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月謝の払いがまだ足りませんね(笑)

 フルートのレッスンに行ってきました。

 実はレッスンに行く、ほんの4時間前に、ウィットナーに左の手のひらを噛まれて、怪我をして、流血事件を起こしてしまいました。

 その日は、中学生相手に音楽の授業をしたのですが、授業で生徒たちにウィットナーの楽譜台を使わせるんですよ。で、このウィットナーの組み立てが、ちょっとした知恵の輪で、多くの生徒たちが毎回「???」になり、上手く組み立てられない、上手く片づけられないが続出し、結局、私のところに持ってきて、どうにかしてくれって泣きつくわけです。

 で、中には、散々力業でどうにかしようとして、どうにもならなくて、あっちこっちひん曲がってしまったウィットナーを持ってくる生徒がいるんです。今回も、そういう生徒がいたと思ってください。

 本来なら、スーっと入るものが、ひっかかってうまく入らない。曲がっているところは直してみるのですが、入りそうでうまく入らない。そんな時は、仕方がないので、正しい方向に「エイヤっ」て感じで気合と共に入れちゃうのですが、今回はその時に、私の左手が尊い犠牲になりました。

 いやあ、手のひらって、傷口が小さい(幅5mmぐらいだよ)のに、血って出るもんだねえ…。ダラダラ出てたよ(笑)。まあ、脈打つような感じで出血していたわけじゃないし、血の色もかなりダークなレッドだったので「まあ、そのうち止まるだろう」とタカをくくって、傷口をベロベロとナメ廻し、したたり落ちる血をすすっていたのですが(だって、唾液って、一番お手軽な消毒液でしょ?)、なかなか出血が止まらない。時計を眺めていたのですが、1分2分しても止まらない。なんか、左手が結構痛い…。そのうち、血の味に飽きてくるんだけれど、止まらないから、ナメるのやめられなくて…やがて、少しずつ出血量が減っていき、10分を過ぎたあたりで、ナメ続けなくて良い感じになり、15分ぐらいで、ようやく出血が止まりました。いやあ、長かった。年を取ると、血も止まらなくなるんだね。

 ちなみに、時間はかかったけれど、出血量そのものは、大したことはなかったと思います。

 血さえ止まればこっちのものです。一時は、このまま救急車に乗って、傷口を縫わないといけないかなって思いましたが…結局、バンソコウを一枚貼ってお終い。

 その後も、数日は、左手を使うと、血がジワジワとにじみ出すので、適当なところでバンソコウを取り替えなければならなかったけれど、やがて血は完全に止まり、とりあえず様子見状態になりました。おそらく、完全に治るまで数週間かかりそう。傷も残るだろうなあ…。

 で、当日の話に戻ると、ひとまず出血が収まったものの、手のひらが、結構痛い。左の親指&人指し指を使うと、ジワジワと痛みます。手が痛いので、フルートのレッスンを休んでしまおうかとヒヨったくらい、痛かったのですが、結局、勇気を出して、レッスンに行きました。

 しかし、楽譜台にかまれて流血騒ぎを起こすとは、夢にも思っていませんでした。おそるべきは、ドイツの楽譜台、ウィットナー。人間様よりも堅牢にできていやがる。いやあ、ドイツ魂を見せてもらいました。
 
 
 肝心のレッスンですが、結論を先に書くと、アルテもミニヨン・エチュードも両方とも不合格でした。元々まだ完成度が低かった上に、左手の痛みに気を取られて、あっちこっち演奏が止まってしまったので、まあ、今週は仕方無しです。

 アルテ15課5章1番の『音階準備練習』なんて、まだ間違えるわけです。そうすると、先生は、私が間違えた、その音からやり直せって言います。私は間違えた時は、間違えた事は分かりますが、色々と余裕がないので、どこで間違えたのか、それはどのターン(どこの音から始まってどこの音で終わるのか)なのか、上昇音形の時なのか下降音形の時なのか、一度目なのか二度目の繰り返しで間違えたのか、間違えた途端に、パ~っと頭の中が白くなって分からなくなってしまうのですが、それじゃあダメだと言われました。ちゃんと頭の中で、どこを吹いているのか、何の音を吹いているのか、しっかり意識して、たとえ間違えたとしても、いつでも、その間違えた箇所から始められるようにしなさいって言われました。ううむ、今度から自宅で練習する時も、そのあたりの事を意識しながら練習してみましょう。

 ミニヨン・エチュードの15番は、前半はまあまあですが、後半がボロボロになります。これは一人で吹いていると、はっきり分かりませんが、先生と二人で吹いていると、前半はいい調子で吹けますが、後半は私の指が先生の演奏にまったく追いついていないので、すぐに「あ、後半がダメなんだな」って分かります。先生には「まずはゆっくりでいいから、しっかり吹いて来ること。スピードをあげるのは、そのあとでいいよ」と慰められました。

 今回もまた「吹きすぎ!」って注意されました。いやあ、私自身、かなり気をつけているつもりですが、やはり吹きすぎてしまいます。

 「君は頭部管を抜きすぎなんだよ」と言われました。「君は頭部管を多めに抜いて、フルート全体の調子を低めにして、そこへ息をたくさん入れて吹き上げて、音程を合わせている。それじゃあ、美しくないよ」なんだそうです。「まず、頭部管はあまり抜かない事。フルートには軽く息を入れること。その状態でチューナーを見て、音程を確認してごらん」

 なるほど、私は、フルートの音程を低めに設定して、それを息の力で音を高くして音程を合わせていたのか…なんか納得してしまいました。

 フルートの初心者の頃、もちろん、ブレスコントロールがちゃんとできなくて、それでチューニングすると、かなり頭部管を抜かないと合わないわけで、その頃の癖がまだ抜けていない…んでしょう。

 「初心者の時は、頭部管を抜きすぎてしまうのも仕方ないですが、もう、そういう段階ではないのだから、頭部管はあまり抜かず、息をはあまり入れず、優しくフルートを吹いてください」 ラジャーです。

 「フルートの音量は、息の量で決めるんじゃないですよ、それではうるさい音色になってしまいます。フルートの音量は、クチの中の広さで決まります。クチの中を広くして吹くと、大きな音になりますよ」とおっしゃって、先生、やおらフルートを取り出して、吹き始めました。

 モーツァルトのフルートコンチェルト、ベートーベンの第九、ブラームスの1番…これらの曲のフルートパートを、良い吹き方、悪い吹き方の色々なスタイルを交えて、吹いてくれました。特に、理想的な吹き方の方では、結構たっぷりと生演奏を聞かせてくれました。

 どうやら先生は、ただうるさいだけのフルートの音と、オーケストラでも通用する優しくて良く響く音の両方を実演してくださったようです。それにしても、美しい音色に、ほれぼれしちゃいます。

 「分かりましたか」

 「よく分かりました。分かりましたが、なかなかできません」

 「分かったからと言って、簡単にできるわけはありません。もっともっと精進してください。そうすると出来る様になりますよ。つまり『月謝の払いがまだ足りない』って事です。ウチの生徒さんは、みんな長いんですよ。10年20年習っている人もザラです。これくらいの事は、毎週レッスンに通っていると、やがて出来る様になりますからね」って言われました。まあ、そうでしょうね。出来る様になるまで、せっせと月謝を支払わせていただきます(爆)。

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コメント

  1. ぼー より:

    災難でしたね。
    唾液は雑菌だらけでまずいです…ま、多少はIgA(分泌型の免疫物質)は含まれているとは思いますが、雑菌の圧勝です(笑)
    野菜ジュースを口つけて飲んで常温放置すると、発行して容器が破裂する程ですから…一番よいのは水道水で洗い流す→綺麗なガーゼ等で圧迫止血→キズパワーパッド系の絆創膏を貼る、です。ヘンにマキ○ンとかオロナ○ンとか使いたくなりますが、流水が一番です。

    自分は頭部管は1cm弱抜きます…まだまだですね。
    口の中を広げると良く響きます…言うは易しですよね(汗)
    インナーイヤーヘッドフォンをすぼめた唇の前に持ってくると音が大きく響きます…これと同じってことですよね?で。口腔容積を変化させると響く音の音域が変わる…ただ大きくしただけじゃダメなのかなぁ?…なんて思ったりします。
    サックスはこの変化だけでオクターブ変えられたりします…口の中、大事ですよね。

    でも、オーボエでやっていたら「音を作りすぎ」と注意されちゃいました…ほどほどが大事ですね(汗)

  2. すとん より:

    ぼーさん

     唾液って雑菌だらけのなの? それは不勉強でした。でも、私はいつも、傷はなめて直してます(笑)。だって、ワンコもニャンコもそうしているじゃん、人間も同じ動物だから、平気っしょ(笑)。

     キズパワーバッドを使ってますよ。で、その中でジュクジュク出血したりしなかったりしてます(笑)。まあ、化膿さえしなければ、なんとかなるでしょ。

    >口の中を広げると良く響きます…言うは易しですよね(汗)

     …ですね(笑)。それで思いついたのだけれど、私は先生からよく音色を誉められるんだけれど、これってやっぱり口腔が割と広いからだろうなあって思いました。一応、これでも歌手ですから、並の人よりも、クチはデカいし広いです(爆)。

     ちょっとだけ、得した気分です。

  3. 指の傷は災難でしたしね。
    確かにコンパクトに畳める譜面台ほどその畳み方や組み立て方って
    ややこしくなりますから・・・焦ると挟まれる事もあるでしょうが、
    思わぬ危険ですね(^_^;)

    ちなみに私は、以前の職場で石膏ボードをカッターで切ろうとして、
    左手の人差し指の第一関節のあたりを切っちゃった事がありました。

    さすがに血が全然止まらなく、すぐさま病院に行きましたが、
    3針縫うことになりました。
    ここまで来ると指を潰されたようなズキンとした痛みになります。

    さらに悪いことに神経まで切れてしまったようで、
    しばらくは指の先の半分が感覚がありませんでした。

    今では感覚は戻ってますがやや弱いですし、強く押さえると痛いです。
    そして冷やしても痛いです。

    幸いピアノ・フルート、ギターの演奏には支障が無いようで
    (支障が出るほど高度な楽曲をやってないためかもしれませんが)、
    助かっている・・・次第です。

    フルートの音色や音量はいかに口の中を広く出来るかにかかってくるんですね。
    私はまだそこまでは教わってませんが、口の中を意識して広げると
    やはりいい音が出るような気がするので、そう言うことなんだなあ・・・と思いました。

    月謝の払いが・・云々のお言葉も、楽器の習得の性質をいい得ているようで、
    妙に納得しちゃいました。

    どんなに器用な人でもそれなりに時間は要すると思うので、
    焦らずコツコツ継続するのが大事・・・と言う事ですね。

    お互い長く続けられるよう頑張って行きたいですね!!

  4. すとん より:

    神楽坂さん

     神経まで切ってしまうとは、かなりの深手じゃないですか! でも、大事に至らず、日常生活に支障が現れないほど回復されて良かったですね。まあ、私の方のキズは、今となっては、痛い(笑)だけで、あとはジョロジョロにじむ出血がおさまって、傷口がふさがればOKでしょう。でも、手なので、どうしても使ってしまうので(今もパソコンのキーを叩いているし:笑)、やはり治りは遅くなってしまうでしょうね。

     月謝うんぬんの話はウィットが効いてるでしょ? でも、楽器って、習得するのに時間がかかるって事だし、天才は存在しても、王道はないって事なんだろうと思います。結局、神楽坂のおっしゃるとおり『焦らずコツコツ』なんだと思います。

    >お互い長く続けられるよう頑張って行きたいですね!!

     はい、励まし合って、頑張り続けていきましょう!

  5. 椎茸 より:

    いいお言葉ですね ^-^
    私も、じゃんじゃんお月謝を支払いたいと思います!(笑)

  6. すとん より:

    椎茸さん

     …でしょ? ウィットに富んだ明言でしょ! じゃんじゃん御月謝を払い続けられるように前向きに練習しないとね! ガンバガンバ。

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