笑いながらフルートを吹いてしまった事があります。だってもう、笑うしかないじゃないですか?

 脱力をすると言っても、実は難しい事です。ヒトは「○○をしなさい」と言われれば、頑張ってそれを実現しようとしますが「○○は止めなさい」と言われても、それを実現するのは、なかなかに難しい事です。やらない事はやる事の数倍難しいんですよ。

 だから「脱力しなさい」ではなく「○○をしなさい。(そうすれは結果として脱力できます)」という線で物事を考えて実行しないといけないと思います。では、脱力をするための「○○をしなさい」に相当するものはなんでしょうか? 私はそれは「息をしっかりお腹で支えない」なのではないかと思います。

 もちろん、息をお腹で支える事自体、大切な事だと思うけれど、そこに意識を集中させる事で、カラダの他の部分へのリキみを減らせるのではないかと思います。また逆に、カラダの余計な部分にチカラが入っている時なんて、しっかりお腹で息を支えられていないような気すらします。

 私はそんなふうに考えます。

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コメント

  1. だりあ より:

    こんばんは。今日のお題「脱力」、歌でも楽器でもよく言われますが、この動作ってムズカシイですよねえ。「だつりょくだつりょく」とアタマの片隅で呪文のように唱えていても、ほんのしばらくはもつのですが、すぐにキンキンと力がはいりはじめて、ハッと気づいて、また「だつりょくだつりょく」の呪文を唱えなおして・・・・・
    そのうちに脱力してるんだかしてないんだかわからなくなって、まあ細かいこと考えなくてもとりあえず笛が鳴っていればいいわよね・・・、って感じです。

    なにしろ修行中の身ですから、何気に脱力ができてしまうということは決してないので、演奏中でもアタマの片隅ではあちこちの力配分など細かいことを考えなくてはいけないのに、それ考えてるとかえって力がはいってしまう、という悪循環です。
    うまく脱力できているときは、笛がよく響くけど、無駄力が入ると響きを抑え込んでしまって、なさけない音で鳴りますね。
    なまじ違いがわかるようになっただけ、なさけない感が倍増しています。

  2. すとん より:

    だりあさん

     脱力難しいですね。私は、こんな記事を書いたくせに、今日はフルートの練習で指にチカラが入りすぎて、右小指の関節が外れました(笑)。関節って外れると、自力では戻せないので、左手で外れた右小指を持って「えいや~」とはめて上げないといけないのですが、フルートの演奏中にそんな事はできないので、外れたまま続けちゃいました。いやあ、脱力、難しいです。

     それでも、1年前、2年前と比べると、あっちこっちリラックスできていると思うので、こんな私でも、ちょっとは進歩している…と思ってます。そう思わないと、やってられない…って部分もありますが(笑)。

  3. だりあ より:

    (@@

    >指にチカラが入りすぎて、右小指の関節が外れました(笑)。

    そんな・・・・、小指の関節がはずれてしまったって、サラッとおっしゃいましたが、痛くないんですか?関節って、はずれてもはめれば治っちゃうんですか?私だったらお医者さんへ飛んでいきますが・・・。
    余裕で(笑)、とあったのでびっくりしてます。

  4. すとん より:

    だりあさん

     外れ慣れなかった頃は、イチイチ痛がっていましたが(いや実際痛かったんですけど)、回数重ねるうちに、なんか平気になってしまいました。今でも一応痛みはあるんですけれど、痛みそのものも以前よりもだいぶ薄い感じだし、それに人間って痛みに慣れちゃうみたいで「ああ~、痛いかも~」って感じです。

     たぶん、私の右の小指の関節は、外れ癖がついてしまったのだと思います。

  5. tetsu より:

    フルートの指だけに限定すると、キーを押さえるだけでそれ以上の力はいらない、と以前師匠のどなたかに言われたことがあります。中音のcisの指使いで右手小指を離して楽器が安定していれば(いわゆる3点指示)、どの指もキーを押さえるだけ、というのが理想です。実際は吹いているといろいろなことが次々と起こって、それどころではなくなる、というのが現実ですが。

  6. すとん より:

    tetsuさん

     私はH先生に「フルートのキイは押えるものじゃないよ。触るものだよ」と言われた事がありますし、プロとアマの大きな違いの一つに、どれくらいのチカラでキイを押えるのかというのがありますと習いました。

     プロフルーティストはキイをほとんど押えないんだそうです。ただ、触れるだけ。それだけで十分になるように、フルートもそれように調整するんだそうです。と言うのも、いちいちキイを押えていたら速いパッセージなんて吹けないからなんだそうです。キイは触れるだけでOKにしておいて、始めて速いパッセージを吹きこなすことができるのだそうです。

     もちろん、今の私のフルートは触った程度じゃダメです。しっかり、押えないとダメなように調整されています。おまけに調整がかなり狂った状態なので、しっかり押えても音が出ない有り様なんですけれどね(笑)。楽器をお店に預けて調整してもらうと、アマチュア仕様に調整されてしまう(当たり前だね)ので、どうしてもしっかり押えないとダメなんですね。面前で調整してもらえて、なおかつ、ツーカーな職人さんに調整してもらえると、かなりワガママを聞いて貰えるので、とても軽めに調整してもらった事あります。ほとんど押えないで触るだけでOKになるように調整してもらうと、実際、演奏がすごく楽になります。おまけに狂いづらくなるので、吹いていて気持ちいいです。でも、職人さんに言わせると、かなりシビアな調整になるので、とても大変な調整なんだそうです。

  7. tetsu より:

    こんばんは。

    > フルートのキイは押えるものじゃないよ。触るものだよ

    この言葉で思い出したのはJ.ベイカーでした。J.ベイカーを直接聴いたのは最晩年の公開レッスンだけでしたが、スケールを毎日一ずつさらうとかで、フルートとの関わり方だけでも強烈でした。
    youtubeで見れる動画でもわかりやすいです。指だけでなくて超越していますが。

    http://www.youtube.com/watch?v=ijLx7k-y6fs

    失礼しました。

  8. すとん より:

    tetsuさん

     YouTubeの画像、なんかすごかったです。もちろん演奏もすごいです。完璧なデュエットって奴でしょう、フルートのデュエットでここまでピタッとしたものがあるなんて…。いやあ、すごい。もう一つ言えば、この画像、おそらく元は白黒ですね。それを着色? もちろん、コンピューターで着色したと思いますが、なんか、面白い感じに仕上がってますね。

     面白い画像のご紹介、感謝です。

  9. JazzPlanet より:

    “フルートのキーは押さえるのではなく触れるモノ”
    私は以前にサックスを吹いていた為かフルートもそのときの感覚で吹いていましたが何か違うと感じていたもので、上の言葉はとても納得するのでした。

  10. すとん より:

    JazzPlanetさん

     私はサックスには憧れますが、サックスを吹いたことはありません。以前に習っていたフルートの先生が「フルートが一通り吹けるようになったら、持ち替え楽器として、サックスをやりましょう」と言ってたので、サックスには憧れがあるんです。

     ちなみに、そのフルートの先生。今はフルーティストとしてよりも、サックス奏者としての仕事の方が多いらしいです(笑)。

     サックスだと「キーを触れる」程度じゃ演奏できなさそうですね。しっかり押えないとダメでしょう? でもフルートはキーを押えちゃダメなんですね。そういう意味では、フルートって繊細な楽器なのかもしれません。

     だいたい、銀とか金とか、柔らかい金属でできているしね。

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