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アペルトはダメよ

 声楽のレッスンに行ってきました。

 「そうそう、ちゃんと言っておかないといけない事がありました……ヴァイオリンの松脂は毎回きちんと塗りましょうね。」

 ?? 声楽のレッスンですが、入室一発目にキング先生に言われた事がコレ。

 キング先生、チェリストでもいらっしゃいますので、弦楽器についてもプロなんですね。だから、私がヴァイオリンの練習の時に、あんまり松脂を塗らない事を知って、呆れていらっしゃいました。「弓を弦に乗せて動かす時に抵抗がないってのは…信じられない」のだそうです。とにかく、色々な状況証拠から考えても、私の場合、松脂塗らなさ過ぎは事実のようです。

 別に松脂をケチっているわけじゃないんですが…これからは、なるべく松脂を塗るようにします。

 さて、声楽のレッスンです。まずは、発声練習から。「今はどの音を歌っているか」をきちんと気にする事。これが現在の最大重要課題だったりします。なので、とにかく発声しながら数えています。きっと、これもしばらくやっていると、何らかの効果が出てくるのでしょうね。現段階では、わけも分からずに、今、どの音を歌っているのかを数えています。

 そして、最高音が高いAになったら、止める事。いつも言われている事ですが、これも大切。

 コンコーネです。今回は4番と5番でした。とにかく4番は合格。5番は次回もやりましょう。ちなみに、次回は5~7番が宿題です。

 コンコーネの注意も、毎度毎度の注意ですが「ポジションは決してさげない事」です。これが今の私の課題ですね。

 それと、私は高い音を歌うときに、ついつい声が前で開いてしまう癖があります。いわゆる“アペルト”になるわけですが、この現象を自覚して、直しましょうという事です。とにかく「声は“後ろ”で“開いていく事”が肝心」です。また、音が下に跳躍する時は、ついつい油断してポジションごと下がってしまう癖もありますので、決して、音程を下げても、ポジションは下げないように気をつける事です。ほんと、そのためには、歌っている時は、絶対に気を抜かない事。むしろ下降音形こそ、支えが必要なんです。

 そういえば、練習しながら、ふと思ったのですが「ポジションを高いところでキープしたまま歌う」って「鼻腔で歌う」のと、同じ意味かな?

 最近、私は自分の歌う時の息が強めだなあと感じるようになりました。強い息によって、声帯に不要なプレッシャーがかかっている事を感じます。だからと言って、息の勢いを弱めると、力が抜けすぎて、弱々しい声になってしまいます。その中間が程良いのですが、その程良い息ではまだまだ歌えません。息のコントロールは難しいです。

 さて「ガンジス川」。上記と関係しますが「声を張らない事」と「脱力して歌う」は全くの別物ですね。それに“脱力”と言っても“力の抜きすぎ”もダメ。じゃあ、必要なところだけ力を込めて…なんて思ってやっていると、ついつい声を張ってしまいます。何事においても、中庸というのは、難しいのです。

 とにかく「ガンジス川」は、ポジションを高めにキープしたまま、響きで歌う感じがちょうど良いみたいです。

 この歌は、ポジションがずっと高いままでないと歌えない曲なので、気を抜くと、すぐにポジションが下がってしまう私のような人間にとって、とても良い練習曲になるそうなので、レッスンの課題として終わったとしても、この曲は、ずっと自宅で歌い続けると良いと言われました。…そうします。

 話は変わりますが……それにしても“聞いた音”を(即座に反射的に)歌うと言うのは、まだまだ難しいです。

 “聞いた音を歌う”ってのは、例えば、ピアノをポーンと鳴らしたら、その音を歌う事。音感がない私にとって、これって意外に難しいです。耳で聞いて「ああ、あの音ね…」と思っても、それを歌おうとすると、私の声は違う音を歌ってしまって残念…という状態がまだあります(悔しい)。脳は「その音じゃない」って分かっているんだけれど、声は「じゃあ、どないすればいいんじゃい」状態になってしまいます。

 脳のイメージどおりの声を出すための筋肉の動かし方のイメージというのが希薄なので、ピアノの音を聞いて、その音程の声を出すためには、カラダのどこの筋肉をどうやって動かしていけばいいのかが、分からなくて立ち往生してしまうわけです。

 そういう意味では、脳と筋肉がまだ乖離しているわけで、音が聞けたからと言って、ちゃんと歌えるわけじゃないんです。そこんところ(感覚と運動の一対一の対応)が未熟なので、訓練して鍛えていくしかないのだけれど、その訓練がまだまだ足りないようです。

 一応ヒント(今の音がコレだから、次はコレね)みたいなものがあれば、まだ楽なんだけれど、いきなり「ポーン」で歌いなさいは、音感のない私には難しいですよ(涙)。

 ああ、音感、欲しいなあ。無い物ねだりだけどサ。

 話をレッスンに戻すと…「ガンジス川」の次は「約束」です。

 この曲、やっぱり難しい。特に最初に二小節が、とっても難しい。歌い出しでいきなりコケます。

 そこで、まずはこの最初の二小節だけを、何度も何度も繰り返して歌って、チェックしてもらいました。高いAsは出ない音程じゃないけれど、私の中で苦手意識があって、それがAsを失敗させるのです。

 まずはAsに対する苦手意識を払拭する事から始めないと。そのためには、Asの成功体験をたくさん積み重ねる事が大切です。フェルセットは声楽の世界ではダメな発声だけれど、限りなくフェルセットに近い声(しかしファルセットではない声)で、楽にAsを歌えるように癖つける事から始めましょう。そのためには、ゆっくりと丁寧に歌って練習する事が大切(フルートのH先生によく言われる事ですね)。歌っている時の自分のカラダの動きに注意を払う事。

 とにかく「約束」の最初の二小節を徹底的に練習する事。ここが歌えるようになれば、あとはそんなに大変じゃないので、なんとかなるはず。

 ううむ、頑張らないと。

 ここまでやったところで、時間がなくなったので、二重唱「乾杯の歌」のレッスンは無しとなりました。ま、仕方ないね。それに、二重唱は、まだ、なんか以前の悪い発声の癖が取れていないので、少し間を置いて、カラダが悪い発声を忘れる必要があるかもしれません。なので、練習は次回でもいいや。

コメント

  1. すとんさま

    声楽ってやっぱりムズカシイですね・・・。
    ピアノの音聴いて、声にする。 ワタクシ、今やってみました。 玉砕(笑)
    チョー難しいではないですかっ! 
    その点、フルートはいいですね♪ 音程さえしっかりすれば、ピアノと同じ音でるもん♪
    しつこいようですが、フルートで 『乾杯の歌』二重奏って無理ですかねぇ?

    ワタクシ、この曲も大好きです。 っていうか 『椿姫』 自体が好きですね♪
    歌ってみたい・・・(はぁと)←すとんさまのマネ。これいただきます。かわいぃ♪

    すとんさまは 『主役』 『オレ様』 絶対なんですね! 
    好きですよ、そゆ自分絶対主義!! ワタクシもそんなところが出てきました(^^)

  2. すとん より:

    >夢見るお姫様さん

     音感を持っている人なら、たやすい事なんでしょうが、一般庶民には、なかなかピアノの音を聞いて、その音で歌うと言うのは簡単な事でありません。かなりの訓練が必要でしょう。私は、声楽始めて4年ですが、まだまだ訓練不足です(汗)。

     その点、フルートは運指さえあってれば、それらしい音が出ますから楽勝です。…ちなみにヴァイオリンは、ちっとも楽勝ではありませんが、それでも声楽よりはマシだと思います…。

    >フルートで 『乾杯の歌』二重奏って無理ですかねぇ?

     全然可能ですよ。それどころか、たしか、二本のフルート用に編曲された譜があったと思うし、たぶんレコーディングもあったんじゃなかったっけ?(記憶で書いているので、間違ってたらごめんね)

     オペラの曲は、そういうフルート用にアレンジされた楽譜で演奏することも可能だけれど、歌の譜面をそのまま使っても演奏可能ですよ。特に、テノールとソプラノのデュエットなら、フルートでそのまま吹いても、そんなに違和感ありませんよ。ま、本当なら、テノールパートはバスフルートで吹くと音域的にはバッチリでしょうが…。

    >っていうか 『椿姫』 自体が好きですね♪ 歌ってみたい・・・(はぁと)

     そういう動機で声楽を始める方って、割といますよ。それくらい『椿姫』って女声だと歌ってみたい曲なんでしょうね。実際は難曲揃いなので、かなりしっかりと訓練していかないと厳しいのですが、でも皆さん、頑張ってますよ。全曲はなかなか難しいでしょうが、アリアや二重唱を数曲だったら、数年勉強すれば歌えるようになれるかもしれませんよ。

    >すとんさまは 『主役』 『オレ様』 絶対なんですね! 

     はい、そうです。やっかいな性格です(笑)。でも、脇役だってやりますよ。そんな時は「脇役やっている、オレって、イケてる?」とか、心の中でニタニタしながらやってます。ああ、救いようのない『オレ様』だなあ(爆)。

  3. 「乾杯の歌」 フルート編曲あるんですね!
    二重奏は聴いたことないけど、パユさまの最新CDに入っていました♪

    楽譜、さがしてみよっと♪
    バスフルート持ってる人、いるいる!
    お願いしちゃおうかな。 でもワタクシの演奏技術が追い付かない・・・(涙)

    すとんさま、いろいろありがとうでございます。

  4. だりあ より:

    ピアノの一つの鍵盤を押した音を聞いて、その音と同じピッチの音を自分の声で♪アー と発声すればいいんでしょうか?アーじゃだめで、音名で♪シー とか♪ファーとか、当てて発声するのでしょうか。

    もし音名までは当てなくてもよくて同じ高さの音を発声できれば合格、っていうのでしたら、私・・・、ジマンじゃないけど、それくらいならゼーンゼン平気にできちゃうんですけどこれって、もしかしたら音感があるってことなんでしょうか。考えたこともなかったんですけどみなさん普通にできることだと思っていましたが・・・。

  5. すとん より:

    >夢見るお姫様さん

     ええと、二重奏は私の勘違いだったかもしれない(ごめんね)。でも、「乾杯の歌」って、ソロの演奏の方は、割と簡単なアレンジから、プロのコンサート用のアレンジまで、たくさんありますよ。結構、人気曲みたいです。譜面は簡単に見つかると思いますよ。

    >バスフルート持ってる人、いるいる!

     え? そりゃあ、友好関係が広いなあ…。だいたい、フルート吹いている友人ってのが、そう多くないだろうに。さらに特殊菅って言うと、普通はピッコロだよ。アルトフルートって、かなりの少数派だし、ましてやバスフルートってなると、希少種だよ。私の身近にバスフルート吹いている人…いないなあ。

     あ、そう言えば、私自身がバスフルート、吹いてみたいかも(爆)。

  6. すとん より:

    >だりあさん

     自分の声で「ア~」って歌えばいいんです。「ド~」とか「シ~」でもいいですが、それだと、さらにハードルが一段高くなりますよ(笑)。

     ピアノの音を聞いて、同じ音がすぐに歌える人は、耳で聞いて脳で感じる音のイメージと、全く同じイメージを自分の筋肉を使って声として発声できるわけで、耳と脳と筋肉の連携がうまくいっている人なんです。つまり、インプットとアウトプットがうまくつながっている人なんです。

     私なんかは、このインプットとアウトプットがつながっていなくて、それを訓練でつなげている最中なんですよ。

     こういう能力って、子どもの頃に音楽的な環境があって、音楽に親しんでいると、自然に身に付くものです。しかし、子どもの頃にそういう環境にいなかった人は、つながっていないんです。だから、普通の人は、つながっていないんですよ。それをオトナになってからつなげようとすると、大変な思いをするわけです。

     そういう意味では、この能力も音感の一つだと思いますよ。

     何事もそうですが、子どもの頃なら楽に体得できるけれど、オトナになってからだと、すごく苦労する能力ってたくさんありますが、音感なんて、まさにそういうものらしいです。

     音感だって、言ってみれば、単なる“記憶”でしかないのですが、やっぱりオトナになってから身に付けるのは、エラく大変です。…でも、やんないと、歌えないので、頑張ってやってます(汗)。

  7. すとんさま

    バス持ってる人ね、コントラバス(フルート)も持ってる!!

    10本はくだらないかも・・・。

    うらやましいぃ!!

  8. 早まって送信しちゃった(汗

    ワタクシ自身、バス吹いたことあるけど(店頭にての試奏)、
    音が出るまで少し時間がかかるような気がしました。 管が長いからでしょうねぇ。
    かなり、息の量を使いますねぇ。 下手だから?

    ピッコロ、欲しいわ(はぁと)

  9. すとん より:

    >夢見るお姫様さん

     バスだけでなく、コントラバスもお持ちとか? フルートを10本以上、お持ちとか?
     いるんですねえ…そういう人。おそらくプロ奏者かマニアの方なんでしょうね。

     私はバスフルートは欲しいけれど、ピッコロはいらないです。別にピッコロが嫌いなわけではないのだけれど、あれだけ小さいと、うまく扱えなくてね。ピッコロは小人じゃないと吹けない…ような気がするんですよ。(違うか?)

    >音が出るまで少し時間がかかるような気がしました。

     低音楽器って、どれもこれも、音が出るまで少し時間がかかりますね。おっしゃる通り、菅自体が長いという事もあるでしょうし、音波だって長いですからね。やっぱり色々と大変なんだと思います。

     バスフルートは音域的にはテノールなのに、全体的なイメージは全然テノールではなくバスっぽいんですよね。だから名称もバスなんでしょうね。でも、あのバスフルートの味というか音色というか、なかなかいいですよね。

     バスフルート、欲しいわ(はぁと)。

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