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吹奏楽部を辞めました

 毎日のように「仕事が忙しい」と連発している私ですが、これはいわゆる配置転換というか、役職変更のため、私の勤務先やら仕事内容やらが大きく変わったからなわけですが、そんな色々と変わった私の中でも、大きく変わった事の一つとして、吹奏楽部の顧問を辞めた事があげられるでしょう。

 たった一年しかやらなかった顧問ですし、いかほどの事もしてあげられなかったわけですが、それでも、思い出深い一年間でした。たった一年とは言え、それまで想像もつかなかった“吹奏楽文化”に身を置いてみて、この世界特有の業界事情やらに触れ、クラシックの世界とは全く違った、一種独得な音楽世界を知り、私の見識も大いに広がったものです。

 定期演奏会にムリクリ参加したのも、実は吹奏楽部顧問を辞めることが内定していたので、最後の思い出として参加したわけですが、あそこでむりやりのエア演奏であっても、参加できて良かったと思ってます。

 そして、一年間やってみて、改めて確信したのは『吹奏楽はクラシック音楽ではない』と言う事。そして面白いなあと思った事は、吹奏楽関係者の一部の方(一部だけれど、数的には多数)が『吹奏楽はクラシック音楽である』と信じている事。吹奏楽がクラシック音楽ではない事を、論理的に説明して論破することは可能だけれど、論破したからと言って、相手が信仰を変えてくれるはずものなく、いやむしろ、ますます信心を強くするだけだという事も学びました。まあ、信仰とか宗教って奴は、迫害されるほど、強くなるものだしね。

 それと『クラシック音楽は高級な音楽である』と思っている人が、吹奏楽関係者には多くいらっしゃる事にもビックリでした。プロにしてもアマにしても、クラシック音楽関係者って、案外サバサバしてて、クラシック音楽とポピュラー音楽を、好き嫌いで区別はしていても、音楽としては同じ地平に置いて考える人が多いのですが、吹奏楽関係者と話していると、しばしばクラシック音楽を高級な音楽だと信じているフシが見られるのが「なんかなー」って思いました。

 「クラシック音楽なんて、ヨーロッパの民族音楽の一つだし、当時はごく普通のポピュラー音楽だったわけで、それが時を経て今に伝わっているだけで、そういう意味では、クラシック名曲なんて、ポピュラーのスタンダード曲程度のモノなんだよ」なんて言おうものなら、異端者のごとく扱われた事は、新鮮でした(ブラボー!)。たぶん、クラシック音楽を貶めるような事(そんなつもりは微塵もなかったわけだけれど)を言うのは、この世界ではタブーなんだろうなあ。

 ま、実際、私って、吹奏楽の世界じゃあ、異端者だったんだと思うけど(笑)。

 とりあえず、我が部のフルートちゃんたちには、吹奏楽のフルートと、クラシック音楽でのフルートの役割とか、音色の違いぐらいは、伝える事ができたので、それで良しとしましょう。

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コメント

  1. ひょっとこ より:

    この広い宇宙のほんのちっぽけなところで、
    ほんの一瞬瞬く存在なんだけど、
    そんなに拘るんだね。

    多分、過去に紹介したと思うけど。
    J.S.Bach-Beatbox Flute-Greg Pattillo
    http://www.youtube.com/watch?v=bbgyZ76wR2s&feature=share

  2. su_zan より:

    お疲れさまでした!!
    吹奏楽は独特ですよ。本当にフルートの勉強するんだったら
    もしかするとやらない方がいいのかもしれないと
    若い時代をおもっておりました。
    だってやらないといけない曲、フルート多くて。笑
    バッハから現代。時間足りないです。
    音の作り方も違いますしね。
    ほんとおつかれさまでした。

  3. operazanokaijinnokaijin より:

    吹奏楽とは、なんぞや?
    クラシック音楽とは、なんぞや?
    この手の議論、大好きです。
    いや、別に、今日、ここで書きませんが。
    ( ̄▽ ̄;)

    正解など、もちろん、なく、
    各人が思い思いに、
    吹奏楽は、こうあるべし、こうあって欲しい、
    クラシック音楽は、こうあるべし、こうあって欲しい、
    などなどを、熱く語り、議論する機会が、
    昼でも、夜でも、あって、いいと思います。
    ♪ヽ(´▽`)/ ♪♪(~▽~@)♪♪ρ( ^o^)b_♪♪ヽ(*´▽)ノ♪

    1年間の吹奏楽部顧問、お疲れ様でした。
    (⌒∇⌒)ノ”

  4. すとん より:

    ひょっとこさん

     すごいですねぇ。フルートを吹くだけでも大変なのに、ボイパをしながらフルートを吹くなんて、超絶技巧ですね。それも、バッハ!

     バッハと言うと、クラシック音楽の中でも、いわゆる上位に属する、クラシック中のクラシックとも言うべき、ランクAの音楽家ですが、いわゆるジャズの人って、ほんと、バッハ好きですよね。Greg Pattillo氏がジャズフルーティストかどうかまでは知らないけれど、数多のジャズミュージシャンがバッハを取り上げて、自分たちの音楽として演奏していますね。彼らにとっては、ジャズとクラシック(それもバロック)は地続きなんでしょうね。こういう人の演奏を聞いていると、世の中には『好きな音楽』と『苦手な音楽』と『単なる騒音』の三種類の音楽しかないんじゃないかって思います。

     音楽の傾向の違いとしての音楽ジャンルというものはありますが、だからと言っても、どちらが良くて、どちらが悪いって事はないと思います。結局、最後は「私はこの音楽が好き」って事にしかならないんだろうと思います。

     自分が好きなら、それでいいじゃんって思います。別に誰かに権威付けなんてされなくても十分だよって思います。ん? 話がズレたかな?

  5. すとん より:

    su_zanさん

     私、吹奏楽もフルートもジャンジャンやればいいんじゃないかって思ってます。ただ、その二つは違うのだから、その違いをしっかり区別して、ゴッチャにしなければ、それぞれを楽しめていいんじゃないかって思ってます。

     違うものをゴッチャにすると…様式美って奴がグチャグチャになっちゃうので、返ってダメになるんじゃないかと思います。様式美って、大切でしょ?

  6. すとん より:

    soperazanokaijinnokaijinさん

    >1年間の吹奏楽部顧問、お疲れ様でした。

     お疲れだったけれど、結構楽しかった一年間です。それにしても、吹奏楽って音楽は熱い音楽でしたよ。あと、やっぱり、青春の音楽だね。オジサンにはまぶしいまぶしい。

    >吹奏楽とは、なんぞや?

     …なんぞや?…?? 一年顧問をしましたが、私も未だに「なんぞや?」って気分かな? 一つの音楽ジャンルには間違いないけれど、定義をするのは難しいかもね。ビッグバンドとの違いとか、ポピュラーオーケストラの違いとか、カラオケとかアレンジものとか、まあ、色々な事を考えないと、きちんと定義付けできないんじゃないかって思います。

     まあ、でもそれも、考え始めると楽しいのですがね(今日は疲れているので、考えません:笑)。

  7. K&A より:

    私もクラシックファンで、ルネサンスから現代まで雑食なのですが、ももいろクローバーZやPerfumeも好きですし。(ももクロはヒャダイン作曲のがいいですよね。ココナツとか怪盗少女とか)。
    ポピュラーとどっちが高級とかあまり考えないですね。でも、普段クラシックを聴かない人には、ぜひライブで聞いてほしいとは思います。アンプを使わないフルオケの音圧とか、CDでは聞けない弦のやわらかい響きとか。

    吹奏楽は長らくクラシックではないと思ってました(今もそうですが(苦笑))。コンクールでクラシックの難曲を編曲して演奏してるのもちょっと違和感があります。邦人現代作品の編曲ものも好んで演奏されるみたいですが、顧問の先生の自己満足に付き合わされているだけではないかと思ってしまいます。その楽曲に共感できる高校生がどれだけいるのかなぁと。現代曲は、高級だからわかりにくいとかではなくて、ある程度聞き慣れないとなかなか音楽がつかめないと思うので。アクロバティックな不協和音や変拍子の連続するフレーズを吹きこなすことよりも、吹奏楽オリジナルの良い曲をきっちりやって評価されるコンクールの方が正しいありかたでないかなぁと。

    ところで、伊福部昭は、純音楽と効用音楽、というような区別をしていますね(「音楽入門」にありました)。「音楽は音楽以外の何者をも表現しない」「音楽は思想で作るものではなく音で作るものだ」というような言葉もひいて、ツラトゥストラをけなし、ジムノペディをほめたたえています。

    だからクラシックかどうか、というよりも純粋に音で勝負の曲かそうでないかくらいの区別なのかなと。

  8. すとん より:

    K&Aさん

     音楽を『純音楽』と『効用音楽』に分ける視点は面白いですし、だからこそ、純は純なりに、効用は効用なりに突き詰めていけば、とても面白い音楽になるわけです。「ゴジラのテーマ」なんて、効用音楽なんでしょうが、実に素晴らしい音楽だと思うし、ありゃあ名曲ですよ。

    >音楽は音楽以外の何者をも表現しない

     ロマン派の方々や印象派の方々が聞いたら、卒倒しそうな事、言ってますね。でも、ある意味、大正解だと思います。伊福部氏は、古典派音楽(つまりクラシック)を直で受け継いでいる方なのかもしれませんね。

     そういえば、ジムノペディも立派な効用音楽ですね。

  9. su_zan より:

    >私、吹奏楽もフルートもジャンジャンやればいいんじゃないかって思ってます。
    そうなんだけどねえ、わたしそんなに器用ではないし。
    ピッコロ基準で頭が動くので、吹奏楽はねえ。

    吹奏楽のオリジナルにわたしの好みが少ないからかも。
    この間、グレンジャーのリンカシャーの花束きいていて、ピッコロの変拍子のところは
    Aバージョンが好きやな、とか、パーシケッティの交響曲すきだったなあ、みたいな事はありますけど。フェスティバルバリエーションはいつかやったなあ、ぐらいですかね。
    そう、すべてピッコロだったから。
    小山清茂も良く吹いたわ。

  10. すとん より:

    su_zanさん

     吹奏楽では、フルートは地味ですが、ピッコロは花形ですからね。フルートはいなくても分からない曲もありますが、ピッコロは常に存在感バリバリですから、吹奏楽ではピッコロ基準で頭が動くというのも分かります。吹奏楽をやられるなら、やはりピッコロは外せないでしょう。

     しかし、私はピッコロ吹けないんですよ。技術的な問題もさることながら、あまりに笛が小さすぎて、うまくキーが押さえられないんですね。ずばり“手に合わない”んです(涙)。

     たぶん、私がピッコロが吹けたなら、もう少し吹奏楽にも好意的な態度になれるのかもしれませんが、フルートしか吹けない(それもかなり怪しい)私的には、どうにもこうにもなわけです。

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