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鼻腔の感覚を感じよう

 声楽のレッスンに行ってきました。

 私の目下の課題は「高いGをスコーンと百発百中で出す」ことです。そのためには、色々とマスターしないといけない事がありますが、まずはしっかり腹筋を使って発声することが大切です。で、どれくらい腹筋を使うのかと言うと「やせている人に見えるくらいに」しっかりと腹筋を引き締めて歌うことが大切なんだそうです。ええ、100Kg近い私がやせて見える??? そりゃあ、相当な勢いでお腹を引っ込めないといけないじゃん。うわ、大変。…もちろん、ノドは脱力ですよ。

 私の「高いGを出す」以外で、目下の大問題となっている事は「すぐに疲れること」です。ほんと、私って、歌っているとすぐに疲れちゃうんです。いわゆる“演奏体力”って奴がないんです。「疲れる、疲れるって言うけれど、どこがどんなふうに疲れるのかを、しっかり自覚した方がいいよ」と先生に言われました。確かにそれは理屈ですね。でも、実際、どこがどう疲れるのか、自覚がないんですよ。ああ、困った。

 響く声で歌うことは大切です。そのためにも声は後ろに持っていくべきです。そして、いわゆる“あくびのノド”で歌いましょう。歌の上手な人は、歌いながら“あくびのノド”をするのが苦手なんだそうです。実際、妻はできません。私? 私は“あくびのノド”は結構得意よ。つまり、私って歌がヘタってこと(まあ、いいけど)。

 しかし“あくびのノド”は得意なのに、すぐに声が前に行ってしまうのはなぜ?

 鼻で息を吸うと、鼻腔が涼しくなります。鼻から息を吐くと、鼻腔が暖かくなります……ってほんと? 私は鼻から息を吸うと鼻腔が涼しくなるのは感じるけれど、鼻から息を吐いても鼻腔が暖かくなるなんて感じた事ないよ。

 息を吸うと、息が鼻やクチから入ってノドを通って体内に入っていく感じは分かる。でも、息を吐く時に、息がノドやクチや鼻を通っていく感覚は全く無いです。息はクチや鼻から出るから、出た息の存在でそれが出た事が分かるのであって、カラダの中のどこをどのように通っていくかなんて分からない。自覚した事無いよ。

 もちろん、息が分からないのだから、声がノドや口腔や鼻腔を通って出て行くという感覚も、実はよく分かりません。先生は温度とか音の響く感覚で分かるだろうとおっしゃるけれど、私にはちっとも分からない。息が入ってくる時の感覚は分かるけれど、息が出て行く時の感覚は全然分からない。ましてや、声の感覚なんて皆無だよ。

 鼻腔の感覚が鈍いのだろうか? この感覚が分からないと、声を響かせるポイントが分からないと先生はおっしゃるし、もしかして私がポジションの事をいくら考えても分からないのは、この手の鼻腔の感覚が無いからかもしれない。

 ん? もしかすると、これって致命的な欠落? ヤッバイかな? 響く音や高い音は、鼻腔で声が鳴る事が肝心なのですが、鼻腔で声が鳴っている感覚が分からないなら、それを自覚的に再現することは、かなりキビシイ…?

 例えばハミングの感覚。ハミングは鼻腔で声を鳴らしているのだけれど、私はそれでも、声が鼻腔で鳴っているという感覚がありません。声を聞くと、確かに鼻腔で鳴っていると先生はおっしゃるのだけれど、その時に鼻腔で声が鳴っているとは、私には感じられない。むしろ硬口蓋付近で鳴っているような気がする(先生曰く、その感覚は違っている、のだそうです)。

 どうやら私の鼻腔には各種センサーが無い、または、各種センサーがかなり鈍いようである。とにかく、冷感は感じるけれと、温感や圧力や振動と言ったものは感じないのです。困りました。この感覚がないと、歌えないそうです。さあ、困りました。

 これからしばらくは、鼻腔に神経を集中して、鼻腔で息の温度や圧力や声の響きを感じられるようにしておいてくれと先生に言われましたが、じゃあ、具体的に何をどうやって訓練しましょう? 練習方法が見つからない(汗)。

 先生に言われました。「すとんさんには理屈は十分教えてあるので、あとはそれを感覚でつかめるかどうかです。くれぐれも頭でっかちにならないように…」 感覚をつかむのが一番難しい事かもしれませんね。理屈無しで感覚的に物事が捕らえられる人がうらやましいです。

 以上、発声練習でした。今回のレッスンは発声練習だけで、ほぼ終了。コンコーネの15番はちょっとやったけど、ちょっとだけなので、また来週も継続です。プッチーニは…楽譜を出してもいない。とにかく、今回は鼻腔鼻腔鼻腔でした。ううむ、鼻腔君が夢に出てきそうだ。

 来週は呼吸のチェックをするそうです。鼻腔が無感覚なのは、呼吸に問題があるかもしれないとの事です。基礎練習というよりも基礎点検みたいなレッスンですね。来週を乞ご期待(笑)。

コメント

  1. Cecilia より:

    昔声楽の先生たちから言われたことを理屈として人にわかるように整理したいな、と思います。感覚的に学んできたことのほうが多いような・・・。
    私はとにかく最初は鼻腔共鳴のことばかり言われていましたが、否定的な意見もあるのかな、と最近知りました。
    いろいろな意見があるのでわからなくなりそうです。

  2. すとん より:

    Ceciliaさん

     分かる事よりも出来る事の方が大切です。声楽教師になるのでもなければ、理屈で分かっている必要もないし(笑)。でも、感覚だけでなく理屈でも分かっていると、スランプの時などに、そこからの回復が早くなる…という利点はありますね。

    >私はとにかく最初は鼻腔共鳴のことばかり言われていましたが、否定的な意見もあるのかな、と最近知りました。

     へえー、鼻腔共鳴を否定する方々がいらっしゃるんですか? 私は知りませんが、では、声の響きとかは、どのように理解されていらっしゃるのでしょうね。

     

  3. プリロゼ より:

    鼻腔共鳴を否定する派のお話、読んだことあるわ~。
    日本人って(アジア圏全般)、もともと鼻にかかった発声なんですって。
    で、ヨーロッパの人は胸に響く声なんだって。
    これは住環境や湿度が影響しているらしいんだけれど、
    そんなわけで、一般的な日本人は、あえて鼻腔を意識しなくても
    そこそこは出来ているらしいの。
    そこにわざわざ鼻腔を意識して発声すると鼻声になって、
    マスケラとは違った声になるんだって。
    諸説あるみたいだけれど・・・ワタクシもよくわからないわ~。
    でもね、今日のレッスンで、いいカンジの声が出ていたらしく、
    先生が「それよ~っ!!」っておっしゃっていたわ~♪
    その時に自分の喉の状態で感じたのがね、
    『喉が低い』ってことなの~。
    うーん、鼻腔を意識するより、喉を下げて舌の位置も注意して脱力。
    首(耳かな)の後ろから声が出る感じだったわね~。
    しかも、自分にはよく聞こえていないのよ。
    実感のない声っていうのかしら~?
    でも頭の中で声がビンビンしてるカンジもあったような・・・。
    やっぱりわかってない(笑)

  4. すとん より:

    プリロゼさん

     鼻腔共鳴の否定と言うか、日本人はマスケラを意識しない方がいいって話は聞いたことがあります。ああ、それの事だったのか?

    >日本人って(アジア圏全般)、もともと鼻にかかった発声なんですって。

     そうそう、私も元々は鼻声で、まず最初に、その鼻声を矯正するところからレッスンは始まったんだよ。なので、ちょっとでも鼻を意識すると鼻声に戻ってしまいます。でも、鼻声で鼻腔共鳴は似て非なるものらしいのが、厄介です。

     それにしても、プリロゼさん、なかなか発声に関しては、なかなかいい線行っているみたいじゃない。まだ習い始めて一カ月くらいでしょ? もうすでに私を抜いているような…。なんか、焦る(汗)。

  5. グレッチェン より:

    鼻腔ですか[E:sign02]感じたことないです[E:sweat01]あら、今更どうしましょう[E:run]この期に及んで発声からやり直せないし でも発声って先生によって本当に様々ですね。声楽はピアノみたいに規格があるわけではなく 個人の固体差も感じ方の違いもあるし なにより音を出している本人に 正確な音が聞こえないのですから 手探りで船を漕いでいるような気がします。すとん様の疲れ方がどのようなものか 見当もつかないのですが、それだとリサイタル開くのに困りますね[E:crown]

  6. すとん より:

    グレッチェンさん

     お、ここに鼻腔仲間が…(ちょっと違うか)。とりあえず、グレッチェンさんの場合は、何事も発表会を終えてからですよ、今は発声をいじっちゃダメよぉ。私の場合は、ただいま発表会の谷間の時期なので、発声の大幅見直しをしている最中なんですよ。ここできちんと発声を治して、来年のガラコンサートに備えている…ってわけです。

    >発声って先生によって本当に様々ですね。

     そうですね。最終到達地点はどの先生も同じ(のはず)ですが、その途中経過というか、メソッドが違うわけで、そこがおもしろかったりします。

    >それだとリサイタル開くのに困りますね

     いやあ、困ってますよ。実際、曲によっては、一曲歌えなかったりしますからね。とてもリサイタルどころではありません。私は一曲歌うと、本当にヘロヘロになるのですが、皆さんはそんなに疲れないのかな?

  7. Yテノール より:

    私も息を吸った時は外気は冷たいので温度差で鼻腔を感じることができますが、
    吐く息は体温と同じですから判然としません。
    目下、音の響きと息の流れの摩擦で感じとれないものか頑張っておるところです〜♪

    鼻腔全体、とりわけ奥や上の部分が響くのが鼻腔共鳴なのであって
    鼻腔の前や下の部分のみが響くと鼻声になってしまうと理解しております。
    声を後ろに引っ張るというのもそういう意味があるらしいです。

    私も高音のFとかGが詰まってしまっています。
    高音ということで反射的に力んで押してしまうので、喉とかに力が入り
    息も細くなって鼻腔も閉じて広く使えていない状態のようです。
    キング先生曰く鼻腔であれ喉であれ口であれ開ければ響きます。
    響かすのではなく勝手に響くのです。と仰いました。
    鼻腔を開く為にも、息を幅広く鼻腔までダイレクトに流して発声するよう言われました。
    この課題は、私にとって、かなり重要で大きなハードルだと感じております。
    どんなに時間がかかっても是非クリアしたいと思っております。

    お互い超えなければならない大切な課題を抱えておりますね。
    とにかく粘り強く乗り越えて参りましょう〜♪

  8. すとん より:

    Yテノールさん

    >鼻腔全体、とりわけ奥や上の部分が響くのが鼻腔共鳴なのであって
    >鼻腔の前や下の部分のみが響くと鼻声になってしまうと理解しております。

     おぉ、私はその鼻腔共鳴と鼻声の違いについて、漫然と考えていました(と言うか、よく分かっていなかった)のですが、なるほどと言う気がしますね。

     あと、これは私の個人的な感覚かもしれませんが、鼻声の時は鼻腔の入り口が閉じていて、鼻声ではない時(これが“鼻腔共鳴”だとうれしいのですが…)の時は入り口が開放されているのではないかと思ってます。と言うもの、私が鼻声克服で試行錯誤した時、結局、鼻腔の入り口が閉じているための鼻声だということに気づき、それ以来は、常に、オープン・ザ・ドアーの精神で鼻声を回避しているからです。

    >声を後ろに引っ張るというのもそういう意味があるらしいです。

     これも注意された直後なら分かるし出来るのですが、やはり自分の中の感覚としては全く定着していないので、なかなかの難物です。それと同じく分からないのが『もう一つ上の別の部屋に声を入れる』って表現ね。これも難物です。

     高音のFやGの詰まりは、私の場合は、ノドで起こっています。おそらくノドに力が入りすぎて、声帯の振動そのものが止まってしまうのではないかと思ってますが『じゃあなんとかしろよ』って感じですが、何ともなりません(汗)。自分の考えているとおりに自分のカラダって動いてくれないものです。そういう“楽器を操作する”という意味においては、歌よりもフルートの方がナンボも簡単です。

     歌って…難しいかも(泣笑)。

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