話題的には昨年からの続きになりますかね…。
レッスン仲間のお姉様に縮緬ヴィブラート(私の言うところのヴィブラートC、加齢によるヴィブラートね)の方がいますが、その方へのキング先生のアドヴァイスが興味深かったので要約して書きます。
まず、腹筋は使わない。腹筋で息のコントロールをすると、どうしても声が震えます。必ず背中を使ってください。次にアゴの力を抜きましょう。アゴが固いとやはり声が震えます。
この二つの点だけでも注意すると、だいぶ縮緬ヴィブラートは押さえられるそうです。背中とアゴ…。町の合唱団レベルのボイトレだと、なかなか背中やアゴまで注意されるところってないんじゃないかな…。私の知っているところでも、背中を指摘する先生は一人だけかな? 指摘はするけど、使い方まではなかなか教えてくれないし(って、個人レッスンじゃなきゃ無理だね。キング先生はグループレッスンの最中に必ず一人一人の個人レッスンの時間も取ってくれるので感謝です)。アゴの使い方をしっかり注意する合唱団のボイトレというのも知らないなあ。私もアゴには苦労してますが、これも個人的に指導されないと無理だねえ。
縮緬ヴィブラートも、個人レッスンやそれに準拠するようなレッスンを受ければ治せるわけだから、決して加齢が原因というわけでもなく、どっちかと言うと、テクニック不足が原因のようですね。その点は私の認識不足でした。
年をとるに従って、身体が変わっていくわけだから、その変わっていく身体にふさわしいテクニックを、常に身につけていくことが、肝心なんだろうと思います。
たとえ高齢であっても、一流のプロのソプラノ歌手に縮緬がいないのは、そこんところなんだろうね。
撲滅!、縮緬ヴィブラート! …がんばって参りましょう。
コメント
昔ついていたソプラノの先生のレッスンではとにかく背中を使わせられました。
テノールの先生のレッスンでもそうでしたね。
とても良いのは出産の時の感覚を思い出すことなのですが(男の方にはちょっと恥ずかしい話題ですが・・・。奥様にお聞きになってくださいね。)
とても参考になりました。
>Ceciliaさん
背中って大切ですよね。でも一般向けの声楽の本(普通に本屋さんで購入できるという意味)では、腹式呼吸の大切は書いてあっても、背中をうまく使う事まで書かれている本はあまり見かけませんので、独学者の方々は背中に注意を払わない事が多いのだと思います。その結果が縮緬なのかもしれませんね。
私もお正月休み明け、一発目の歌声は見事に縮緬でした。男性でもサボっていると、縮緬ヴィブラートになることを身をもって知りました(笑)。
こんにちは
縮緬ビブラートで悩んでいるものです
背中を使うというアドバイスはとっても参考になったのですが、背中をどうすればこのやっかいなビブラートを抑えることができるのかちょっとわかりづらかったので、もう少し具体的に教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
アサアサさん、いらっしゃいませ。
ううむ、2008年の記事ですね。私も、昔はこんな事を書いていたんですねえ…。
で、あれからほぼ5年が経ち、私も色々と考えが変わったり、深まったり、転向したり…しています(笑)。
今の私は、縮緬ヴィブラートは、支えが弱いために起こる現象で、声を支えている筋肉が、一種のケイレンを起こし、それが声に現れている現象だろうと考えてます。重いものを持った時に、腕がプルプルする、あの現象が呼吸筋に起こっているのではないかと思ってます。
声をノドやアゴや首で支えいてると、それらの筋肉はさほど強くないので、すぐに疲れて、声を支えきれなくなり、その結果、筋肉がプルプルしてしまい、縮緬ヴィブラートになってしまうのだろうと思います。
なので、しっかり大きな筋肉で声を支えれば、筋肉がプルプルする事はなくなり、縮緬ヴィブラートを回避できると思います。
ブログの記事では「腹筋は使わない」と書いてありますが、それは厳密には間違いです。この時の、レッスン仲間のお姉様が、腹筋を固めるような使い方をしていたので、そのやり方はダメですと言っているだけです。確かにお腹の表面の筋肉だけを使って、腹筋を固めるようにして歌うと、すぐに筋肉がプルプルしてしまいますが、深いところにある腹筋ごと支えれば、決してそんな事はありません。ここで訂正しておきます。
さて、ご所望の『背中の使い方』ですが、これは理屈で言えば、声を具体的に支えるのは横隔膜なんですが、この横隔膜は骨とはつながっていなくて、実は背筋とつながっているのです。ですから、背筋を緊張させる事で、間接的に横隔膜を緊張させ、それで声を支えるという理屈になります。
具体的なやり方は、ウエストのやや下側の背中の辺りに手を当ててください。腹式呼吸をした時に、大きく膨れるところです。ここを緊張させて、なるべく膨れたまま、縮まないようにして、歌ってみてください。出来れば、背中が膨れる方向は、後斜め下45度ぐらいが良いかもしれません。
背中がさほど膨らまなければ、同時にお尻をすぼめてみたり、内モモを背中から前にひねってみたりといった補助動作を加えても良いかもしれません。この、背中を張ったまま歌う、と言うのが、背中で歌うといった動作です。
当然、声を背中で支えているのですから、ノドやアゴや首などに力を入れる必要はないので、そのあたりは脱力してみてください。
文字で書くと、たったのこれだけですが、実際に習得するとなると、ちょっと時間がかかるし、身体的にもシンドイかもしれません。焦らずにゆっくりと時間をかけて、習得してみてください。