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時間は逆さまには流れません

 フルートのレッスンに行ってきました。

 結果だけ言えば、全部、不合格でした。ま、努力はしたんだけれどね。やっぱり、#が四つも付くとなかなか手強いですよ。たかが『E-durのロングトーン』ですが、でも、難しいですよ。個人的に、レを見てミbを吹くのは、かなりの難義です(頭、固いんです)。

 それでも、多少は上達していると思いますよ。1番の『音階準備練習』だって、今回はメトロノームに合わせてやったんだよ。第3オクターブだって、しっかり音を出したんだからね。問題は「ええと…次の音に#は付いたんだっけ?」とか「おぉ、#が付くよ、運指は…どうだっけ?」とか、頭の中の処理に時間がかかってしまって、しばしば指が止まっちゃう事かな? 練習を重ねて、カラダで覚えるしかない…のかもしれないけれど、カラダで覚えるのは不可って先生が言っているので、いちいちその場で脳内変換をしながら吹かないといけないので…頑張るしかないよね。

 ミニヨン・エチュードも、まだまだ指がこなれていません。あっちこっち、しばしば行方不明になってます。もっともっと吹き込まないとね。

 それにしても、音色には気をつかっているつもりだけれど、まだ「うるさい!」って言われちゃいました。もっともっと、支えをしっかりとして、優しい音色で吹かなきゃダメダね。

 H先生の教え方で良いのは、一緒に吹いてくれる事。言葉での説明も分かりやすいけれど、言葉だけじゃ分からない部分ってなるんだけれど、そういう時は模範演奏もそうだけれど、一緒に息を合わせて吹いてくれるわけよ。これをやると、自分と先生の違いがすごくよく分かるんだよねえ。ちょっとした、タイミングの取り方とか、微妙なテンポ変化とかも一緒に吹くとよく分かる。クチ移しのような教え方かもしれないけれど、私のようなボケナスには結構有効な教え方だと思います。とにかく、次回まで、練習をしっかりやってこよう。

 まあ、今回は全部不合格だったわけだけれど、H先生は「それでも上達してますよ」と優しく慰めてくれます。でもね、私の上達の速度なんて、アリさんだよね。

 日頃、見ている吹奏楽部の若者たちの上達速度は、私と比べると、それこそ『アリと音速ジェット』ぐらいの違いがある。石ノ森キャラで言うと『ロボコンと009』ほどの違いがあるわけ。もっとも、ロボコンは脚をしまって車輪を出せば、そこそこ速いけれど、私は脚をしまえなければ、車輪も出ないので、いつまでたっても、遅いまんまです(涙)。

 「結局、運動神経だからね。若者にはかなわないよ」とは先生の弁です。

 「そうですね。すでに若者じゃないし、若返りも無理だから、今のままで頑張るしかないですね」

「私もね、今の経験と技術を持ったまま、若くなれたら、最高だと思うよ。若い時は、今よりも、ずっと指が回ったから、何も考えずにピーヒャラピーヒャラ吹いてただけで、全然ダメだったと思うよ」

 「私は、今の経験と技術と、ついでに今の知識と財力も持って、10代に戻れたら、最高だと思いますよ」

 そうですね。若い時は、若さと体力と時間を持っていたけれど、知恵も知識も財力も無かったわけ。老人になった今は、それなりの知恵も身につき、知識も蓄え、財力だってそこそこある。だけど、若さはとっくの昔に無くなっているし、体力もヘトヘトだし、時間も人生のロスタイムに入っているようなもん。『あちらを立てれば、こちらは立たず』じゃないけれど、若さと体力と時間を持っている時は、知恵と知識と財力が不足し、どうにか知恵と知識と財力を持てるようになった時には、若さと体力と時間が無い。私の人生には、常に“欠け”があったわけだ。藤原道真には、程遠いね。

 まあ、老いを嘆いても始まりません。少なくとも、今日の私は、明日の私よりも、確実に、若いんです。たった1日かもしれないけれど…。老いを嘆く暇があったら、今の時間を大切にして、やりたい事とやるべき事をさっさと始めないとね。もしもダメでも、やるだけやった結果なら、それはそれでいいじゃない。少なくとも、やらないままで出来ないままで後悔するよりも、やってやって、結局モノにならなくて後悔した方がいいね。モノにならなくても、やっている最中は、確実に幸せだったんだからね。

 だから、私は結果だけを望まずに、その過程(つまり練習だ)を楽しんでいこうと思ってます。

 まあ、旅行に例えれば、若い人生は、ジェットを飛ばして、ビュンビュン目的地に行くようなもの。老いの人生は、各駅停車の鈍行列車に乗って、残りの旅路を惜しみながらの旅行のようなもの。ならば、終点までの車窓を思いっきり楽しむ事にしましょ。

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コメント

  1. ぼー より:

    スケール練習を感覚で覚えている自分はダメダメってことですね…速めに吹くと間違えないのですが、ゆっくりやると色々考えて間違えます(汗)

    今の知識、経験、財力を持って時をさかのぼる…皆さん考えるんですね。小学生くらいまで戻れたら、10倍くらい濃い人生が送れるような気がします。
    ま、無理な話ですし、車窓からの眺望を楽しんでいきます♪

  2. すとん より:

    ぼーさん

    >スケール練習を感覚で覚えている自分はダメダメってことですね

     いやいや、そういう事では無いと思います。スケールを感覚で覚えていると言うのは、とても大切な事だと、個人的には思ってます。ただ、私のH先生が、スケールやアルペジオに限らず、なんでもかんでも「カラダで覚えちゃダメ。しっかり楽譜を視認しながら吹きなさい」という人なので、私もなるべく、その線で頑張ってみようとしているだけです。おそらく、初見に強くさせようという狙いがあるんだろうと思います。

     一般論的には、練習を重ねていけば、イヤでもカラダで覚えていくわけだし、カラダで覚えたからこそ、スムーズに動くという部分があります。

    >速めに吹くと間違えないのですが、ゆっくりやると色々考えて間違えます(汗)

     そうそう、カラダで覚えちゃうと、テンポが変わったり、途中から再開すると、途端に戸惑いが生じて、ワヤクチャになるんですよ。レッスンの時に、私はしばしばこれを喰らってます。で、戸惑っていると「カラダで覚えちゃダメでしょ」と注意されます(笑)。
    >小学生くらいまで戻れたら、10倍くらい濃い人生が送れるような気がします。

     私は中学3年生ぐらいでいいです。高校入試からやり直したいかな? そこからなら、今の生活をブラッシュアップできると思うんです。小学生まで戻っちゃうと、今とは全く違った人生になっちゃうので、それはそれでバクチになって、オッカナイですよ(笑)。

  3. funkyhassy より:

    え?体で覚えるのはダメなんですか、、、。
    私の場合、苦手な調のスケールはいちいち音を考えるとうまくいきません。
    全全半全全全半のインターバルで吹くんだという感覚で吹くと自然と指が動いてくれます。
    これはダメなのかな?

    ただし、この方法だと、速いパッセージを階名で歌えないと演奏できないという原則と矛盾します。
    ♯、♭もせいぜい四つまでならいいんですけどね。。。
    シの運指をドと唱えるたり、ミの運指でファと唱えるのって違和感てんこもりですもの。

  4. 椎茸 より:

     すとんさんのフルート日記を読んでいると、自分もフルートをやってみたくなります。プラスチック製のフルートの話のときは、「こ、この値段だったら買える……!」なんて危険なことを思ってしまいました。
     音色的には、フルートよりもクラリネットとかオーボエの方が好きですが…それでもフルートもいいなあ~なんて思います。

     一方、すでに歌をやっていることから、息系(?)の楽器はちょっとな~なんて思う冷静な自分もいます。
     ピアノでもちゃんと習っていれば良かったかなあ。

  5. すとん より:

    funkyhassyさん

    >え?体で覚えるのはダメなんですか、、、。

     はい、ウチの先生曰く「絶対ダメ!」だそうです(汗)。なので、私はなるべくカラダで覚えないようにしてますが…なんども練習していると、ついつい覚えちゃうんですよねえ…。

     カラダで覚えることの是非については、上にあるぼーさん宛のコメントに書きました。先生には先生なりの思惑があって、私に「覚えちゃダメ」って言っているのだと思います。一般論的には「カラダで覚えてしまうほど、練習しろ!」じゃないかな?

     ウチの先生は、オーケストラプレイヤーですから、練習場で譜面もらってリハーサルして、リハーサルが終われば譜面は楽団に返して、翌日、譜面をもらったらゲネプロして本番して…なんて生活をしているようなので、基本的な発想としては「練習せずに本番で演奏ができる」が目標なんだろうと思います。なので「カラダで覚えちゃダメ!」なんだろうと思ってます。

     実際、レッスンの時も「譜面をもらったら、すぐにその場できちんと吹ける事!」って言ってますし、実際、姉様は初見譜でレッスンしていたりします(あれは結構キツイ)。

  6. すとん より:

    椎茸さん

     私ももう少し若くて才能があったら、フルートでなく、ピアノをやっていました。実用性を考えたら、やっぱり歌と一緒にやるべきはピアノだと思いますよ。ピアノは20代の時にチャレンジして挫折してますので、今更…って思ってます。まあ、リタイアして、たっぷり時間が使えるようになったら、ピアノを再開するかもしれませんが(笑)。

     私がフルートをやっている理由は色々ありますが、その一つに、私が「テノールだから」という理由があります。私はテノールであって、ソプラノではないので、ソプラノの曲が歌えないじゃないですか? でも、フルートを吹けば、ソプラノの曲を…少なくとも演奏できるでしょ。と言うのも、フルートってソプラノの音域とほぼ一緒なんですよ。そういう事なんです。

     なので、私が女声だったら、きっとフルートではなく、チェロをやっていると思いますよ(笑)。

  7. 游鯉 より:

    すとんさん、こんにちは。

    私も今の財力のまま、10代に戻れたらいいなと思います。
    楽器が買えて、好きな先生に師事できても、もう、昔のような記憶力と瞬発力、持久力がないというのは、哀しいですね。

    でも、やらなくて後悔するより、やりたいだけやって、死にたいと思って、傍から見たら、頑張りすぎててちょっとイタイだろうけど、好き勝手やってます(笑)

  8. すとん より:

    游鯉さん

    >私も今の財力のまま、10代に戻れたらいいなと思います。

     私は10代に戻れませんが、息子はまだ10代です。私の両親には経済力がなかったので、私は残念な子ども時代を過ごしてしまいましたが、私にはソコソコの経済力があります(笑)。私の財力(ってほど立派なモノではありません)を使って、息子には(可能な範囲で)やりたい事をやって欲しいなあと思ってます。

    >でも、やらなくて後悔するより、やりたいだけやって、死にたいと思って、傍から見たら、頑張りすぎててちょっとイタイだろうけど、好き勝手やってます(笑)

     同感です。自分の人生は自分のものです。若い時に出来なかった思いを、悔いとして残さないために、やるだけやって「ああ、楽しかった」と言って、あの世に旅立ちたいものです。

  9. コメント書こうと思いましたが、消灯時間のPMの11時を
    超えてしまったので今日書きます(笑)

    私も最初「レ#」に馴染めませんでした。
    #系だと#が4つ付くまで「レ#」は出て来ませんが、
    ♭系だと2コ目で出てくるので、「ミ♭」のイメージが強いです。

    しかし・・・フルートに関しては新しい先生に代わった時に、
    ちょうどアルテの13課のE-durだったのに加え、
    音出しや脱力をマスターすべくなかなか合格を下さらなかったのもあり、
    馴染みのある調になりました(笑)

    私は0歳代に戻りたいというか、4歳位に戻ってピアノを
    1からしっかり学び直したいです。
    エレクトーンは5歳で始めたんですけどね。

  10. すとん より:

    神楽坂さん

     健康第一ですから、就寝時間は厳守してくだされ(爆)。

    >#系だと#が4つ付くまで「レ#」は出て来ませんが、♭系だと2コ目で出てくるので、「ミ♭」のイメージが強いです。

     ですよね、私もきっとそうです。私の場合は、老化現象でしょうか、頭がカタくて、最初に入った情報がなかなか書き換わりません(涙)。なので、なかなか「レ#」は難しいです。ま、時間がかかっても、マスターしてやりますがね(ファイト!)。

     私は就寝時間なんて、決めた事ないです。毎日、眠くなるまで起きてます。で、撃沈直前に布団に入る…ことが多いかな? 起床時間は、社会人として生きていくために、仕方なく決まってますが(笑)。たぶん、睡眠時間は、世間の人と比べて、短い…んじゃないかな? 人生短いんだし、なんか寝るのがもったいなくてね(爆)。

     一応、学生時代から、寝坊での遅刻なんてナイですよ。いくら寝てなくても、寝坊はしません。

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