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トスティもナポリ民謡のうち?

 声楽のレッスンに行ってきました。

 まず最初に、ガラコンサートでどんな曲を歌おうかという相談から始めました。と言うのも、これからの一年間のレッスンの帰着点がガラコンサートなわけですから、そこへ向かって、どのようなレッスンをしていくか、つまり、これからの一年間の声楽カリキュラムをどう組み立てていこうかと言うわけで、単に「コンサートで何歌う?」という軽いノリの話ではなく、いわば、この一年間の学習目標を決める、とても大切な相談という奴をしてきたわけです。

 とりあえず、隔年で行われている発表会との差別化で考えてみました。発表会で歌う曲は、今回の「人知れぬ涙」のような“一曲入魂”系の歌がチョイスされます。どうしても、その時点での私の能力の限界ギリギリのマジなオペラアリアを半年ほどかけて練習していく事になります。これはこれで勉強になりますが、しかし、ガラコンサートは一人で15分(つまり3~4曲)も歌うわけで、“一曲入魂”系の曲をチョイスしてしまうと、練習期間的にも、体力的にも、とても間に合いません。

 それに発表会とガラコンサートでは、そもそもの目的が違うわけだし…。

 となると、ガラコンサートでは、高難度の曲を攻めるのではなく、15分という時間でどういうプログラムを組んで行くかという方向で曲決めをしていきましょうと言うことになりました。15分を歌いきる事が大前提なので“一曲入魂”系の歌は(体力を消耗しすぎるので)歌いません。

 で、そこで私の要望は「レパートリーの拡充」です。つまり、皆が知っている曲(いわゆる、アンコールピースって奴ですね)を私の歌のレパートリーに加えていきたいので、ガラコンサートへ向けたレッスンは、ガチなクラシック曲ではなく、古来テノール歌手たちが歌ってきた類のポピュラーソングをやってみたい、と申し出ました。具体的には、ミュージカルナンバーとか、クラシック・クロスオーバー系の名曲を歌いたいのです。

 で、先生の反応ですが……ミュージカルナンバーだったら、ガラコンサートではなく、歌劇団の公演の時に歌ったらいいんじゃないの? と言われました。

 と言うのも、来年公演予定のミュージカル「赤ずきんちゃん」は、短いミュージカルなので、この曲だけで、一回のコンサートにするのは無理があります。コンサート的には、どうしても二部構成のステージにせざるを得ません。そうなると、第一部歌謡ショー、第二部ミュージカルという構成にするのが普通かな? ならば、その第一部の歌謡ショーで、ミュージカル系の歌を歌えばいいじゃんって事になりました。

 ま、それはそうかも…。

 で、先生からの提案が「ならば、ナポリターナを歌いましょう!」でした。

 ナポリターナ、つまり、ナポリ民謡とかイタリア民謡って言われているあの手の“能天気”系の曲です。「オー・ソレ・ミーオ」とか「帰れ、ソレントへ」とか「サンタ・ルチア」とか、ああ言った曲ね。

 「まあ、ナポリターナも嫌いじゃないけれど、あんまり能天気なのも……」とグチグチ言っていたら「トスティもナポリターナだよ。まずはトスティを潰していきましょうか。その後は、ナポリターナにも根暗な曲がありますから、そういう曲を歌っていきましょう」と言われました。

 ううむ、トスティか、確かに彼はナポリ系の作曲家だったよなあ、「マレキアーレ」なんて普通にナポリ民謡のCDに入っているよなあ。それにトスティって、私の憧れの作曲家だしなあ…。根暗なナポリターナと言うと「カタリ・カタリ」とか「忘れな草」とか、ああいう曲? なら、まあ、いいっかな~。

 と言うわけで、ナポリターナと言うか、トスティを歌っていくと言う方向で、ガラコンサートに向けて、レッスンしていく事になりました。

 なので、今歌っている「ガンジス川~」が終わったら、ガラコンサートに向けての練習を始める事にします。トスティを中心に、いわゆるナポリターナの曲をバンバン歌ってみて、歌いながら候補を絞っていき、最終的にガラコンサートの曲目を決めていくという方針で行くことにしました。

 なので「ガンジス川~」の次は、ロッシーニの「音楽の夜会」の中から「約束」を歌う事になりました。

 …あれ?
 
 
 さて、レッスンです。今回のコンコーネは18番でした。ちゃんと予習してきたつもりですが、いやあ、リズムがボロボロになっちゃいました。シンコペーションは苦手ではないのですが、なんか上手くいきませんでした(汗)。

 で、問題はリズムがボロボロになった事ではなく、例によって、発音の時のポジションの問題。なので、この18番を階名唱してみました。私の発音のポジションが低くて、そのために“ドレミの発音”が、あまりに日本語的になりすぎていました(日本語は一般的に低いポジションでしゃべります)。“ドレミ”って、ちゃんとイタリア語っぽく発音すると(イタリア語はポジション高いです。あと個人的には、中国語ってポジション高そうだあ~って思います:笑)それなりにポジションが高くなるのですが、そこを日本語風に発音すると、途端にポジションが下に落ちます。私の場合、かなり気をつけていかないと、日本語風の“ドレミ”になってしまうので、まずはそこに注意をしましょうというわけで…18番はやめて、コンコーネの1番に戻る事になりました。

 つまり、18番では難しすぎるので、簡単な1番に戻ったわけです。

 次回までの宿題として、1~3番を正しいイタリア語の発音(つまり、発音のポジションをアゲアゲにして歌うって事)で階名唱できるように、きちんと気をつけて練習するように言われました。

 うむ、コンコーネは番号的に戻っちゃったけれど、今の自分の抜けているところ、欠けているところを補うわけだから、それはそれで仕方ないね。

 ちなみに、コンコーネの練習では、階名を正しいイタリア語で発音する以外にも、口内を縦に開くとか、声は奥に持ってくるとか、faはしっかりとクチビル噛んで発音するとか、siは日本語のシにしないとか、他にも色々と注意事項はあるわけです。それらはも一々、気をつけてくる事ように言われました。

 さて「ガンジス川~」です。この曲でも すぐに子音のポジションが下がってしまうので、注意して歌う事。特に、イタリア語の歌詞にアクセントがついている箇所は、母音ではなく子音にアクセントをつけて歌うと、私の場合、効果的らしいので、子音を強めの高めで歌う事が必要なようです。

 とにかく私は子音の発音が下手みたいです。言葉を一つ一つ分解して、きちんと子音と母音を組み合わせて、同じポジションで歌えるように、ゆっくりと、しかし確実にやってくる練習が申し渡されました。

 子音のポジションを下げないで歌う…理屈で分かるし、耳でも分かるんだけれど、いざやろうとすると、うまく歌えないのです。難しいね。まだまだ、この曲をクリアするには時間がかかりそうです。

 最後に歌劇団で歌った「乾杯の歌」もやりました。歌劇団では、みんなで寄ってたかって歌った曲ですが、レッスンでは、本来の二重唱として、妻と二人で歌います。まあ、私はアルフレードのパートを一通り暗譜していたのですが、妻は今回改めてヴィオレッタのパートを全部歌ったので大変そうでした。

 先生曰く「下手すぎ!」だそうです。まるで、この曲が歌曲か何かのようにしか聞こえないのだそうです。この曲は、オペラの曲で、歌っているのは、アルフレードとヴィオレッタなんだから、アルフレードやヴィオレッタが歌っているように聞こえないとダメ。歌っている人のキャラクターが見える歌い方をしないとダメだし、そういうところに、もっと神経を使わないといけないのです。なにしろ、やせても枯れても、オペラの中の曲ですからね。

 発表会は終わったけれど、やる事はたくさんありそうです。さあ、ガンバガンバ。

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